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俺と奏は初めて髪に塗りこんだ化学薬品との勝負に勝ち、空の上で輝く太陽と月のような色を手に入れた。
奏「ミサトだっけ?あいつもこんな痛み耐えてたのかな。」
一「覚えてない。あいつはのりだからお湯で楽に取れただろ?」
奏「そっかー。やっぱあいつは嘘泣きか。」
俺たちは新しくなったヘアスタイルがまだ見慣れなくて、奏の家へ帰る途中にふと映る自分たちを見ると他人にしか見えなくて何度も目で追ってしまう。
その目で追った自分たちと目が合い、そして2人で目が合わさるとずっと変わりたかった自分になれて笑みが何度も溢れる。
奏「スクヒロ、一と久しぶりに見たね。」
一「俺はアニメ派だから本誌派の奏と見てるとネタバレされそうで嫌なんだよな。」
奏「そんなのことしないよー。多分、滑りかけて違う話する。」
一「それじゃあ気になって寝られない。」
そう話しながら奏の家につき、玄関を開けようと奏が鍵を挿すと勢いよく扉が開き、その扉に押し倒された俺は尻もちをつく。
俺は何が何だか分からなくて無事だった奏を見上げると、音己ねぇに抱きつかれていた。
奏「…音己、ねぇ?」
音己「おかえりっ…。帰ってこないと思った…。」
そう言って音己ねぇは奏の首元に顔を擦り付けて、俺にはしてくれたことがない愛おしいものを体いっぱいに感じるように力いっぱい奏を抱きしめていた。
…やっぱり、俺は誰の1番でもないよ。
ずっと好きだった音己ねぇの中ではちゃんと奏が1番で、今好きな姐さんは夏を1番頼りしてて、俺はこうやって1人地面に投げ出されても誰も心配してくれない。
自分が1番と言っていても、どの1番にもなれない俺は何かの1番になれたみんなが羨ましい。
俺は自分で立ち上がり、まだ音己ねぇが俺たちの新色に気づかないで抱き締め続けているのを、奏と俺が一緒に笑いを堪えていると、
「…えぇ!?2人とも、めっちゃきらんきらんだ!」
と、後ろから俺たちのヘアカラーに驚く声が聞こえ、振り向くと汗だくの明が将と海斗と一緒に俺たちを見て目を丸くさせていた。
一「どう?奏のセンス。」
明「いいっ!いいよ!一と奏、肌白めだからさらにキラキラしてる♡俺、今度ヘアセットしたいぃ!」
一「よろしく。」
将「イメチェンしてたから電話出れなかったのか?」
一「…え?電話来てないけど。」
海斗「音己ねぇがずっと連絡いれてるのに奏が出てくれないって騒いでたから探し回ってた…。」
…あ。
ヘアチェンが終わって、映画見始める前に機内モードにしたままにしてたんだ。
俺はポケットに入れてた携帯をネットに繋げると、みんなから何十件も電話が来ていた。
一「ごめん。映画見に行ってた。」
海斗「そういうことか。よかった…。」
将「無事ならいいんだ!俺もイメチェンすっかな。」
明「みんなイメチェンするねぇ♡俺もしちゃおうかな。」
と、話し始めた3人はずっと奏を抱きしめている音己ねぇを通り越して、家に入っていった。
奏「…音己ねぇ、家入ろうよ。」
音己「なんで2人して急にいなくなるの。」
一「ごめん。もういなくならない。」
そう言うと少し怒っている音己ねぇは俺の声を辿り、片手で俺の手を取り握りつぶした。
奏「ごめん…。俺が一をいろんなとこに連れ出したんだ。」
一「奏と遊びたくて。…いろいろ準備してた。」
俺がそう話すと音己ねぇはずっと奏の首元に埋めていた顔を目の前にいる奏が見えるように起こすと、目を見開いた。
音己「…奏、色なくなってる。」
奏「うん。俺の髪の毛、色が落ちにくくて一より時間かかった。」
その言葉でやっと音己ねぇは俺のことを見てくれる。
一「奏が俺のおでこ好きって言ったから見えるようにしてみた。どう?」
俺はかき上げボブで少し大人っぽくなった音己ねぇに問いかける。
音己「私も好き。ずっとそれにして。」
一「禿げたら出来ないよ。」
音己「2人の顔、全部見えるのがいいからずっとおでこ出しといてっ。」
そう言って音己ねぇは俺を力強く引き寄せて奏と一緒に抱きしめてくれた。
奏「明にいっぱいヘアアレンジ教えてもらわないとだね。」
一「そうだな。明日の花火前に教えてもらうか。」
