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第76話 アシュフォードside
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謝って許して貰って楽になろうとするな。
胸の中にその罪を抱えて、この先も生きていきなさい。
そうストロノーヴァ先生には言われたけれど、謝る事自体はしてもいい筈だ。
いや、しなくてはいけない。
「是非、そうなさってください」
俺に対する先生の返事は短いが、間違えてはいないのだと自信をくれる。
「それとは別に、アグネス嬢に呪いを教えたという友人について、殿下はどう思われますか?」
「アンナリーエ嬢、いや今は1児の母で、夫人と呼んでいるのですが、12歳の子供だったからと言っても、正直どうして呪いなんかを……余計な事を教えてくれたな、と残念に思いますね。
アグネスにとって、今でもとても良い関係だから尚更」
「良い関係ですか……平民の娘さんなんですよね?」
「ご両親も人品卑しからぬお二方で、気持ちの良いご家族だと思っています。
彼女は容姿に恵まれていて、性格も明るくて物怖じしないし、頭もいい。
アグネスには良い影響を与えてくれているとばかり」
先生はイェニィ伯爵夫人と顔を見合わせて頷いている。
そう言えば、夫人は王都学園で仕事をされている。
学園は平民が通う学校だ、やはりアンナリーエを知っているのか?
だからさっき、アグネスから友人だと聞いて、一瞬不自然に黙った様に見えたのか?
それも気にはなったが、先に知って貰った方がいいであろう話を、先生に伝える事にした。
「先生はかつて、アグネスの事を抑制されている様に感じると仰っていましたね。
あの原因として考えられるのは、母親とアグネスの関係です」
「……」
「クラリス嬢から聞いた話ですが、上のふたりの育成に関わる事を先代から許されなかった母親が、唯一自分の手で育てられたのがアグネスだったのです」
「なる程、侯爵夫人からの過度の保護と、干渉。
母を悲しませたくない故に、アグネス嬢は自分の気持ちを話せなくなる、ですか……」
「その様な母娘関係に陥る親子は多いです。
互いに依存し合っている部分もありますね」
静かに夫人も話し出した。
「それを教えていただいたので、どうしてアグネス様がアンナリーエと親しくされる様になったのかが理解出来ました。
侯爵夫人から離れたこの国で知り合ったアンナリーエはアグネス様にとって、自由に生きている憧れの存在になったのでしょうね。
また、アンナリーエからもアグネス様の抱えてる問題がうっすらと見えていたのかもしれませんね。
彼女は聡い子なので」
「ナルストワ・アンナリーエをご存知なんですね?
学園での教え子でしたか?」
「私は教師ではないので、厳密には教え子ではないのですが、リーエからは先生と呼ばれていました。
彼女が中途退学すると言うので、相談室で話を聞いておりました」
イェニィ伯爵夫人は愛称でリーエと呼ぶくらい、彼女には好意を持っていたんだ。
「リーエが教えたという『恋敵を排除する呪い』、あれは呪いの儀式ではないのです」
魔女による恋敵を排除する呪い。
12歳のアンナリーエが9歳のアグネスに教えた呪い。
アグネスの口からさっき聞かされたばかりなのに、それが呪いではない?
