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デート 後編
ゲートを抜けると手が差し出されたので、自分の手を重ねる。本当は恥ずかしいんだけど、周囲にいるカップルも同じように手を繋いでいたり、腕を組んだり肩を抱いている人もいた。
目の前にはピラミッドみたいなのがあって、キラキラ光っていた。近くに寄るとそれはシャンパングラスでできたもので、ポンプで汲み上げているのか上から水が流れてきていて、それが光に当たってキラキラと輝いていたようだった。
グラスタワーは大きいのがひとつと小さいのがふたつあり、光は次々に色を変えていて、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「綺麗ですね」
「そうだな」
グラスタワーの写真を撮ったり、その前で写真を撮りあいっこしてから先へと行く。犬を連れて来ている人もいて、その前で写真を撮ったりしていた。
両脇にはオレンジの電飾が撒かれた木々があり、その光が小さな噴水が出る水や池のようになっている場所に反射されていて、とても綺麗だった。一部は水が凪いでいることから、水鏡みたいになっていて、木々に巻かれている電飾を映し出していた。その水際にも三段しかないグラスタワーがポツポツと置かれていて、交互に赤と緑に光っている。
視線の先には何かの像があり、そこから水が出ているみたいで、その手前には舞台のようなものがあった。そこに書かれていた看板によると、アマチュアの音楽家が演奏したりできるようになっていたらしく、時間を見るとちょうど終わったばかりだった。それを横目に像のところに行くと。
「わあ、天使と……なんだろう?」
「鳩、だそうだ」
「へえ……」
鳥も一緒にいたから何かと思ったら、乙幡さんが鳩だと教えてくれた。そこの写真も撮り、順路の看板に沿って奥のほうへと行く。その途中でいい匂いがしてきて、お腹が鳴ってしまった。
「くくっ」
「笑うなんてひどいですよ~……」
「ごめんごめん。レストランに行ってみて、いっぱいだったら屋台で食べようか」
「はい」
屋台がある場所を通り過ぎ、奥にあったレストランへと足を運ぶ。だけど入口には行列ができていて、寒いからか隣にある自販機も込んでいた。
「あー、これは駄目かも。一時間待ちだって」
「さすがに待てないですよ……」
「だよな。俺も待てないし。じゃあ、屋台にしようか。今日は花火が上がるから、軽く何かを食べてイルミネーションを見たあと、レストランかテーブルが開いてたらそこに座ろう」
「はい」
並んでいる屋台を見てとりあえず肉まんに決め、二人で並ぶ。お手拭もくれたので先に手を拭き、二人で肉まんに齧りつく。それを食べたら歩き始め、近くにあったイルミネーションを見た。
竹で作ったリンゴやアニメのキャラクターに電飾が巻かれ、奥には汽車の形をした乗り物もある。そこも人が並んでいた。
「お、迷路があるな」
「ほんとだ」
「花火までまだ時間があるし、やってみるか?」
「はい!」
待ち時間はないとのことだったので、二人で一緒に行くと入口で紙を渡された。なんだろうと思って二人で覗くと、なにやらクイズになっている。順路の通りに行くとそこに問題が書かれていて、それを探しつつ迷路を抜けるようになっているみたいだった。
「面白そうだな」
わくわくした様子の乙幡さんに、私もわくわくしてくる。子どももいてあーでもない、こーでもないと親と一緒に考えているから、子どもにもわかる問題なんだろう。
手を繋いでこっちかな、あっちかな、と話しながら、迷路を歩いて問題を解く。中には「なんだ、これ!」っていうのもあって、頭を悩ませた。スマホでの検索は禁止されていたからちょっと困ったんだけど、最終的に乙幡さんが解いてくれて、すごい! と拍手を贈ったら珍しく照れていた。
出口に答えが書いてあってそれで答え合わせしたんだけど、結局二個ほどわからなかったり間違っていた問題があった。だけど、楽しい迷路だった。
そこを抜けたら目の前に汽車に乗れる列があった。スタッフが「三十分待ちです!」と声を張り上げていて、「どうする?」って乙幡さんに聞かれたけど、あったかい飲み物もないことから並ぶのをやめた。
