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久しぶりに自分の家で何も考えずに寝れた気がする。
きっと、自分の寂しさよりも夢衣の寂しさが心配だったのかもしれない。
俺は乾燥機に入った服を片付け、朝の準備をしながら携帯から流れる音楽に耳を傾けているとなにかの通知音が聞こえた。
またなにか忘れていたらしい。
俺は携帯を取り、画面を見るとそこには『クラス会 会場決め〆切』と書かれていた。
そうだった。
合宿後にみんなでパーっと騒ぎ倒すんだった。
夏休みにあるクラス別で開催される2泊3日の合宿では、先生たちの知り合いであるアーティストたちが俺らに授業をしてくれるらしい。
俺は奏たちと班を組んだからこの合宿の中でもJ ORICONNに力を入れられる。
最近は遊びに集中しなくても、奏たちのおかげで楽しいことがたくさんある気がして嬉しい。
俺は学校に向かいながらパーティー会場を悩んでいると、わたあめヘアのるあくんらしき人が1人で歩いているのを見つける。
一「るあくーん。」
俺が試しにその名前を呼ぶと、くるっと振り向いてくれてとても驚いていたるあくんが俺に目掛けて駆け出す。
けど、るあくんの薄い唇は切ってしまったのか端の方が腫れている。
るあ「いっくんじゃぁああん!」
るあくんは目を輝かせながら俺に抱きつく。
るあ「いっくんの匂い落ち着くぅ…。」
そう言って、俺の胸の中で深呼吸をし始める。
顔に傷があってもいつも通りのるあくんらしい。
一「るあくん、今から家に帰るの?」
るあ「そのつもりだったけど、いっくんともっと一緒にいたい。」
るあくんは顔を上げて俺の目を見つめながら言ってくる。
これが彼女だったら可愛いと思ってしまうんだろうな。
一「じゃあ、あと少しで俺の学校着くから中庭で話そうよ。」
るあ「本当に!?俺、おじちゃんだけどいいの?」
一「関係ないよー。俺、昼まで暇だから喋ろ。」
るあ「いぇーい♡いっくんとお庭デート!」
るあくんはとても機嫌がよく、俺と手を繋いで学校の中庭にあるベンチに座った。
るあ「今日は涼しい方だね。」
そう言って、るあくんは横になり俺の膝を枕にして天気の話をする。
一「だね。曇りだからかも。」
俺はるあくんと話しながらさっき自販機で買った紙パックのカフェラテにストローを挿し、るあくんと半分こする。
るあ「俺、今死んでも後悔しないわ。」
と、全く別の話をし始めたるあくんはとても嬉しそうに笑うその様子が、いつの間にか懐いた野良猫のように見えて俺はるあくんの頭を撫でる。
一「なんで?」
るあ「いっくんに会えたから♡」
いつもるあくんはそう言ってくれるから好き。
一「嬉しい。口の傷、痛くない?」
俺はるあくんに飲みかけのカフェラテをあげながら、さっきから気になってることを聞いてみた。
るあ「女いかせすぎたらキレられた。」
なんだそれ。
唇を尖らせてすごいこと言うな。
一「そうなんだ…。足?」
るあ「うん。蹴られた。俺の顔蹴る奴、初めて会ったぁ。」
一「痛かったよね。付き合うの?」
るあ「やだぁ。ブスむりぃ。」
いじけた顔をしたるあくんは俺が頭を撫でていた手をとり、傷を撫でてと言わんばかりに顔にすり付けるので俺はそのまま撫でることにした。
一「るあくんの顔、綺麗なんだから気をつけないとね。」
るあ「そうだよー。今日も仕事だったけどこれのせいでダメになった。」
仕事…?
るあくんの事、ぼんぼんのプー太郎だと思ってた。
一「そうなんだ。そういえば、るあくんってなんの仕事してるの?」
るあ「えー?俺のことそんなに気になるー?」
俺の質問にるあくんは何故か嬉しそうに聞いてくる。
一「聞いたことなかったなって思って。」
るあ「そっか!マッサージとデート代行とちょこっとモデルしてるよ。」
一「へぇー、色々してるんだね。」
るあ「そうしないと歳取った時、生きてくの大変そうじゃーん?若いうちに頑張っておく。」
意外とちゃんと考えてるんだなと思っていると、るあくんが起き上がり少し寂しそうな顔をする。
るあ「いっくんは学校終わったらどうするの?」
一「分かんないけど海外行くかも。」
るあ「えぇー…。遊べないのつら。」
相当落ち込んだのかまた俺の膝に倒れ込み、俺の手を取り繋いだ。
一「決まってないけどね。」
るあ「才能がある若者はいいなぁ。」
そう羨ましがるるあくんは俺のほっぺを掴んで遊び始めた。
一「才能なんて人が勝手に決めた基準でしかないよ。るあくんも一緒にやる?」
るあ「ううん。俺は家とご飯と睡眠時間があればOK。」
そう言ってるあくんは笑った。
俺はその答えと笑顔がなんだか寂しさを感じて、俺はるあくんと唇を合わす。
一「俺も入れてよ。」
るあ「いいよぉ♡」
るあくんは嬉しそうに笑ってくれた。
俺もその顔を見れて自然と笑顔になる。
のんびりとしばらく話しているとるあくんは眠気のピークが来たらしく、家に帰っていった。
俺はるあくんを見送ったあと教室に行き、クラスのグループメッセージにあるアンケート機能を使ってパーティーの参加者を確認することにした。
