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第97話 アシュフォードside
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邸内に戻った俺達を迎えたのは、アーサーと俺が連れてきた護衛騎士。
護衛騎士はうつ向いていたので、アグネスは彼の方を見ていない。
「……殿下にお茶を差し上げて」
冷静な声でアーサーに、俺を応接室に通す様に指示を出す。
アグネスはいつものアグネスに戻っていた。
「ゲイルは帰ってきたの?」
俺達が通り過ぎるのを、頭を下げて待っているアーサーの前で立ち止まり、小さな声でアグネスが尋ねていた。
一番に彼女が気にしていたのは、ゲイルが戻ってきて、死人還りに協力してくれるか、なのだ。
アーサーが頭を下げたまま答えている。
「まだ、でございます」
「わかったわ」
それだけの短い返事に、アグネスの落胆が滲んでいた。
俺の前では隠そうと努力はしているように見えたが、表情は暗い。
妻の病院の付き添いだと言われれば、約束したのにと無理を言えないのがアグネスだ。
協力者が確保出来なくなって、どうするかの算段がつけられないのだろう。
おまけに邪魔な俺が邸内に居るなら、それに付き合わなくてはならないので、クラリスの部屋に入れない。
最初は、死人還りを行う事でクラリスの死を乗り越えて、アグネスが気持ちを前に向けられるのなら、協力したいと思っていた。
先生には彼女のように、自らを暗示にかけてしまう人は危険だと注意されていた。
それでも、抱き締めて話をして、アグネス本人に届くように繰り返し呼びかけて……
そうすれば伝わると。
アグネスにそれは伝わると思っていて……いや、思いたかった。
だが……さっきの温室の彼女を見ていて、俺は。
本当に情けないけれど、クラリスになりきったアグネスをちゃんと受け止められるのか、不安になってしまった。
温室でのアグネスは彼女自身だった。
彼女は……あの日の俺の言動を上書きさせた。
決して許されると思っていなかったし、許して欲しいと望んでもいけないと覚悟していたが、あれには心を抉られた。
アグネスを酷いと思ったからじゃない。
自分の狡さを目の前に突き付けられたからだ。
自分が被害者だと、ずっと思い続けていた、その狡さを。
クラリスさえ、あんな事を言い出さなければ。
カードを人質に取られていなければ。
イライザが勝手に送ったりしなければ。
俺が考えなしで、俺が原因で、なんて如何にも自分に非があるように語っていたけれど、本当は違う。
こんな理由があったからと言い訳したくて、それを周囲に触れ回っていただけだ。
イェニィ夫人には冷たい目をして見られたが、男は皆、同情する様に頷いてくれた。
だから、反省の言葉を免罪符の様に。
薄っぺらな謝罪を振りかざしていたんだ。
それをアグネスは見通していた。
いくらクラリスに頼まれても、きっぱり断わる事は出来た。
俺はカードを破棄する為ならと思い込んでいたが、クラリスは交換条件にはしていなかった。
ドレスの事も、面倒だからとイライザに任せず、自分で手配していたらよかったんだ。
俺は被害者なんかじゃない。
アグネスにとっては、クラリスよりもイライザよりも。
アライアよりも罪深い立派な加害者だった。
「昼食会も無事に終わって、アグネスは疲れているみたいだね。
俺もこの一杯だけいただいたら、帰るよ」
俺がそう言うと、ほっとした様にアグネスは微かな息を吐いた。
ゲイルが居ないのだから、もう死人還りは行わないだろうと信じて。
……そう信じたくて。
彼女を気遣う振りをして。
◇◇◇
あれからアグネスとアーサーに見送られて、侯爵邸を出た。
俺の前には同行していた護衛騎士。
それに扮したノイエが座っていた。
ノイエは一昨日リヨンから到着した。
ストロノーヴァ先生は死人還りに立ち会おうとしてくださっていたのだが、トルラキアを出国出来そうもなくて、代理にノイエを寄越したのだ。
