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二度見
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屋敷に帰るなり、フラメウに傷の確認をされた。偉くフラメウはうれしそうにしている。
「よかった、新しい傷が増えていませんね」
体中傷だらけなのに、一つ一つ傷を覚えてでもいるのだろうか。自分で見てもどれが新しい傷かなんてわからない。
「新しい先生はどうでしたか?」
「まだわからない」
王妃様の前だけかもしれないし、何日かすれば気が変わるかもしれない。今の状態で期待したくない、期待して傷つきたくない。
「そうですか、良い方だといいですね」
フラメウは少しだけ悲しげに笑いながら、頭を撫でてきた。
「今日から家庭教師が来ないと聞きました。久しぶりにゆっくり休まれてください」
急に言われても、ぱっと眠れる気がしない、体は疲れてるし、眠気もあるけど、どうにも眠ることができない。そんなことを思っていたら、ふんわりといい香りが漂い始める。
「リラックスできる効果がある紅茶ですよ、眠気を誘う効果もあります」
差し出された紅茶のおかげかこの日は、悪夢にうなされることもなかった。
「こちらには毒がありますよ、こちらは良い香りでよくハーブティーに使われるのです」
王宮につけば、普段していたみたいな感じの座学ではなく、ディーダに庭園に連れ出された。沢山の植物があって、植物の特徴や効能を伝えられる。時折人とすれ違うと、どの位の人かを教えられた。教えられたそばから頭から抜けて言って覚えておく自信が全く持ってないのだけれど、大丈夫だろうか。急に抜き打ちテストが始まったりしないだろうか。
「そんなに強張った顔をされずとも大丈夫ですよ。……! お嬢様、頭を下げてください」
庭園から戻るために廊下を歩いていたら、きらびやかな姿の人が歩いてくる。頭を下げるように言われたので慌てて頭を下げると、目の前で足が止まった。
「甥の婚約者か。顔が見たい、面をあげろ」
おっと、私のことを甥の婚約者といわれましたか? ということは、このキラキラ王弟になるのか。って、考え事をしている場合じゃない、面を上げるように言われたし。
「侯爵のところの令嬢だったな。余計なことをして私の逆燐に触れないようにな」
それだけ言い残すと、すたすたと歩いていく。すっごい脅された気がするのは気のせいだろうか、いやぁ気のせいじゃないだろうなぁ。悪評轟いているらしいし、釘を刺された感じかな、といっても電波以外にやらかす気はないですよ、いまのところ。というか、いろんな人に初対面で嫌われ過ぎじゃなかろうかこの令嬢。
「先ほどのお方は、王様の弟であらせらる、ヴィ―グ・ヴェルランド様です。留学されたこともあり、外交の手腕で皆に一目置かれているのです」
年が違い過ぎるから、攻略対象ではないけど、なんかのエピソードでぼやぁっと出ていた気がするんだよなぁ、なんだっけ。ともあれ、さっきの人は覚えておかないとまずそうだから、頭から零れ落ちないようにしておこう。
「さ、戻ってきましたね。では、魔法の練習をしていきましょう」
そういうと、ディーダは、杖の木の棒状の部分が見えないくらいに、ゴテゴテと装飾で飾り付けられた杖を取り出した。いや、びっくりしすぎて思わず二度見したわ。なに、杖にもデコ杖の概念があるの!?
「よかった、これでしたら、怖くないようですね。お嬢様が良く見られる杖のフォルムでなければ、お嬢様が恐怖も覚えることもないのではないかと思って、飾り立ててみたのです。あ、でもオススメはしませんよ、これだけ魔石を付けると、逆に扱いづらくなりますから。あぁ、魔石というのは、魔力のこもった石のことですね。ものによって効果は様々で、特定の効果を発揮させるものもあれば、自身の魔力の代わりに扱って魔法を使うこともできます」
いわれなくても、そのデコデコ杖、私には持ち歩く勇気無いです、まさか、ファンタジー世界でデコを見るとは、というか純粋に重たくないんだろうか。それ以上にその杖の価値やばくないですか?