→ smile
きっと、自分の寂しさよりも夢衣の寂しさが心配だったのかもしれない。
俺は乾燥機に入った服を片付け、朝の準備をしながら携帯から流れる音楽に耳を傾けているとなにかの通知音が聞こえた。
またなにか忘れていたらしい。
俺は携帯を取り、画面を見るとそこには『クラス会 会場決め〆切』と書かれていた。
そうだった。
合宿後にみんなでパーっと騒ぎ倒すんだった。
夏休みにあるクラス別で開催される2泊3日の合宿では、先生たちの知り合いであるアーティストたちが俺らに授業をしてくれるらしい。
俺は奏たちと班を組んだからこの合宿の中でもJ ORICONNに力を入れられる。
最近は遊びに集中しなくても、奏たちのおかげで楽しいことがたくさんある気がして嬉しい。
俺は学校に向かいながらパーティー会場を悩んでいると、わたあめヘアのるあくんらしき人が1人で歩いているのを見つける。
一「るあくーん。」
俺が試しにその名前を呼ぶと、くるっと振り向いてくれてとても驚いていたるあくんが俺に目掛けて駆け出す。
けど、るあくんの薄い唇は切ってしまったのか端の方が腫れている。
るあ「いっくんじゃぁああん!」
るあくんは目を輝かせながら俺に抱きつく。
るあ「いっくんの匂い落ち着くぅ…。」
そう言って、俺の胸の中で深呼吸をし始める。
顔に傷があってもいつも通りのるあくんらしい。
一「るあくん、今から家に帰るの?」
るあ「そのつもりだったけど、いっくんともっと一緒にいたい。」
るあくんは顔を上げて俺の目を見つめながら言ってくる。
これが彼女だったら可愛いと思ってしまうんだろうな。
一「じゃあ、あと少しで俺の学校着くから中庭で話そうよ。」
るあ「本当に!?俺、おじちゃんだけどいいの?」
一「関係ないよー。俺、昼まで暇だから喋ろ。」
るあ「いぇーい♡いっくんとお庭デート!」
るあくんはとても機嫌がよく、俺と手を繋いで学校の中庭にあるベンチに座った。
るあ「今日は涼しい方だね。」
そう言って、るあくんは横になり俺の膝を枕にして天気の話をする。
一「だね。曇りだからかも。」
俺はるあくんと話しながらさっき自販機で買った紙パックのカフェラテにストローを挿し、るあくんと半分こする。
るあ「俺、今死んでも後悔しないわ。」
と、全く別の話をし始めたるあくんはとても嬉しそうに笑うその様子が、いつの間にか懐いた野良猫のように見えて俺はるあくんの頭を撫でる。
一「なんで?」
るあ「いっくんに会えたから♡」
いつもるあくんはそう言ってくれるから好き。
一「嬉しい。口の傷、痛くない?」
俺はるあくんに飲みかけのカフェラテをあげながら、さっきから気になってることを聞いてみた。
るあ「女いかせすぎたらキレられた。」
なんだそれ。
唇を尖らせてすごいこと言うな。
一「そうなんだ…。足?」
るあ「うん。蹴られた。俺の顔蹴る奴、初めて会ったぁ。」
一「痛かったよね。付き合うの?」
るあ「やだぁ。ブスむりぃ。」
いじけた顔をしたるあくんは俺が頭を撫でていた手をとり、傷を撫でてと言わんばかりに顔にすり付けるので俺はそのまま撫でることにした。
一「るあくんの顔、綺麗なんだから気をつけないとね。」
るあ「そうだよー。今日も仕事だったけどこれのせいでダメになった。」
仕事…?
るあくんの事、ぼんぼんのプー太郎だと思ってた。
一「そうなんだ。そういえば、るあくんってなんの仕事してるの?」
るあ「えー?俺のことそんなに気になるー?」
俺の質問にるあくんは何故か嬉しそうに聞いてくる。
一「聞いたことなかったなって思って。」
るあ「そっか!マッサージとデート代行とちょこっとモデルしてるよ。」
一「へぇー、色々してるんだね。」
るあ「そうしないと歳取った時、生きてくの大変そうじゃーん?若いうちに頑張っておく。」
意外とちゃんと考えてるんだなと思っていると、るあくんが起き上がり少し寂しそうな顔をする。
るあ「いっくんは学校終わったらどうするの?」
一「分かんないけど海外行くかも。」
るあ「えぇー…。遊べないのつら。」
相当落ち込んだのかまた俺の膝に倒れ込み、俺の手を取り繋いだ。
一「決まってないけどね。」
るあ「才能がある若者はいいなぁ。」
そう羨ましがるるあくんは俺のほっぺを掴んで遊び始めた。
一「才能なんて人が勝手に決めた基準でしかないよ。るあくんも一緒にやる?」
るあ「ううん。俺は家とご飯と睡眠時間があればOK。」
そう言ってるあくんは笑った。
俺はその答えと笑顔がなんだか寂しさを感じて、俺はるあくんと唇を合わす。
一「俺も入れてよ。」
るあ「いいよぉ♡」
るあくんは嬉しそうに笑ってくれた。
俺もその顔を見れて自然と笑顔になる。
のんびりとしばらく話しているとるあくんは眠気のピークが来たらしく、家に帰っていった。
俺はるあくんを見送ったあと教室に行き、クラスのグループメッセージにあるアンケート機能を使ってパーティーの参加者を確認することにした。
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