そのまま順路に沿って奥へと歩く。
丘になっている斜面には風車と電飾のドームがあって、ドームの中にも風車やパンジーなどのお花が植えられていた。少し風があるのか、風車がゆっくりと回っている。
そこでも写真を撮ったり、そこから見える夜景を取ったり、大きな木に巻かれている電飾が見えてそれを撮ったりしながら歩き、ぐるっと一周してくると、レストランの近くに出た。
「お、さっきよりも人がいないな」
「ほんとだ」
「待ち時間は十分だって。並ぼうか」
「ですね。さすがにお腹が空いたし、あったかいものを飲みたいです」
「だよな」
列の最後尾に並んで待つ。乙幡さんは名前を書いてくると言ってファミレスの順番待ちの紙に名前を書きに行った。すぐに戻ってきて、またお喋りをしているうちに順番となり、ようやく中に入ることができた。しかも窓際の席で、あと二十分ほどで花火が上がる時間だったのはラッキーだった。
メニューを見て、料理を頼む。グラタンとパン、サラダとドリンクのセットがあったのでそれにした。ドリンクはミルクティーをお願いした。乙幡さんはハンバーグのセットで、ご飯かパンとサラダ、ドリンクのセット。ご飯とドリンクはコーヒーを頼んでいた。
ドリンクは最後に持って来てくれるように頼み、料理が来るのを待つ。
「寒かったな」
「ほんとです。中に入れてラッキーでしたよね」
「ほんとだよな」
周囲はカップルや家族連れで賑わっていて、外はまた長蛇の列になっている。それを同時に見たのか、乙幡さんもラッキーだったと笑っていた。
レストラン内は満席だからなのかなかなか料理が来なかったけど、やっと来た! と思ったらちょうど花火が上がり始めた。
「綺麗!」
「冬の花火もいいもんだな」
「そうですね」
「ここは夏の花火もいいぞ? なんと、駐屯地で花火を上げるんだ」
「そうなんですか?!」
まさか駐屯地内で花火を上げてるとは知らなかった。来年は見れるかな、と少しだけわくわくしつつ、ご飯を食べながら花火を見る。時間にして十分だけだったけど、とても綺麗な花火だった。写真もなんとか撮れたしね。
花火が終わったからなのか、ゲートに向かう人がいた。そのころに飲み物が来て、少しだけゆっくり飲んで身体を温める。飲み終わって温まったところでラストオーダーと言われたけどそれを断り、荷物を持ってレジに並ぶ。
出すって言ったんだけど全く譲ってくれず、結局乙幡さんにおごってもらっちゃった。クリスマスプレゼントだって用意してないのに、なんだか申し訳なくなってしまった。
「さすがに寒いな」
「ですよね。でも、ずっと寒さに震えるよりはいいです」
「確かに」
手を繋いで、来た道を戻る形でゲートに向かって歩く。本当に綺麗なイルミネーションだった。
それに楽しい時間はあっという間に過ぎて、乙幡さんと離れることに寂しさを感じる。
「楽しかったです!」
「そう? それならよかった。本当ならおしゃれなレストランに連れて行ければよかったんだが……」
「そんなことないですよ? 私はこういうのが合ってるみたいで、すっごく楽しかったです」
たまにはおしゃれなレストランもいいけど、やっぱり私は居酒屋とか公園内にあった家庭的な雰囲気のお店のほうが好きだし安心できる。乙幡さんもそうみたいで、今度は乙幡さんちの近くにある、家庭的なレストランに連れて行ってくれると約束してくれた。
話しているとあっという間に駅に着いてしまった。もっと一緒にいたいけど、お互いに明日も朝が早い。
「冬期休暇はいつから?」
「食堂が二十八日までなので、二十九日からですね」
「そこは一緒か。なら、お正月前にそのレストランに行こうか。確か三十日までだから」
「はい! 楽しみにしてますね!」
笑顔で答えると、乙幡さんの手が伸びてきて、頭を撫でてくれる。このごつごつした大きな手の感触も好きだった。そのまま抱きしめられて、耳元で「好きだ」って言われた。だから「私も好きです」って返したら、さらにギュッと抱きしめてくれた。
「紫音ちゃん、その日、抱かせてくれるか?」
「……はい」
耳元で囁かれた言葉に鼓動が跳ねる。本当は不安だったけど、乙幡さんなら……と頷いた。
「本当はキスしたいんだけど、一応周りに人がいるから、今日は我慢するよ」