「ほら、杖を見てばかりではなく、魔法の練習をしますよ。昨日は暴走してしまってお嬢様の魔法をしっかりと見ることができませんでしたから、まずはそちらの確認をしましょうか。藁人形に魔法を放ってください」
どうあがいても杖に視線が。いや、うん、魔法ちゅうに集中しないと、また暴走しちゃうし、しっかり集中。これで失敗したら、次どんな杖になるんだろうか。
やばい、めっちゃ見たい!! じゃない、集中、集中……。藁人形だけを燃やすイメージで、他のものを壊さないようにしっかりと意識して魔力を込めて、放出。ぶわぁっと、杖の先端から火の玉が藁人形に向かって真っすぐと飛び、藁人形だけをきれいに燃やすとそのまま火は消えていった。
「魔法のコントロールは問題なさそうですね、上手にできておいでです。攻撃魔法は問題ないでしょう、では障壁魔法を次は使いましょうか。藁人形に障壁魔法をかけてください。初級魔法を1回耐えきれる程度の強度で構いませんよ」
そういうと新しい藁人形が出てくる。って、ちょっとまって。障壁魔法初めてなんですけど。これ、やったことないっていってもいいのかな、いやでも、いうと豹変したりしない? 大丈夫? とりあえず本で知識はあるし、やるだけやって、あぁでも、もしも失敗したらどうしよう。
「お嬢様、藁人形のまわりに、透明なドームを作るイメージでございますよ。さぁ、やってみてください」
うぅ、促されてしまった。でも、どんなイメージをすればよいかは言ってくれてるし、とりあえずやってみ……なんか、超絶分厚い壁のドームが出来上がったんだけど。あ、先生の火の魔法はしっかり防いでいる、なくなるどころか、ヒビさえ入っていないなあのドーム。
「魔力のこめすぎですね。もちろん強靭なガードは大切ですが、相手の魔法に合わせた障壁を作らないと、魔力が先に枯渇してしまう恐れがあります。それだけお気を付けください。ですが強度は素晴らしいものでしたよ。これだけ強い障壁を作ってまだ顔色が悪くなっている様子もございません。お嬢様の魔力量も素晴らしいようです。とはいえ、やりすぎは体によくありません。ここまでに致しましょう。あぁ、そういえば、王子殿下がお嬢様に会いたがっておられましたよ、早く終わりましたし、少し様子を見ていきましょうか」
ここにきて急に、王子とあうことになるんかいっ! 新しい教育係の前でもどうやら、電波ぶりを披露することになりそうです。
「よかった、新しい傷が増えていませんね」
体中傷だらけなのに、一つ一つ傷を覚えてでもいるのだろうか。自分で見てもどれが新しい傷かなんてわからない。
「新しい先生はどうでしたか?」
「まだわからない」
王妃様の前だけかもしれないし、何日かすれば気が変わるかもしれない。今の状態で期待したくない、期待して傷つきたくない。
「そうですか、良い方だといいですね」
フラメウは少しだけ悲しげに笑いながら、頭を撫でてきた。
「今日から家庭教師が来ないと聞きました。久しぶりにゆっくり休まれてください」
急に言われても、ぱっと眠れる気がしない、体は疲れてるし、眠気もあるけど、どうにも眠ることができない。そんなことを思っていたら、ふんわりといい香りが漂い始める。
「リラックスできる効果がある紅茶ですよ、眠気を誘う効果もあります」
差し出された紅茶のおかげかこの日は、悪夢にうなされることもなかった。
「こちらには毒がありますよ、こちらは良い香りでよくハーブティーに使われるのです」
王宮につけば、普段していたみたいな感じの座学ではなく、ディーダに庭園に連れ出された。沢山の植物があって、植物の特徴や効能を伝えられる。時折人とすれ違うと、どの位の人かを教えられた。教えられたそばから頭から抜けて言って覚えておく自信が全く持ってないのだけれど、大丈夫だろうか。急に抜き打ちテストが始まったりしないだろうか。
「そんなに強張った顔をされずとも大丈夫ですよ。……! お嬢様、頭を下げてください」
庭園から戻るために廊下を歩いていたら、きらびやかな姿の人が歩いてくる。頭を下げるように言われたので慌てて頭を下げると、目の前で足が止まった。
「甥の婚約者か。顔が見たい、面をあげろ」
おっと、私のことを甥の婚約者といわれましたか? ということは、このキラキラ王弟になるのか。って、考え事をしている場合じゃない、面を上げるように言われたし。
「侯爵のところの令嬢だったな。余計なことをして私の逆燐に触れないようにな」
それだけ言い残すと、すたすたと歩いていく。すっごい脅された気がするのは気のせいだろうか、いやぁ気のせいじゃないだろうなぁ。悪評轟いているらしいし、釘を刺された感じかな、といっても電波以外にやらかす気はないですよ、いまのところ。というか、いろんな人に初対面で嫌われ過ぎじゃなかろうかこの令嬢。
「先ほどのお方は、王様の弟であらせらる、ヴィ―グ・ヴェルランド様です。留学されたこともあり、外交の手腕で皆に一目置かれているのです」
年が違い過ぎるから、攻略対象ではないけど、なんかのエピソードでぼやぁっと出ていた気がするんだよなぁ、なんだっけ。ともあれ、さっきの人は覚えておかないとまずそうだから、頭から零れ落ちないようにしておこう。
「さ、戻ってきましたね。では、魔法の練習をしていきましょう」
そういうと、ディーダは、杖の木の棒状の部分が見えないくらいに、ゴテゴテと装飾で飾り付けられた杖を取り出した。いや、びっくりしすぎて思わず二度見したわ。なに、杖にもデコ杖の概念があるの!?
