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圭一郎の回想 運命の日
しおりを挟むそして、運命のハロウィンの日。サイコーでした。
俺は、あの日を一生忘れない。あんなに嬉しかった日は過去にない。
本当、今の幸せはあの日から始まっている。
あの日は、いつものメンバーで俺のうちに集まり騒いでいた。
帰りに直樹が「もう少し休ませて」と言ってきた。
もちろん速攻でOK出したかったけど、二人きりで部屋にいたら襲ってしまうんじゃないかと思い、少し躊躇した。
だけど結局は一緒に居たい気持ちが大幅に勝ってOKを出したんだ。
俺は暴走しないように気持ちを一生懸命抑えつつも、少しは下心もあって「眠かったらベッド使って」と言ったら、直樹は何の躊躇いもなく寝転がった。
俺って、全く意識もされてないんだな。なんて落ち込みそうになったが、直樹にとっては友達なんだから当たり前だと自分に言い聞かせた。
自分のベッドに大好きな直樹が寝転がっていると思うだけでソワソワしてしまう。
だって、いつもそのベッドの上で、俺はお前の乱れる姿を想像しながら何回も息子を扱いてるんだぞ!それが今、まさかの『ご本人登場』状態なんだよ。
やべ。勃ちそう。
俺の落ち着きの無さを、そのご本人様に指摘され、何とか気を落ち着かせ、今は好きな人はいないのか聞いてみた。
いないってさ。
安心したような・・・少し悲しかったような・・・。
だって好きな人がいないってことは、俺の事もなんとも思っていないって事だろ。
俺がほんの少し落ち込んでると、直樹の口からとんでも発言が飛び出した。
「聡に好きだって言われた。」「聡にキスされた。」
・・・なんだと?キスされたのか??
勝手に何してくれたんだよ!直樹の男とのファーストキスは絶対に俺がしたかったのに!
俺は怒りを隠し話を聞いていた。
あいつが保健室で、物凄く心配そうにベッドの横に付き添っていた姿を思い出した。
あいつ、本当に直樹のことが好きなんだな。今だからわかるよ。あの直樹の寝顔を見つめる目。只々心配そうに愛しい人を見つめている目だった。
直樹に対する仕打ちは決して許せるものではないが、あいつはあいつで焦ったんだろうな。
今まで当たり前のように隣にいられたのに、クラスが分かれて急に離れてったんだもんな。しかも彼女までできて・・・。ノンケだという現実を突きつけられて。
あいつの姿は、もしかしたら三年になった時の自分の姿かもしれない。
そんなの嫌だ!離れたくない。自分の気持ちを知っておいてほしい。
もしも俺が気持ちを打ち明けても、直樹なら誠実に向き合ってくれるだろうし、いままで通りに接してくれるはずだ。気持ちを知ってもらえば少しは意識してくれるかもしれない。
そんな打算的なことを考えていると視線を感じ直樹を見る。
目をウルウルさせて俺をジッと見ている。否、見つめている。
愛らしい口は薄く開き、頬はほのかにピンクに染まっている。
あっ。
ヤバイ。抑えられない・・・。
気付いたときには「好きだ」と言ってキスをしていた。
もしかしたら明日から友達でもいられなくなるかもしれない。すごく怒らせて気持ち悪がられているかもしれない。
そんな不安も頭を過るが、抵抗されないのを言い訳に、深く深く求めた。止める事ができなかった。
「けぇいちろぉ・・・もっとして・・・。」
う、うそ・・・。こんな幸せってある?
信じられなくて固まってしまった。
自分の発言に顔を真っ赤にしながら「今の無しにして」と弱々しい声で訴えてくる姿が死ぬほど可愛くて愛しくて、思い切り抱きしめた。
なんて可愛い人なんだ。
長い長い時間キスをした。幸せだ。
直樹も俺の事を好きでいてくれたんだろうか。それとも俺に流されただけ?
直樹の気持ちをしっかり確認したいと思った。
俺が直樹の事を好きだと気が付いた時の不安と葛藤。自分の気持ちを受け入れ認めた時の覚悟を伝えた。
「深く考えずに圭一郎を好きになってもいいの?」
そんなのいいに決まってる!俺がお前を守っていくから。だから俺の事をもっと好きになって欲しい。もっと俺でいっぱいになって欲しい。
俺、本当に直樹の事が好きで好きでたまらないんだ。こんな気持ちは初めてなんだよ。
だから・・・・お前を抱きたい。
早く直樹の全てが欲しい。誰かに攫われる前に。
いや~・・・最高でした!
可愛くて綺麗でエロかった。思い出しただけでギンギンに勃つ。
しかも、直樹ってさ・・・ここだけの話、すごく甘えん坊さんなんだよ。「ギュッてして」って言われた時は鼻血が出るかと思った。
マジで最高!もっと甘えてほしい。
絶対に大切にするし、もっと深く好きになってもらえるように努力するよ!
こうして俺たちは恋人同士になった。
よろしく、俺の可愛い甘えん坊な愛しい人。
絶対に幸せになろう!
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