国を滅ぼされた生き残り王女は、男装して運命を切り拓く。

青花美来

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黒炎再び

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 ――翌朝。

 まだ薄暗い頃から、拠点の食堂は騒がしかった。

 昨日の北の砦での戦いの噂が飛び交い、黒炎の正体を議論していた。

 ある者は呪いだと言い、ある者は災害だと言う。いくら議論しても答えなどわからないのに、その声は尽きない。

 そんな中、リシェルは静かに盆を手に取り空いた席へ腰を下ろす。普段と変わらぬ仕草を心がけるが、疲労は抜けきらず、胸の奥にはまだ昨日の恐怖が残っていた。

 向かいには、当たり前のようにカイが座る。

 彼もまた言葉少なに食事を進めているが、ちらりと視線を向けるたびに、リシェルは落ち着かなくなる。

 昨夜、泣いてしまった自分を思い出すからだ。

 カイに手当してもらった手は、痛々しくも包帯が何重にも巻かれている。

 豆が潰れた時とは違う、重い痛み。しかしこれでもまだ痛みが足りないと思ってしまうのは、おかしいことなのだろうか。感覚が麻痺してしまっているのだろうか。

 しばらくして、団長が全員を会議室へ招集した。

 集まった兵士たちの前で、団長は地図を広げる。


「昨日の襲撃の件だが……黒炎の痕跡は完全には消えていない。砦の奥にまだ異常が残っている可能性がある。そこで、追加の調査を行う」


 ざわめく空気を団長の声が制する。


「生存者から話を聞くことができた。あの黒炎は、二日前の夜中に急に燃え始めたらしい。火元は不明、生存者数も不明。だがほぼ行方不明だと思っていい。話を聞いた者もいるだろうが、あの炎は触れた人間を呑み込む得体の知れないものだ。生きて戻った者はおそらくいない。呑み込まれたらどうなるかも、全くわからない。ただ、おそらく死ぬだろう」


 団長の言葉に、周りがざわつく。

 当たり前だ。ほとんどの団員は、人を呑み込む炎など信じられないだろう。

 それを実際に見たことがあるのは、ここではリシェルだけなのだから。 


「昨日の任務でもわかったと思うが、今のところ黒炎に対抗する術がない。炎なら水を、という意見もあるだろうが、急に燃え上がることや大量の水を運ぶ方法を考えたらそれが最善なのかはわからない。何か案は無いか?」

「水の代わりに砂や土をかけてはどうでしょう」

「砂か。そうだな、それなら試してみる価値もあるだろう。よし、早速準備だ」

「はい!」

「他にも案があればすぐに言ってくれ」


 様々な案が出る中で、リシェルは静かに自分の剣の柄を撫でていた。


「今回は重大な事件として、王都までも報告が上がっている。おそらく騎士団も調査に来るだろう。協力して調査に臨め」

「はい」

「ではすぐに向かうように。今回は俺も同行する。いいか、死ぬことは許さない。気を引き締めろ!」

「はい!」


 いつのまにか会議は終わっており、皆が席を立ち準備を始める。リシェルも立ち上がり、ひとつ息を吐いた。

 そんなリシェルに、団長は一瞬だけ視線を落とす。


「……リシュ。準備を急げ」


 不意に名を呼ばれ、心臓が跳ねる。

 けれど、視線を逸らさずに答えた。


「……はい」


 そのやりとりを、カイは横目で見ていた。

 ただの指示だとわかっている。だが、団長が彼女に向ける一言に、カイの胸の奥にはわずかな引っかかりが残った。


 砦へ再び向かう。それはつまり、昨日の恐怖ともう一度対峙することを意味していた。

 だが、昨日のような醜態はもう晒せない。


 (隊長が、強くなれると言ってくれた。ならば、その期待に応えるだけ)