「必ず満月の夜に行い、綺麗なグラスに水を満たして、月を映して、それを飲み干す、でしたね?」
先生がアグネスが語った呪いの儀式の手順を俺に確認する。
確認するまでもない簡単な方法だ。
人を呪うのに、こんなに簡単でいいのか、と思うくらいに簡単な……
「後、手鏡にその相手の顔が映れば、の条件が付きましたね」
そうだ、普通なら相手の顔など映らないのに、アグネスはそこにクラリスとそっくりな自分の顔が見えて、グラスを落としたのだ。
それで儀式は途中で終わってしまった。
「私の知ってる範囲では、満月の夜に行う呪いの儀式等、トルラキアには存在しません」
「満月の夜には、ですか?」
「人知れず、呪いは行われるもの。
誰かを呪ったりするのは、夜を煌々と照らす満月の下ではない。
月が見えない新月の夜、これから月が満ちていく始まりの闇夜に紛れて行うのです」
「……」
確か、トルラキアの案内書物に載っていた、この国では月にも意味がある、と。
先生の話の続けたのは、イェニィ伯爵夫人だった。
「手鏡を持ち出したのは、それらしくリーエが勝手に付け足したのですが、アグネス様が行おうとしたのは、トルラキアの女性なら誰もが知っている……
満月にお願いして、水面に映ったそれを飲み込む。
好きなひとを振り向かせる恋のおまじない、なのです」
◇◇◇
「アグネス様の事は、ストロノーヴァ様からはあまり説明は受けていませんでした。
余計な先入観を持たずに、彼女を見て欲しいと言われたからです。
同じ様な年頃の生徒を数多く見ているせいか、アグネス様もその様な目で見てしまうのですけれど、あの方は危うい部分を持っていらっしゃいます。
殿下もお気付きでしょうが、頑なで思い込みが激しいので、より自分を追い込んでしまうのです、体調がおかしくなる程に」
「アグネス嬢も15歳になり、言い方は悪いですが、それを巧妙に隠せる様になってきていますが、それでもイェニィ伯爵夫人にはそれがわかりました。
9歳の頃ならもっとそれは明らかだったでしょう。
それも、アンナリーエ嬢の前では抑制せずに素顔を見せ始めていたのですから」
交互に話すと打合せをしていた様に、今度は先生が話し出す。
「殿下がお戻りなるまでの間に、イェニィ夫人から聞いたのですが。
アンナリーエ嬢の実家はホテルを経営していて、居心地の良さから長逗留する国内外の客も多い。
そこで様々な人間とふれあい、多様な価値観を持つ大人に囲まれて育った、柔軟な考え方の持ち主だと聞きました。
殿下には申し訳ありませんが、それこそ侯爵夫人に大事に育てられたアグネス嬢とは正反対ですね。
だからこそ、ふたりは身分をこえて仲良くなれた。
アグネス嬢からは姉と殿下との関係や母親に関しても話は聞いていて、心配になった。
この子は思い詰めると何をするかわからない、そう思った」
「……」
「誰かを殺したくなるくらいに憎んだら、と彼女が教えてくれたとアグネス嬢は言っていましたね。
リーエ嬢は、それで気が収まる様に、と考えたが、呪いの儀式等本当はさせたくない。
それで恋が叶うおまじないを、呪いと称して教えたのでしょう」
「……恋が叶う、なんて、アグネスが思い描いたのはクラリスだったのに」
「恐らく……姉か他の女性を憎んだとしても、手鏡には憎い恋敵の顔は、決して映りません。
そうなると、アグネス嬢の頭や心には貴方の姿が浮かぶと、アンナリーエ嬢は考えた。
姉とアグネスが似ている事等、彼女は知らないのですから」
「……」
「ここでも、悪意からではなく、好意から行われたものによって、貴方達の間は捻れています。
それを解していくのは大変な事です。
事情を説明したからと言って、アグネス嬢がそれを素直に受け取れるか、わかりません。
彼女は難しいと思いますよ、殿下はそれでも彼女を求めるのですか?」
「……」
「……私には信じられませんが、運命や真実の愛だの、よく人は口にします。
