蝉時雨〜雪空の下。夏、さんざんと

鱗。

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オーロラを見に

「苦しい、辛い、離れたくない。碧の吐息だけ吸って生きたい」

「ふふ、また、馬鹿なこと言ってる」

「本気なのに」

「だからこそ、言ったの。禁煙になるならいいんじゃない?」

「えー?なら、応援の為に、口寂しくなったらすぐキスしてよ」

「はいはい、気が向いたらね。ほら、これから貴方、仕事で遠方に出掛けるんだから早く支度して」

「はぁーい……てか、ねぇ、貴方、年々俺の操縦上手くなってない?」

「ふふ、気が付かない方がいい事もあるんですよ、庄司さん」


喜びも、憂いも、噛み締めて。
一歩一歩、共に歩もう。


「貴方が教師免許取れたのはいいけど、すれ違いが増えそうで嫌だなぁ」

「部活の顧問もやるかもだから、余計だよね」

「どーにかなりません?」

「僕にも分かりません。でも、二人の時間は積極的に作っていこうね」

「それはそうなんだけどさぁ。貴方の話だと、例のあの子も貴方と同じ大学受けて、いま二年生らしいじゃん。もしかして、同じ高校の教員試験受けたりしない?」

「そこまでは、しないと………」

「歯切れが悪い。やっぱりアイツ、貴方の尻追いかけるの諦めてないじゃん」

「噂だから、ね。今度こっそり後輩に聞いてみるよ」

「はぁ……じゃあ、穴埋めは旅行で。年末くらいは二人でゆっくりしよう」

「うん。どこにしようか?」

「えー?ならやっぱりさぁ」


この世の果ての冬を。
吹き荒ぶ寒々しさを。
五感で感じよう。
そして、思い知るんだ。


「オーロラ、見に行かない?」


俺の心に吹き荒ぶ冬を終わらせたきみとなら。

怖いものなど、何もないと。

感想 4

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みんなの感想(4件)

きょうすけ
2025.08.02 きょうすけ

短編ながら、奥深い作品でした。主人公二人の、透明感のある関係性が好きです

解除
みねぎし
2025.08.02 みねぎし

歳の差カップルのお話が大好きなので、楽しんで読めました。攻め視点で進行する話は珍しいので、新鮮な気持ちで読めました

解除
かみたま
2025.08.02 かみたま

夏にぴったりな作品を、ありがとうございます!最後まで展開が分からず、ドキドキして読み進めました!

解除

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