 強くならなくては。乗り越えなくては。

 腰に剣を括りつけると、背後からカイの声が落ちてくる。


「おい、また固まってんぞ」


 リシェルは小さく息を吐き、視線を逸らさずに答えた。


「……大丈夫です」

「本当に行けるのか」


 短く問いかけながらも、彼の視線はどこか探るように感じられる。

 リシェルは拳を握りしめ、わずかに間を置いてから返した。


「……はい。行けます」


 やがて一行は拠点を出発した。

 馬の蹄が土を蹴り、冷えた朝の空気が頬を撫でる。

 沈黙の中、リシェルは何度も自分の手のひらを握りしめた。

 恐怖に押し潰されないように、その手の痛みで自分を奮い立たせた。

 険しい山道を進むにつれ、風は冷たさを増していった。

 森を抜ければ、遠くに砦の影が見えてくる。黒く染まってしまった石造りは不気味に沈黙し、昨日の戦いの痕跡をそのまま抱え込んでいるかのようだった。

 リシェルは無意識に背筋を強張らせる。視界に黒い焦げ跡がちらついた瞬間、胸の奥が騒ぎ出し、呼吸が浅くなる。

 昨日の惨状、あの炎の色。目を閉じればすぐに思い出してしまう。


「おい」


 横を走るカイの低い声が、意識を引き戻した。


「また沈んでるぞ」


 リシェルは唇を噛み、前を向いた。


「……大丈夫です」

「その言葉、何回目だ」


 ぶっきらぼうに返しながらも、カイの視線は一瞬だけ彼女の手元へ落ちた。手綱を握る指が白くなるほど力んでいる。


「……あまり気負いすぎるな」

「はい。わかってます」


 その返事に、


(本当にわかってんのか……?)


 カイは頭を抱えたくなった。

 砦の門前に到着すると、すでに待機していた団員が出迎えた。

 報告によれば、昨夜も再び黒炎が現れたという。だが呑み込まれた者はいない。ただ建物が焼かれ、焦げた跡だけが残されていた。

 団長は眉をひそめ、低く言った。


「やはり続いているか……。ここから先は慎重に動け」

「了解」

「……はい」


 二人の声が重なる。だが、リシェルの声はわずかに震えていた。
 
 