去年の秋、ノイエには公爵閣下の病状を知らせた。
手紙を受け取った彼は逡巡した後、一時帰国して閣下を見舞った。
二度と会わないと言っていた曾祖父と曾孫は2日間、当代の私室で語り合って、ノイエは再び出国した。
その10日後にストロノーヴァ公爵は亡くなった。
後を継いだ先生の父はイオンと呼ばれなくなる前に春先に流行った病に倒れられ……
祖父の跡目はいきなり一代飛ばして、先生に回ってきてしまったのだった。
当代、次代と続け様に亡くした先生と公爵家の混乱ぶりは凄まじく、もちろんそれはトルラキアの王城内、派閥、社交界にも影響は大きくて、未だに落ち着いてはいなかった。
俺の護衛を装って先生は儀式を見守ろうとしていたので、ノイエにもそれを頼んでいた。
ノイエは先生の代わりに全て見て、報告する。
自分は決して巻き込まれず、何かあれば助けを直ぐに呼びに行けるようにする事を、命じられていた。
「彼女、諦めるでしょうか?」
「……そうしてくれたら助かる」
「また、綺麗になってました。
雰囲気は変わったけれど」
「……」
「……その、殺すぞの、目、やめてください」
俺はそんな目をしてるのか、自分では覚えがなかった。
アグネスは君に気付いていなかった、くらいの嫌味を言おうと思ったのを止める。
八つ当たりだ、情けない俺の、最低な俺の。
馬車のなかを沈黙が支配した。
ノイエが口で言う程、俺を恐れていないのも知っている。
だからこそ、気楽に付き合える。
彼は今、イシュトヴァーンの名前を捨ててノイエ・オルティエと名乗り、リヨンで新進の舞台俳優として活躍の場を広げつつあった。
「温室で何かありましたか?」
「アグネスに……自分の狡さを思い知らされたよ」
ノイエはアグネスから、俺とクラリスの一連の話を聞いているので、隠さずに話した。
聞き終えたノイエの赤い瞳には、俺に対する軽蔑も同情も浮かんでいなかった。
「アグネスが別人格を持つようになったのは俺のせいだ。
そうしないと、本音を俺にぶつけられなかったからだ」
「……トルラキアの学院でそれ程交流はなかったんですが、割りと私には遠慮はなかったですね。
最初の頃は話しかけても、お花を摘みに行くからって、ずっと逃げられていたんですよ。
乙女の言い訳とは思えなくて、毎回笑えましたけど。
でも、遠慮をしない、本音を言える、そんな関係が最高だとも私は思っていないんです」
「……」
「好きな相手にはいいところを見せたいじゃないですか?
私はそうなんです、好きなひとに絶対に本心は言わなかったし、気取っていました。
アグネス嬢も、殿下も、お互いにいいところしか見せなくて少し無理をして、時々小出しに本音を出したらいいと、言うのは無責任でしょうか。
……これは俺の人生持論なので聞き流してくれてもいいですが」
「人生持論……」
「ひとの個性が千差万別ある様に、恋愛だってそれぞれの形があっていい、そう思っています。
本当の気持ちはそうだったのか、傷つけてしまって申し訳ないと落ち込むよりは、そうなのか悪かったと、口に出して謝って、うるさいと言われるくらい謝って。
普段は格好つけてても、謝る時はプライドは捨てないと。
次から気を付けるね、これからも溜まってきたら言いなよ、だけど3回言わせるのは1回に勘弁してくれ、くらいの受け止め方は……
やっぱり、駄目なんですか、軽過ぎますか?」
俺はうるさいと言われるくらい謝っていなかった。
プライドを捨てて謝っていなかった。
「アグネスに……もう一度。
侯爵家に戻ってもいいかな」
当然、とノイエが頷いて、天井を叩き、御者に合図をして停めさせた。
小雨の降り続くなか、濡れるのも構わず、彼は御者に侯爵家に戻るように伝えた。
その時、1騎の馬が近づいてきた。
ノイエが腰の剣に手を掛けて、馬上の騎士を睨んだ。
スローン侯爵家の私設騎士隊の騎士だった。
アーサーが早馬を出して、俺の馬車を追いかけさせたのだ。
「畏れながらお戻り願えますか?