それと同様に、反対に決して結ばれない運命の相手がいるのかもしれません。
もし、それが……」
途中で言葉を切られたが、ストロノーヴァ先生が仰りたい事はよくわかっている。
こんなにうまくいかないのは、アグネスが。
結ばれない運命の相手だから。
俺ではアグネスを幸せには出来ないのかもしれない。
もう本当の笑顔を返してあげることも無理なのかもしれない。
近付けたと思っても、それは続かず離れて行く。
大切にしたいのに、いつも泣かせてしまう。
「もう少しだけ、足掻かせてください。
もう無理だと、お前では駄目なんだと、彼女から告げられたら、直ぐに身を引きます。
引き際は……悪足掻きせず……」
先生は立ち上がり、俺の隣に腰を下ろした。
右手を差し出されたので、その手を握る。
「運命は予め決められたものではなく、自ら切り開くものです。
殿下の運命の、真実の愛を私に見せてください」
胸の中にその罪を抱えて、この先も生きていきなさい。
そうストロノーヴァ先生には言われたけれど、謝る事自体はしてもいい筈だ。
いや、しなくてはいけない。
「是非、そうなさってください」
俺に対する先生の返事は短いが、間違えてはいないのだと自信をくれる。
「それとは別に、アグネス嬢に呪いを教えたという友人について、殿下はどう思われますか?」
「アンナリーエ嬢、いや今は1児の母で、夫人と呼んでいるのですが、12歳の子供だったからと言っても、正直どうして呪いなんかを……余計な事を教えてくれたな、と残念に思いますね。
アグネスにとって、今でもとても良い関係だから尚更」
「良い関係ですか……平民の娘さんなんですよね?」
「ご両親も人品卑しからぬお二方で、気持ちの良いご家族だと思っています。
彼女は容姿に恵まれていて、性格も明るくて物怖じしないし、頭もいい。
アグネスには良い影響を与えてくれているとばかり」
先生はイェニィ伯爵夫人と顔を見合わせて頷いている。
そう言えば、夫人は王都学園で仕事をされている。
学園は平民が通う学校だ、やはりアンナリーエを知っているのか?
だからさっき、アグネスから友人だと聞いて、一瞬不自然に黙った様に見えたのか?
それも気にはなったが、先に知って貰った方がいいであろう話を、先生に伝える事にした。
「先生はかつて、アグネスの事を抑制されている様に感じると仰っていましたね。
あの原因として考えられるのは、母親とアグネスの関係です」
「……」
「クラリス嬢から聞いた話ですが、上のふたりの育成に関わる事を先代から許されなかった母親が、唯一自分の手で育てられたのがアグネスだったのです」
「なる程、侯爵夫人からの過度の保護と、干渉。
母を悲しませたくない故に、アグネス嬢は自分の気持ちを話せなくなる、ですか……」
「その様な母娘関係に陥る親子は多いです。
互いに依存し合っている部分もありますね」
静かに夫人も話し出した。
「それを教えていただいたので、どうしてアグネス様がアンナリーエと親しくされる様になったのかが理解出来ました。
侯爵夫人から離れたこの国で知り合ったアンナリーエはアグネス様にとって、自由に生きている憧れの存在になったのでしょうね。
また、アンナリーエからもアグネス様の抱えてる問題がうっすらと見えていたのかもしれませんね。
彼女は聡い子なので」
「ナルストワ・アンナリーエをご存知なんですね?
学園での教え子でしたか?」
「私は教師ではないので、厳密には教え子ではないのですが、リーエからは先生と呼ばれていました。
彼女が中途退学すると言うので、相談室で話を聞いておりました」
イェニィ伯爵夫人は愛称でリーエと呼ぶくらい、彼女には好意を持っていたんだ。
「リーエが教えたという『恋敵を排除する呪い』、あれは呪いの儀式ではないのです」
魔女による恋敵を排除する呪い。
12歳のアンナリーエが9歳のアグネスに教えた呪い。
アグネスの口からさっき聞かされたばかりなのに、それが呪いではない?