 重い門が軋む音をあげながら開くと、砦の中はしんと静まり返っていた。

 焦げた石の匂いがまだ残り、風が通るたびに黒く崩れた破片が地面を転がる。

 鼻を塞ぐ者、目を背ける者。それぞれ反応も違うものの、団員たちは団長の合図で散らばり残された痕跡を調べ始めた。

 リシェルも剣の柄に手を添えながら歩を進める。足元には踏み潰された草花があり、その虚しさが胸を締めつけた。


「……焦げ臭さが抜けてないな」


 隣でカイが低く呟く。

 彼の声もまた、いつも以上に硬い。


「そうですね……」


 リシェルは息を整え、周囲へ視線を巡らせた。

 壁には黒い筋のような焦げ跡が走る場所があり、そこはまるで内側から焼き破られたよう。

 触れればまだ熱を帯びていそうで、彼女は無意識に手を引いた。


「ひとまず昨日黒炎が現れた場所に行ってみよう」

「はい」


 二人で中庭に向かうものの、そこには焦げた跡が広がっているだけ。黒炎の影は見当たらなかった。


「何もありませんね……」

「あぁ。でも油断はするなよ」

「わかってます」

「一旦戻ろう」


 団長の元へ戻ると、同じように散策していた団員たちが戻ってきており、その側には王国騎士団の姿が。

 団長は騎士団と情報を交換しながらあちこちに指示を飛ばしている。


「こちら側には何も無いようだな。……カイ、リシュ、お前たちは奥を確認してこい」

「了解」


 即座に団長に返事をするカイに続き、リシェルも短く頷いた。

 砦の奥へ進むと、空気はさらに冷え込んでいく。

 石壁は黒ずみ、ところどころに赤黒い痕がこびりついている。しかし、先ほど調べたところに比べると焦げ跡も無く綺麗に見えた。


「誰かの血痕か?」

「そのようですね。……奥の方は黒炎の影響が少なそうに見えます」

「燃えなかったか、ここまでは黒炎が広がらなかったのか……どちらにしても、人がいないんじゃ話も聞けない」

「なんとも言えませんね」

「あぁ。先に進んでみよう」

「はい」


 階段を降り、地下へと足を踏み入れるとそこには異様な静寂が満ちていた。


「やけに空気がこもっていますね」

「地下だからな。牢獄でもあるんだろう」


 カイの言葉通り、地下には牢獄が広がっていた。その手前には部屋が一つ。中を覗いてみても特に何も変わったところは無く、役人が使っているようなごく普通の部屋だった。


「何もありませんね」

「あぁ。不自然なくらいにな」


 二人で顔を見合わせながら、先に進む。
 牢獄には罪人がいるのかと思いきや、そこにも誰もいない。


「誰もいませんね」

「ここ数年は罪人を捕まえても一時的に収容するだけで、すぐに王都に連れて行かれていたらしいからな」

「そうでしたか」


 他に目星のあるものも無く、そのまま地下を出て階段を登る。


「ん……?」

「どうしました?」


 その一番上の段まで来た時、カイが立ち止まり徐に剣に手を添えた。


「リシュ」

「はい」

「……いるぞ」


 その一言で、二人の空気が変わる。

 リシェルも呼吸を整え、剣を抜いた。

 その瞬間、ひんやりとした空気の奥から、不意に低い唸りのような音が響いた。

 ――ぞわり、と背筋が凍りつく。

 昨日と同じ、不気味な気配が忍び寄ってきていた。



「地下からだ!」


 カイの叫びで、リシェルは急いで身体を翻す。階段を登りきり地下の方に目をやると、かすかな光が揺らめいた。

 次の瞬間、黒い炎がじわりと床を這い始める。


「っ……!」


 リシェルは無意識に後ずさり、視界に広がるその光景に身震いした。


「黒炎……!」


 カイが低く唸り、剣を構える。

 炎は音もなく広がり、地下全体を這ってきたのか形を持たぬまま階段口で渦を巻いた。

 ただ燃やすのではない。触れたものを黒く崩し、存在そのものを壊していく。

 次第に地下が崩れ始めたのか、轟音が鳴った。


「下がれ!」


 カイの声に数歩下がり、震える手で必死に剣を構えた。


「近くに誰かいないか!?」

「いません! でも、今の音で誰かは来てくれるはずです!」

「わかった。耐えろよ!」

「了解!」


 剣を構えた二人に、炎は嘲笑うかのようにゆっくりと迫ってくる。そして全てを覆い尽くすように大きく広がった。


「っ!?」


 全身に焼け付くような熱を感じ、反射的に剣を振るう。

 一瞬、炎は裂けて後退したかに見えたが――すぐに歪み、また元の形に戻っていく。

 しかし剣は黒く焦げつき、カイが舌打ちをした。

 黒炎はまるで意思を持つかのように揺らぎ、リシェルの方へ伸びてきた。

 その動きに、彼女の血の気が引く。


(……やっぱり私を狙ってる?)


 背筋を冷たいものが走った。昨日と同じだ。

 逃げろという声が頭をかすめたが、足は地に縫いつけられたように動かない。


「リシュ!」


 カイの怒鳴り声と同時に、黒炎が一気に膨れ上がった。

 その時――。


「下がれ!」


 団長の声が響き、団員や騎士団の兵士たちが次々と雪崩れ込んできた。


「怯むな! 影に呑まれる前に叩き返せ!」


 団長の怒声が響き渡り、兵たちの恐怖を押し返す。

 剣が振るわれ、槍が突き出された。


「砂袋用意!」

「はい!」


 団長の指示で砂袋が投げられたものの、黒炎は一瞬散ったかに見えてはすぐに絡み合うように戻ってゆく。


「チッ……効かねぇか……!」


 燃え上がるのでもなく、ただ無機質に、すべてを侵すために広がっていく。


「くそっ……! どこまでいっても斬れねぇ!」


 カイが吐き捨て、再び剣を振るう。

 その背にリシェルも並び立ち、必死に刃を突き立てた。

 だが炎は止まらない。地面を這い、木を伝い、近づいた騎士団員の足を絡め取ろうとする。


「退け!」


 団長の鋭い一声。間一髪でその者は飛び退いたが、残された地面は黒く崩れ、色を失っていた。

 リシェルは息を呑む。


(……触れただけで、消える……)