お嬢様がお部屋に籠られたと申し伝えるように、言付かりました」
護衛騎士はうつ向いていたので、アグネスは彼の方を見ていない。
「……殿下にお茶を差し上げて」
冷静な声でアーサーに、俺を応接室に通す様に指示を出す。
アグネスはいつものアグネスに戻っていた。
「ゲイルは帰ってきたの?」
俺達が通り過ぎるのを、頭を下げて待っているアーサーの前で立ち止まり、小さな声でアグネスが尋ねていた。
一番に彼女が気にしていたのは、ゲイルが戻ってきて、死人還りに協力してくれるか、なのだ。
アーサーが頭を下げたまま答えている。
「まだ、でございます」
「わかったわ」
それだけの短い返事に、アグネスの落胆が滲んでいた。
俺の前では隠そうと努力はしているように見えたが、表情は暗い。
妻の病院の付き添いだと言われれば、約束したのにと無理を言えないのがアグネスだ。
協力者が確保出来なくなって、どうするかの算段がつけられないのだろう。
おまけに邪魔な俺が邸内に居るなら、それに付き合わなくてはならないので、クラリスの部屋に入れない。
最初は、死人還りを行う事でクラリスの死を乗り越えて、アグネスが気持ちを前に向けられるのなら、協力したいと思っていた。
先生には彼女のように、自らを暗示にかけてしまう人は危険だと注意されていた。
それでも、抱き締めて話をして、アグネス本人に届くように繰り返し呼びかけて……
そうすれば伝わると。
アグネスにそれは伝わると思っていて……いや、思いたかった。
だが……さっきの温室の彼女を見ていて、俺は。
本当に情けないけれど、クラリスになりきったアグネスをちゃんと受け止められるのか、不安になってしまった。
温室でのアグネスは彼女自身だった。
彼女は……あの日の俺の言動を上書きさせた。
決して許されると思っていなかったし、許して欲しいと望んでもいけないと覚悟していたが、あれには心を抉られた。
アグネスを酷いと思ったからじゃない。
自分の狡さを目の前に突き付けられたからだ。
自分が被害者だと、ずっと思い続けていた、その狡さを。
クラリスさえ、あんな事を言い出さなければ。
カードを人質に取られていなければ。
イライザが勝手に送ったりしなければ。
俺が考えなしで、俺が原因で、なんて如何にも自分に非があるように語っていたけれど、本当は違う。
こんな理由があったからと言い訳したくて、それを周囲に触れ回っていただけだ。
イェニィ夫人には冷たい目をして見られたが、男は皆、同情する様に頷いてくれた。
だから、反省の言葉を免罪符の様に。
薄っぺらな謝罪を振りかざしていたんだ。
それをアグネスは見通していた。
いくらクラリスに頼まれても、きっぱり断わる事は出来た。
俺はカードを破棄する為ならと思い込んでいたが、クラリスは交換条件にはしていなかった。
ドレスの事も、面倒だからとイライザに任せず、自分で手配していたらよかったんだ。
俺は被害者なんかじゃない。
アグネスにとっては、クラリスよりもイライザよりも。
アライアよりも罪深い立派な加害者だった。
「昼食会も無事に終わって、アグネスは疲れているみたいだね。
俺もこの一杯だけいただいたら、帰るよ」
俺がそう言うと、ほっとした様にアグネスは微かな息を吐いた。
ゲイルが居ないのだから、もう死人還りは行わないだろうと信じて。
……そう信じたくて。
彼女を気遣う振りをして。
◇◇◇
あれからアグネスとアーサーに見送られて、侯爵邸を出た。
俺の前には同行していた護衛騎士。
それに扮したノイエが座っていた。
ノイエは一昨日リヨンから到着した。
ストロノーヴァ先生は死人還りに立ち会おうとしてくださっていたのだが、トルラキアを出国出来そうもなくて、代理にノイエを寄越したのだ。
去年の秋、ノイエには公爵閣下の病状を知らせた。
手紙を受け取った彼は逡巡した後、一時帰国して閣下を見舞った。
二度と会わないと言っていた曾祖父と曾孫は2日間、当代の私室で語り合って、ノイエは再び出国した。
その10日後にストロノーヴァ公爵は亡くなった。