そう言ってまた抱きしめたあと、腕を離した乙幡さん。
また明日と言って手を振ると、乙幡さんは南口の方向に、私は階段を下りて自宅へと向かった。
目の前にはピラミッドみたいなのがあって、キラキラ光っていた。近くに寄るとそれはシャンパングラスでできたもので、ポンプで汲み上げているのか上から水が流れてきていて、それが光に当たってキラキラと輝いていたようだった。
グラスタワーは大きいのがひとつと小さいのがふたつあり、光は次々に色を変えていて、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「綺麗ですね」
「そうだな」
グラスタワーの写真を撮ったり、その前で写真を撮りあいっこしてから先へと行く。犬を連れて来ている人もいて、その前で写真を撮ったりしていた。
両脇にはオレンジの電飾が撒かれた木々があり、その光が小さな噴水が出る水や池のようになっている場所に反射されていて、とても綺麗だった。一部は水が凪いでいることから、水鏡みたいになっていて、木々に巻かれている電飾を映し出していた。その水際にも三段しかないグラスタワーがポツポツと置かれていて、交互に赤と緑に光っている。
視線の先には何かの像があり、そこから水が出ているみたいで、その手前には舞台のようなものがあった。そこに書かれていた看板によると、アマチュアの音楽家が演奏したりできるようになっていたらしく、時間を見るとちょうど終わったばかりだった。それを横目に像のところに行くと。
「わあ、天使と……なんだろう?」
「鳩、だそうだ」
「へえ……」
鳥も一緒にいたから何かと思ったら、乙幡さんが鳩だと教えてくれた。そこの写真も撮り、順路の看板に沿って奥のほうへと行く。その途中でいい匂いがしてきて、お腹が鳴ってしまった。
「くくっ」
「笑うなんてひどいですよ~……」
「ごめんごめん。レストランに行ってみて、いっぱいだったら屋台で食べようか」
「はい」
屋台がある場所を通り過ぎ、奥にあったレストランへと足を運ぶ。だけど入口には行列ができていて、寒いからか隣にある自販機も込んでいた。
「あー、これは駄目かも。一時間待ちだって」
「さすがに待てないですよ……」
「だよな。俺も待てないし。じゃあ、屋台にしようか。今日は花火が上がるから、軽く何かを食べてイルミネーションを見たあと、レストランかテーブルが開いてたらそこに座ろう」
「はい」
並んでいる屋台を見てとりあえず肉まんに決め、二人で並ぶ。お手拭もくれたので先に手を拭き、二人で肉まんに齧りつく。それを食べたら歩き始め、近くにあったイルミネーションを見た。
竹で作ったリンゴやアニメのキャラクターに電飾が巻かれ、奥には汽車の形をした乗り物もある。そこも人が並んでいた。
「お、迷路があるな」
「ほんとだ」
「花火までまだ時間があるし、やってみるか?」
「はい!」
待ち時間はないとのことだったので、二人で一緒に行くと入口で紙を渡された。なんだろうと思って二人で覗くと、なにやらクイズになっている。順路の通りに行くとそこに問題が書かれていて、それを探しつつ迷路を抜けるようになっているみたいだった。
「面白そうだな」
わくわくした様子の乙幡さんに、私もわくわくしてくる。子どももいてあーでもない、こーでもないと親と一緒に考えているから、子どもにもわかる問題なんだろう。
手を繋いでこっちかな、あっちかな、と話しながら、迷路を歩いて問題を解く。中には「なんだ、これ!」っていうのもあって、頭を悩ませた。スマホでの検索は禁止されていたからちょっと困ったんだけど、最終的に乙幡さんが解いてくれて、すごい! と拍手を贈ったら珍しく照れていた。
出口に答えが書いてあってそれで答え合わせしたんだけど、結局二個ほどわからなかったり間違っていた問題があった。だけど、楽しい迷路だった。
そこを抜けたら目の前に汽車に乗れる列があった。スタッフが「三十分待ちです!」と声を張り上げていて、「どうする?」って乙幡さんに聞かれたけど、あったかい飲み物もないことから並ぶのをやめた。
そのまま順路に沿って奥へと歩く。