 心臓が締めつけられる。

 恐怖が喉を塞ぎかけたが、隣のカイが低く叫んだ。


「リシュ、立て! お前まで呑まれる気か!」


 彼の声が胸を叩き、リシェルは歯を食いしばる。


「……まだやれます!」


 震える声で、だがはっきりとそう答えた。

 その瞬間、黒炎が膨れ上がり、辺り一体を覆うほどに広がる。

 周りの建物の壁が揺れ、石の粉がぱらぱらと落ちた。

 まるで砦そのものを呑み尽くそうとしているかのようだった。

 鈍い音が鳴り響き、兵たちの叫びが辺りにこだまする。だが、黒炎は切っても裂いても砂でも止まらない。刃が通るたびに形を崩すものの、すぐに絡み合い、さらに大きく広がっていく。


「くそっ……無限かよ!」


 カイが苛立ちを吐き出し、再び剣を振り抜く。

 だが炎はあざ笑うように、彼の刃をすり抜けた。

 リシェルの頬を冷気が撫でる。

 次の瞬間、黒炎が波のように押し寄せ、兵士たちを呑み込もうと迫った。


「下がれ!」


 団長の怒声が響き、一斉に兵が飛び退く。


 ――その時だった。


「え……?」


 何かが、光ったような気がした。だがそれは一瞬で、誰もが何が起こったのか理解できない。

 ただ、それと同時に目の前に迫っていた黒炎が揺らいだ。

 渦を巻き、空まで膨れ上がったかと思えば、突如として音もなく崩れ落ちていく。

 残されたのは、焼き焦げた建物と、すすけた匂いだけ。


「……消えた?」


 兵の一人が呆然と呟いた。

 リシェルは剣を握り締めたまま、呼吸を忘れていた。

 あれほどの脅威が、まるで幻だったかのように消え去る――理解できるはずがない。

 ただ胸の奥に、昨日と同じ喪失の感覚だけが重く残った。

 団長はしばし沈黙した後、低く言い放った。


「……帰るぞ。これ以上は無意味だ」


 誰も、反論などできなかった。


 皆が帰還の準備をしている間も、リシェルは剣を下ろせずにいた。

 耳の奥でまだあの唸り声が聞こえるような気がして、息を吐くことができない。

 黒炎は目の前で消えたはずなのに、拳の震えが止まらない。


「リシュ」


 隣から低い声がした。

 振り返れば、カイが眉をひそめてこちらを見ていた。


「……行くぞ。置いていかれる」

「……はい」


 リシェルは息を呑み、ようやく剣を鞘に収める。

 だが心の中を蠢く不安と恐怖は、剣よりも重く引きずっていた。

 砦の入り口まで戻ると、周りの空気はさらに冷たく感じられた。

 団員たちは疲労に顔を歪めながらも集合し、団長の周りに輪を作る。

 団長はしばし黙りこみ、やがて低く口を開いた。


「……見た通りだ。黒炎は斬れない。砂も意味を成さない。水もダメだろう。何の策も通じない」

「では、あれは一体……」


 団員のひとりが唇を震わせる。


「わからん。ただ一つ言えるのは――人を呑み、痕跡も残さず消える、ということだ」


 その言葉に、場の空気が一層重くなった。


「このまま放置していいのですか? また現れたら……」

「……現れるさ」


 カイの言葉に答える団長の声は、確信に満ちていた。


「これは終わりではない。むしろ始まりだろう」


 誰も、言葉を返せなかった。

 ただリシェルだけが、握りしめた拳に力を込める。

 家族や国を奪ったあの炎が、再び姿を現すのなら――。

 必ず、自分の手で突き止めなければならない。
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