エンディングノート

環流 虹向

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BOYFRIEND

うるるん想思

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「え…?彼氏…、出来たの?」

私は昨日約束していた成くんの家に行き、ごはんをご馳走してもらう前にちゃんと彼氏が出来たことを報告する。

明人「うん。だからもう会うの難しい。」

成「彼氏さん、束縛強め系?」

明人「いや…、そういうのじゃないけど、私たちの関係的に会って遊ぶのってダメだと思うから。」

成「それは明人が考えたこと?」

明人「うん…。だから…」

成「じゃあいいじゃん。これからも会っていいじゃん。」

よくないから言ってるんじゃん。
なんでここまで往生際が悪いのか分からないよ。

明人「だってセフレだよ?彼氏いるのにセフレと会うのだめじゃん。」

成「“セ”取って“フレ”でいいじゃん。」

明人「そんな都合いい関係になれないよ…。」

成「なんで?友達と遊んだり、ごはん食べたりするだけじゃん。みんなしてるよ?」

明人「成くん、私と会ってる時いつも5回はしてるじゃん。それで友達になれるとは思えないんだけど。」

成「だって明人が可愛いんだもん。」

じゃあ会う時点で盛ってんじゃん。
それで友達になろうなんて、無理じゃん。

成「俺、お酒呑まないから一緒にお肉食べよ?」

そう言って成くんはさっきから何度も人を呼ぶ電子レンジの中から鳥の丸焼きを取り出して、テーブルの真ん中に置いた。

明人「…なんでそんなに私の事好きなの?」

成「可愛いし、ごはん美味しくなるから。」

明人「どういうこと?」

成「明人の顔見てごはん食べると美味しくなるの。他の女はわざとらしいから好きじゃない。」

少し不機嫌な顔をする成くんは包丁とフォークで器用に鶏肉を捌き、私にむね肉をくれた。

成「記憶なくして手出さないために明人と会う時はお酒断つから、たまにごはん一緒に食べよ?」

そう言ったくれた成くんの目は少し潤んでいて、頷かないと泣き出してしまいそうだった。

明人「今日は一緒に食べる。けど、今後のことは彼氏に相談してもいいかな?」

成「…うん。俺の事、彼氏に紹介してくれてもいいよ。セフレだったことは言わないから安心して。」

なんでそんなにしてまで私と一緒にいたいって思うんだよ。

他に可愛い女の子いっぱいいるじゃん。

私になんか執着したってなんにも残らないの、今で分かったはずにそれでも一緒にいようとするのかが分からないよ。

明人「彼氏がOKしてくれたらね。」

成「うん。ありがとう。」

そう言って成くんは目尻溜まった涙を軽く拭い、少し体を縮こませながらもも肉を食べ始めた。

今日で終わりだと思ったのに、今日で切れなかったらいつ切れるんだろう。

私は成くんに心の中でたくさん謝りながら、その気持ちをしっかり行動で表すように鳥の丸焼きを食べてシャンパンを1本飲み干した。


…………
昼・しょっぱいご馳走 

成くんの気持ちに応えられないことをどうやったら伝わるのかが分からない。
成くんの時間を無駄にしちゃうの嫌だからもう離れてほしいな。
…………


環流 虹向/エンディングノート
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