丘になっている斜面には風車と電飾のドームがあって、ドームの中にも風車やパンジーなどのお花が植えられていた。少し風があるのか、風車がゆっくりと回っている。
そこでも写真を撮ったり、そこから見える夜景を取ったり、大きな木に巻かれている電飾が見えてそれを撮ったりしながら歩き、ぐるっと一周してくると、レストランの近くに出た。
「お、さっきよりも人がいないな」
「ほんとだ」
「待ち時間は十分だって。並ぼうか」
「ですね。さすがにお腹が空いたし、あったかいものを飲みたいです」
「だよな」
列の最後尾に並んで待つ。乙幡さんは名前を書いてくると言ってファミレスの順番待ちの紙に名前を書きに行った。すぐに戻ってきて、またお喋りをしているうちに順番となり、ようやく中に入ることができた。しかも窓際の席で、あと二十分ほどで花火が上がる時間だったのはラッキーだった。
メニューを見て、料理を頼む。グラタンとパン、サラダとドリンクのセットがあったのでそれにした。ドリンクはミルクティーをお願いした。乙幡さんはハンバーグのセットで、ご飯かパンとサラダ、ドリンクのセット。ご飯とドリンクはコーヒーを頼んでいた。
ドリンクは最後に持って来てくれるように頼み、料理が来るのを待つ。
「寒かったな」
「ほんとです。中に入れてラッキーでしたよね」
「ほんとだよな」
周囲はカップルや家族連れで賑わっていて、外はまた長蛇の列になっている。それを同時に見たのか、乙幡さんもラッキーだったと笑っていた。
レストラン内は満席だからなのかなかなか料理が来なかったけど、やっと来た! と思ったらちょうど花火が上がり始めた。
「綺麗!」
「冬の花火もいいもんだな」
「そうですね」
「ここは夏の花火もいいぞ? なんと、駐屯地で花火を上げるんだ」
「そうなんですか?!」
まさか駐屯地内で花火を上げてるとは知らなかった。来年は見れるかな、と少しだけわくわくしつつ、ご飯を食べながら花火を見る。時間にして十分だけだったけど、とても綺麗な花火だった。写真もなんとか撮れたしね。
花火が終わったからなのか、ゲートに向かう人がいた。そのころに飲み物が来て、少しだけゆっくり飲んで身体を温める。飲み終わって温まったところでラストオーダーと言われたけどそれを断り、荷物を持ってレジに並ぶ。
出すって言ったんだけど全く譲ってくれず、結局乙幡さんにおごってもらっちゃった。クリスマスプレゼントだって用意してないのに、なんだか申し訳なくなってしまった。
「さすがに寒いな」
「ですよね。でも、ずっと寒さに震えるよりはいいです」
「確かに」
手を繋いで、来た道を戻る形でゲートに向かって歩く。本当に綺麗なイルミネーションだった。
それに楽しい時間はあっという間に過ぎて、乙幡さんと離れることに寂しさを感じる。
「楽しかったです!」
「そう? それならよかった。本当ならおしゃれなレストランに連れて行ければよかったんだが……」
「そんなことないですよ? 私はこういうのが合ってるみたいで、すっごく楽しかったです」
たまにはおしゃれなレストランもいいけど、やっぱり私は居酒屋とか公園内にあった家庭的な雰囲気のお店のほうが好きだし安心できる。乙幡さんもそうみたいで、今度は乙幡さんちの近くにある、家庭的なレストランに連れて行ってくれると約束してくれた。
話しているとあっという間に駅に着いてしまった。もっと一緒にいたいけど、お互いに明日も朝が早い。
「冬期休暇はいつから?」
「食堂が二十八日までなので、二十九日からですね」
「そこは一緒か。なら、お正月前にそのレストランに行こうか。確か三十日までだから」
「はい! 楽しみにしてますね!」
笑顔で答えると、乙幡さんの手が伸びてきて、頭を撫でてくれる。このごつごつした大きな手の感触も好きだった。そのまま抱きしめられて、耳元で「好きだ」って言われた。だから「私も好きです」って返したら、さらにギュッと抱きしめてくれた。
「紫音ちゃん、その日、抱かせてくれるか?」
「……はい」
耳元で囁かれた言葉に鼓動が跳ねる。本当は不安だったけど、乙幡さんなら……と頷いた。
「本当はキスしたいんだけど、一応周りに人がいるから、今日は我慢するよ」
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