後を継いだ先生の父はイオンと呼ばれなくなる前に春先に流行った病に倒れられ……
祖父の跡目はいきなり一代飛ばして、先生に回ってきてしまったのだった。
当代、次代と続け様に亡くした先生と公爵家の混乱ぶりは凄まじく、もちろんそれはトルラキアの王城内、派閥、社交界にも影響は大きくて、未だに落ち着いてはいなかった。
俺の護衛を装って先生は儀式を見守ろうとしていたので、ノイエにもそれを頼んでいた。
ノイエは先生の代わりに全て見て、報告する。
自分は決して巻き込まれず、何かあれば助けを直ぐに呼びに行けるようにする事を、命じられていた。
「彼女、諦めるでしょうか?」
「……そうしてくれたら助かる」
「また、綺麗になってました。
雰囲気は変わったけれど」
「……」
「……その、殺すぞの、目、やめてください」
俺はそんな目をしてるのか、自分では覚えがなかった。
アグネスは君に気付いていなかった、くらいの嫌味を言おうと思ったのを止める。
八つ当たりだ、情けない俺の、最低な俺の。
馬車のなかを沈黙が支配した。
ノイエが口で言う程、俺を恐れていないのも知っている。
だからこそ、気楽に付き合える。
彼は今、イシュトヴァーンの名前を捨ててノイエ・オルティエと名乗り、リヨンで新進の舞台俳優として活躍の場を広げつつあった。
「温室で何かありましたか?」
「アグネスに……自分の狡さを思い知らされたよ」
ノイエはアグネスから、俺とクラリスの一連の話を聞いているので、隠さずに話した。
聞き終えたノイエの赤い瞳には、俺に対する軽蔑も同情も浮かんでいなかった。
「アグネスが別人格を持つようになったのは俺のせいだ。
そうしないと、本音を俺にぶつけられなかったからだ」
「……トルラキアの学院でそれ程交流はなかったんですが、割りと私には遠慮はなかったですね。
最初の頃は話しかけても、お花を摘みに行くからって、ずっと逃げられていたんですよ。
乙女の言い訳とは思えなくて、毎回笑えましたけど。
でも、遠慮をしない、本音を言える、そんな関係が最高だとも私は思っていないんです」
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「好きな相手にはいいところを見せたいじゃないですか?
私はそうなんです、好きなひとに絶対に本心は言わなかったし、気取っていました。
アグネス嬢も、殿下も、お互いにいいところしか見せなくて少し無理をして、時々小出しに本音を出したらいいと、言うのは無責任でしょうか。
……これは俺の人生持論なので聞き流してくれてもいいですが」
「人生持論……」
「ひとの個性が千差万別ある様に、恋愛だってそれぞれの形があっていい、そう思っています。
本当の気持ちはそうだったのか、傷つけてしまって申し訳ないと落ち込むよりは、そうなのか悪かったと、口に出して謝って、うるさいと言われるくらい謝って。
普段は格好つけてても、謝る時はプライドは捨てないと。
次から気を付けるね、これからも溜まってきたら言いなよ、だけど3回言わせるのは1回に勘弁してくれ、くらいの受け止め方は……
やっぱり、駄目なんですか、軽過ぎますか?」
俺はうるさいと言われるくらい謝っていなかった。
プライドを捨てて謝っていなかった。
「アグネスに……もう一度。
侯爵家に戻ってもいいかな」
当然、とノイエが頷いて、天井を叩き、御者に合図をして停めさせた。
小雨の降り続くなか、濡れるのも構わず、彼は御者に侯爵家に戻るように伝えた。
その時、1騎の馬が近づいてきた。
ノイエが腰の剣に手を掛けて、馬上の騎士を睨んだ。
スローン侯爵家の私設騎士隊の騎士だった。
アーサーが早馬を出して、俺の馬車を追いかけさせたのだ。
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・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
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