「必ず満月の夜に行い、綺麗なグラスに水を満たして、月を映して、それを飲み干す、でしたね?」
先生がアグネスが語った呪いの儀式の手順を俺に確認する。
確認するまでもない簡単な方法だ。
人を呪うのに、こんなに簡単でいいのか、と思うくらいに簡単な……
「後、手鏡にその相手の顔が映れば、の条件が付きましたね」
そうだ、普通なら相手の顔など映らないのに、アグネスはそこにクラリスとそっくりな自分の顔が見えて、グラスを落としたのだ。
それで儀式は途中で終わってしまった。
「私の知ってる範囲では、満月の夜に行う呪いの儀式等、トルラキアには存在しません」
「満月の夜には、ですか?」
「人知れず、呪いは行われるもの。
誰かを呪ったりするのは、夜を煌々と照らす満月の下ではない。
月が見えない新月の夜、これから月が満ちていく始まりの闇夜に紛れて行うのです」
「……」
確か、トルラキアの案内書物に載っていた、この国では月にも意味がある、と。
先生の話の続けたのは、イェニィ伯爵夫人だった。
「手鏡を持ち出したのは、それらしくリーエが勝手に付け足したのですが、アグネス様が行おうとしたのは、トルラキアの女性なら誰もが知っている……
満月にお願いして、水面に映ったそれを飲み込む。
好きなひとを振り向かせる恋のおまじない、なのです」
◇◇◇
「アグネス様の事は、ストロノーヴァ様からはあまり説明は受けていませんでした。
余計な先入観を持たずに、彼女を見て欲しいと言われたからです。
同じ様な年頃の生徒を数多く見ているせいか、アグネス様もその様な目で見てしまうのですけれど、あの方は危うい部分を持っていらっしゃいます。
殿下もお気付きでしょうが、頑なで思い込みが激しいので、より自分を追い込んでしまうのです、体調がおかしくなる程に」
「アグネス嬢も15歳になり、言い方は悪いですが、それを巧妙に隠せる様になってきていますが、それでもイェニィ伯爵夫人にはそれがわかりました。
9歳の頃ならもっとそれは明らかだったでしょう。
それも、アンナリーエ嬢の前では抑制せずに素顔を見せ始めていたのですから」
交互に話すと打合せをしていた様に、今度は先生が話し出す。
「殿下がお戻りなるまでの間に、イェニィ夫人から聞いたのですが。
アンナリーエ嬢の実家はホテルを経営していて、居心地の良さから長逗留する国内外の客も多い。
そこで様々な人間とふれあい、多様な価値観を持つ大人に囲まれて育った、柔軟な考え方の持ち主だと聞きました。
殿下には申し訳ありませんが、それこそ侯爵夫人に大事に育てられたアグネス嬢とは正反対ですね。
だからこそ、ふたりは身分をこえて仲良くなれた。
アグネス嬢からは姉と殿下との関係や母親に関しても話は聞いていて、心配になった。
この子は思い詰めると何をするかわからない、そう思った」
「……」
「誰かを殺したくなるくらいに憎んだら、と彼女が教えてくれたとアグネス嬢は言っていましたね。
リーエ嬢は、それで気が収まる様に、と考えたが、呪いの儀式等本当はさせたくない。
それで恋が叶うおまじないを、呪いと称して教えたのでしょう」
「……恋が叶う、なんて、アグネスが思い描いたのはクラリスだったのに」
「恐らく……姉か他の女性を憎んだとしても、手鏡には憎い恋敵の顔は、決して映りません。
そうなると、アグネス嬢の頭や心には貴方の姿が浮かぶと、アンナリーエ嬢は考えた。
姉とアグネスが似ている事等、彼女は知らないのですから」
「……」
「ここでも、悪意からではなく、好意から行われたものによって、貴方達の間は捻れています。
それを解していくのは大変な事です。
事情を説明したからと言って、アグネス嬢がそれを素直に受け取れるか、わかりません。
彼女は難しいと思いますよ、殿下はそれでも彼女を求めるのですか?」
「……」
「……私には信じられませんが、運命や真実の愛だの、よく人は口にします。
それと同様に、反対に決して結ばれない運命の相手がいるのかもしれません。
もし、それが……」
途中で言葉を切られたが、ストロノーヴァ先生が仰りたい事はよくわかっている。
こんなにうまくいかないのは、アグネスが。
結ばれない運命の相手だから。
俺ではアグネスを幸せには出来ないのかもしれない。
もう本当の笑顔を返してあげることも無理なのかもしれない。
近付けたと思っても、それは続かず離れて行く。
大切にしたいのに、いつも泣かせてしまう。
「もう少しだけ、足掻かせてください。
もう無理だと、お前では駄目なんだと、彼女から告げられたら、直ぐに身を引きます。
引き際は……悪足掻きせず……」
先生は立ち上がり、俺の隣に腰を下ろした。
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