「よかった、これでしたら、怖くないようですね。お嬢様が良く見られる杖のフォルムでなければ、お嬢様が恐怖も覚えることもないのではないかと思って、飾り立ててみたのです。あ、でもオススメはしませんよ、これだけ魔石を付けると、逆に扱いづらくなりますから。あぁ、魔石というのは、魔力のこもった石のことですね。ものによって効果は様々で、特定の効果を発揮させるものもあれば、自身の魔力の代わりに扱って魔法を使うこともできます」
いわれなくても、そのデコデコ杖、私には持ち歩く勇気無いです、まさか、ファンタジー世界でデコを見るとは、というか純粋に重たくないんだろうか。それ以上にその杖の価値やばくないですか?
「ほら、杖を見てばかりではなく、魔法の練習をしますよ。昨日は暴走してしまってお嬢様の魔法をしっかりと見ることができませんでしたから、まずはそちらの確認をしましょうか。藁人形に魔法を放ってください」
どうあがいても杖に視線が。いや、うん、魔法ちゅうに集中しないと、また暴走しちゃうし、しっかり集中。これで失敗したら、次どんな杖になるんだろうか。
やばい、めっちゃ見たい!! じゃない、集中、集中……。藁人形だけを燃やすイメージで、他のものを壊さないようにしっかりと意識して魔力を込めて、放出。ぶわぁっと、杖の先端から火の玉が藁人形に向かって真っすぐと飛び、藁人形だけをきれいに燃やすとそのまま火は消えていった。
「魔法のコントロールは問題なさそうですね、上手にできておいでです。攻撃魔法は問題ないでしょう、では障壁魔法を次は使いましょうか。藁人形に障壁魔法をかけてください。初級魔法を1回耐えきれる程度の強度で構いませんよ」
そういうと新しい藁人形が出てくる。って、ちょっとまって。障壁魔法初めてなんですけど。これ、やったことないっていってもいいのかな、いやでも、いうと豹変したりしない? 大丈夫? とりあえず本で知識はあるし、やるだけやって、あぁでも、もしも失敗したらどうしよう。
「お嬢様、藁人形のまわりに、透明なドームを作るイメージでございますよ。さぁ、やってみてください」
うぅ、促されてしまった。でも、どんなイメージをすればよいかは言ってくれてるし、とりあえずやってみ……なんか、超絶分厚い壁のドームが出来上がったんだけど。あ、先生の火の魔法はしっかり防いでいる、なくなるどころか、ヒビさえ入っていないなあのドーム。
「魔力のこめすぎですね。もちろん強靭なガードは大切ですが、相手の魔法に合わせた障壁を作らないと、魔力が先に枯渇してしまう恐れがあります。それだけお気を付けください。ですが強度は素晴らしいものでしたよ。これだけ強い障壁を作ってまだ顔色が悪くなっている様子もございません。お嬢様の魔力量も素晴らしいようです。とはいえ、やりすぎは体によくありません。ここまでに致しましょう。あぁ、そういえば、王子殿下がお嬢様に会いたがっておられましたよ、早く終わりましたし、少し様子を見ていきましょうか」
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