俺たちは頭の上を彩ってくれている新しい色に心を高ぶらせながら、音己ねぇたちが用意していたピザを食べ奏の好きなアニメを見て夜を楽しんだ。
→ monaural fantasy
奏「ミサトだっけ?あいつもこんな痛み耐えてたのかな。」
一「覚えてない。あいつはのりだからお湯で楽に取れただろ?」
奏「そっかー。やっぱあいつは嘘泣きか。」
俺たちは新しくなったヘアスタイルがまだ見慣れなくて、奏の家へ帰る途中にふと映る自分たちを見ると他人にしか見えなくて何度も目で追ってしまう。
その目で追った自分たちと目が合い、そして2人で目が合わさるとずっと変わりたかった自分になれて笑みが何度も溢れる。
奏「スクヒロ、一と久しぶりに見たね。」
一「俺はアニメ派だから本誌派の奏と見てるとネタバレされそうで嫌なんだよな。」
奏「そんなのことしないよー。多分、滑りかけて違う話する。」
一「それじゃあ気になって寝られない。」
そう話しながら奏の家につき、玄関を開けようと奏が鍵を挿すと勢いよく扉が開き、その扉に押し倒された俺は尻もちをつく。
俺は何が何だか分からなくて無事だった奏を見上げると、音己ねぇに抱きつかれていた。
奏「…音己、ねぇ?」
音己「おかえりっ…。帰ってこないと思った…。」
そう言って音己ねぇは奏の首元に顔を擦り付けて、俺にはしてくれたことがない愛おしいものを体いっぱいに感じるように力いっぱい奏を抱きしめていた。
…やっぱり、俺は誰の1番でもないよ。
ずっと好きだった音己ねぇの中ではちゃんと奏が1番で、今好きな姐さんは夏を1番頼りしてて、俺はこうやって1人地面に投げ出されても誰も心配してくれない。
自分が1番と言っていても、どの1番にもなれない俺は何かの1番になれたみんなが羨ましい。
俺は自分で立ち上がり、まだ音己ねぇが俺たちの新色に気づかないで抱き締め続けているのを、奏と俺が一緒に笑いを堪えていると、
「…えぇ!?2人とも、めっちゃきらんきらんだ!」
と、後ろから俺たちのヘアカラーに驚く声が聞こえ、振り向くと汗だくの明が将と海斗と一緒に俺たちを見て目を丸くさせていた。
一「どう?奏のセンス。」
明「いいっ!いいよ!一と奏、肌白めだからさらにキラキラしてる♡俺、今度ヘアセットしたいぃ!」
一「よろしく。」
将「イメチェンしてたから電話出れなかったのか?」
一「…え?電話来てないけど。」
海斗「音己ねぇがずっと連絡いれてるのに奏が出てくれないって騒いでたから探し回ってた…。」
…あ。
ヘアチェンが終わって、映画見始める前に機内モードにしたままにしてたんだ。
俺はポケットに入れてた携帯をネットに繋げると、みんなから何十件も電話が来ていた。
一「ごめん。映画見に行ってた。」
海斗「そういうことか。よかった…。」
将「無事ならいいんだ!俺もイメチェンすっかな。」
明「みんなイメチェンするねぇ♡俺もしちゃおうかな。」
と、話し始めた3人はずっと奏を抱きしめている音己ねぇを通り越して、家に入っていった。
奏「…音己ねぇ、家入ろうよ。」
音己「なんで2人して急にいなくなるの。」
一「ごめん。もういなくならない。」
そう言うと少し怒っている音己ねぇは俺の声を辿り、片手で俺の手を取り握りつぶした。
奏「ごめん…。俺が一をいろんなとこに連れ出したんだ。」
一「奏と遊びたくて。…いろいろ準備してた。」
俺がそう話すと音己ねぇはずっと奏の首元に埋めていた顔を目の前にいる奏が見えるように起こすと、目を見開いた。
音己「…奏、色なくなってる。」
奏「うん。俺の髪の毛、色が落ちにくくて一より時間かかった。」
その言葉でやっと音己ねぇは俺のことを見てくれる。
一「奏が俺のおでこ好きって言ったから見えるようにしてみた。どう?」
俺はかき上げボブで少し大人っぽくなった音己ねぇに問いかける。
音己「私も好き。ずっとそれにして。」
一「禿げたら出来ないよ。」
音己「2人の顔、全部見えるのがいいからずっとおでこ出しといてっ。」
そう言って音己ねぇは俺を力強く引き寄せて奏と一緒に抱きしめてくれた。
奏「明にいっぱいヘアアレンジ教えてもらわないとだね。」
一「そうだな。明日の花火前に教えてもらうか。」
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