最強の賞金稼ぎ

変狸

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6 移動は迅速に

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 翌日早朝。まだ外も薄暗い中、ノブオとミリーはウェイバーが用意してくれた一輪バイクにまたがっていた。

「ミリーさま、問題ありませんか」

「動かし方は教わりました。基本は乗馬と同じ要領と」

「そうそう、そんなに難しいもんじゃないない。ただ急停止と急発進しないように気を付ければいいだけだからね」

 そういうのはすでにフルフェイスのヘルメットをかぶり顔を隠したノブオ。

「あ、それとちゃんとヘルメットに無線つけたか確認しとけよ。じゃないと移動中にお話しできないからな」

「はい、わかってます」

 ミリーはそういってヘルメットをかぶる。

「ならばよし。じゃあ、ウエイバー俺たちは先に行ってるから細かい後始末をよろしく」

「わかりました」

 そしてノブオが先頭になって走り出した。
 気持ちいい風が2人を包み込みまるで空を飛んでいるような気分にさせるが、ミリーはすぐにまた気になることが出てきた。

「1日ぐらいはしると言ってましたが距離なら、どれくらい走るんですか」

「ああ、そうさな。大体、655ギーガってとこだな」

 ラートはメートル法と同じく1000を超えると1ギーガに変わる。
 つまり655ギーガはキロメートルに直すと500キロメートルといったところだ。

「まあ、ぶっ続けで走ればもっと早くつけるかもだが途中に休憩したり予想外のアクシデントが起こることも考えれば、大体1日ってとこかなと思ったわけさ」

「予想外の事態、ですか」

「そう、なんせもうすでに俺たちは何回もそういう目に合ってるからな」

 そういってノブオは「よし、じゃあ飛ばすぞ」と言ってバイクの速度を上げる。

「ちょ、ゆっくりいくんじゃないんですか」

 ミリーがそういうが、ノブオは気にせずアクセルをふかして速度を上げていく。
 仕方ないと思い、ミリーも後に続く。
 しばらく走ると人通りが多くなってくる。

「こっちに行くぞ」

 すると、ノブオはわき道にそれて人通りの少ない道を選ぶ。

「追手の姿は今のところありません」

「だからこそ。今は無駄に人目につく必要はないからな」

 人通りの少ない道を選んでいくうちに道はどんどん荒れていく。

「大丈夫なんですか」

「大丈夫大丈夫。そのために乗り物をこれにしたんだから」

 さらにしばらく進んだところで大きな湖に出る。

「よし、ここでいったん休憩しよう」

「もう休むんですか?」

「バイクでの移動ってのは意外と疲れるんだよ。こまめに休憩していかないとくたくたになってうごけなくなっちまうからな。それに結構進んでるぞ」

 そういってバイクを止める。
 ふ~と呼吸するとミリーは一輪バイクに目を向ける。

「よく走りますね。馬とは大違いです」

「まあな、でも油断してるとすぐに動力切れて動けなくなるけどな」

「なにをつかってうごいてるんですか?」

「魔力」

 そういってバイクのメーターボックスの右端についている小さなメーターをさす。

「こいつが今このバイクに蓄えられてる魔力の量。この針が赤色の部分になると残り少ないってことだから魔力の補給をしないといけない」

「ではこのメーターにも気負付けなければならないんですか?」

「ああ、じゃなきゃこの重たいお荷物を引っ張っていかないといけなくなるからな。まあそんな気にしなくてもいい、魔力スタンドは結構あるから」

 ノブオの話を聞いて安心したのかミリーはヘルメットを脱ぎ湖の近くに座る。

「ほら、昼飯だ」

 その後ろからノブオがサンドイッチを差し出す。

「ありがとうございます」

「腹が減っては戦はできぬ手言葉もある。ゆっくり、してる暇はないがとりあえず今は落ち着いて飯にしよう」

「はい」

 二人は楽しく食事をとって再び出発した。

「ここから山岳地帯に入る。気負付けて運転しないとすぐにこけるかもしれないから気を付けて行こう」

 二人が進んでいるのは湖から少し進んだ山岳部。
 崖ぎりぎりにある道をドキドキしながら走る。

「大丈夫なんですか」

「大丈夫だって。ただまあ、予想より時間がかかってるのは事実だけど」

「それは」

「まあ、急いでるわけでもないから問題ないけど、多少の行程の修正を考えないとな」

 そういってた時。正面から何かが走ってくる。

「帝国軍の兵員輸送トラックだ。普通に通り過ぎれば問題はない」

 そして二人は道を譲るためにバイクを端に寄せて止める。
 しばらくするとトラックがゆっくりと目の前を通り過ぎていき、しばらくすると見えなくなる。

「よし行こう」

 完全に見えなくなったことを確認すると再び二人は走り出した。



 しばらく走り山岳地帯を抜け小川が流れているところに出たとき、ノブオがバイクを止める。

「よし、今日はここをキャンプ地とするぞ」

「キャンプですか?」

「しょうがないでしょ。1日で着くと思ってたのがまだついてないんだから。まあ見通しが甘かったってのもあるが」

「は~わかりました」

「その、すまねえ」

「いいですよ。もう」

 そういって、二人はそれぞれテントを立てて薪の準備をして火をつける。

「飯を食ってさっさと寝よう。明日もはやいからな」

「あの」

「なんだ」

「そろそろ教えてくれませんかどうやって私たちにかけられている指名手配を解除させるのか」

「簡単だよ。話し合い、交渉だ」

「できるんですか」

「まあ、いろいろと考えてるから問題ないよ。君が気にすることじゃない」

「しかし」

「まあ、安心城っていうのが無理だよな。じゃあ、首都についたら君にもやってほしいことがあるから」

「ほんとですか」

「ああ、だから今は俺についてきてくれ」

 スープを二人ですすりテントに入る。

「お休みミリー」

「はい、おやすみなさい」
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