ここのサキには

環流 虹向

文字の大きさ
24 / 25
12/31

10:00

しおりを挟む
「私も行く。」

音己は私が断っているのにも関わらず、私の実家について来ようとしてくる。

雅紀「…で、でも、年越しに知らない人の家で過ごすの嫌じゃない?」

音己「いいの。さきと一緒にいたい。」

雅紀「…どうしたの?昨日からちょっと変だなって思ってたけど。」

音己「今年はさきと過ごしたいの。」

雅紀「そう言ってくれるのは嬉しいけど…。一とか、弟くんは?」

音己「そっちは友達同士で過ごすからいいの。」

と、ちょっと不機嫌気味な音己は私のクローゼットを漁りだし、自分でも着れそうな服を探し始める。

雅紀「…今から家帰って服取りに行ってもいいよ?」

音己「帰りたくないの。だからさきの借りる。」

…どうしたんだろう。

一か、弟くんか、それとも家族の誰かしらと喧嘩しちゃったんだろうか。

けど、思いつきで年越しに縁もゆかりもない他人の家で過ごすのもどうなのかなと思った私は一応ホテルを素泊まり出来るところを探しながら音己と一緒に実家に行くことにした。

音己「さきって東京生まれだと思ってた。」

雅紀「よく言われるけど、静岡だよ。」

音己「上京は学校とか仕事関係?」

雅紀「うん。大学入るときにこっち来てずっといるよ。」

音己「さきの大学時代の写真見てみたい。」

と、音己は高速道路で車で走らせながら目を輝かせる。

雅紀「…ないかも。」

音己「1枚も?」

雅紀「んー…、探してみる…。」

あるっちゃあるけど、今見たいに髪の毛がロングでもないし化粧もしてない。

元々の来未 雅紀の写真は入学したての時期しかない。

その後は私のことを商品扱いして売ろうとしてた元彼もとかのとのツーショットばっかりだから消しちゃったな。

そんなことを思い出しながら、その元彼と出会った飲み会で当時友達だった人と撮った写真が出てきた。

雅紀「…SAついたら見せる。」

音己「じゃあ、次のとこで休憩しよ。」

そう言ってすぐに音己はSAに入ると、入り口そばの駐車場に車を停めて私の手元にある携帯を興味津々で見つめる。

雅紀「今と全然違うよ。」

音己「髪の毛短いとか?」

雅紀「…それもある。」

音己「……見せたくない?」

と、音己は私の顔をじっと見て私が少し嫌な顔をしているのを申し訳なさそうに見つめてくる。

雅紀「まだこうなる前の私だからちょっと抵抗あるかも…。」

音己「私のと交換する?」

雅紀「交換?」

私は音己が新しい提案をしてくれるとは思わず、首を傾げる。

音己「私もちょっと恥ずかしい写真あるからさきと交換する。お互い内緒ね。」

雅紀「…分かった。」

私は音己が写真を用意して送信ボタンを押したと同時にメッセージで私の昔の写真を送ると、顔が真っ赤で潤目のちょっと若く感じる音己が送られてきた。

雅紀「これ…、何があったの?」

音己「成人式でお酒飲み過ぎて酔いつぶれちゃった時のやつ。一に悪ノリで撮られた。」

…音己って酔ったらこんな可愛い顔するんだ。

私は新しい音己を知れてちょっとムラっとしてしまった。

音己「これ、右側がさき?」

と、音己は私が送った飲み会の写真を私に見せてきた。

雅紀「そう。まだ男だった時の。」

音己「…かっこいい。」

だめだ…。

キスしたいって思っちゃった。

私は自分の欲望を音己にぶつけないように逃げるようにトイレに行って、SAの澄んだ空気をしっかり体の中に入れて気分を入れ替えた。


環流 虹向/ここのサキには
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

人生の全てを捨てた王太子妃

八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。 傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。 だけど本当は・・・ 受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。 ※※※幸せな話とは言い難いです※※※ タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。 ※本編六話+番外編六話の全十二話。 ※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

貴方の側にずっと

麻実
恋愛
夫の不倫をきっかけに、妻は自分の気持ちと向き合うことになる。 本当に好きな人に逢えた時・・・

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

処理中です...