魔女との世界の歩き方

詩野

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第一章 【山を繋ぐ大橋】

第四節 【倒れていた女性】

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ベットに女性を寝かした後、アイリスは回復魔法を発動しルーンとエルは傷の手当をした。

その後、三人が夕食をとりつつ女性のことや橋のことを相談しながら一時間くらいたった頃、橋の修復方法を相談し始めたアイリスとエル。
ルーンは専門的な知識や能力もないので、二人に女性のようすをr見てくると告げて女性を寝かしてある部屋へと向かった。

ドアを開け中に入ると女性は既に起き上がっていて、月の明かりに照らされながら外を眺めていた。
女性はルーンに気づき後ろに振り返り、

「あなたが私を助けてくださったんですか?」

と言った。
ルーンは「はい、僕と一緒にいた二人でここまで運びました」と言いながら近くの椅子に座り、女性の方を向いて話を続けた。

なぜ、森の中に倒れている女性を見つけたのか、についての経緯を話し終えた後、女性はその身に起こったことを話し始めた。

「私の職業は冒険者で後衛職をやっています、今回はこの辺で魔物による農作物の被害が多発しているから調査、できれば該当する魔物の討伐。という内容のクエストを受け、前衛3人と後衛を私含め二人のパーティで先程私が倒れていた森へと来ていました」

農作物の被害は付近にあったルーンのトンプラー村でも度々あったのですぐに理解ができた。
それに対してギルドから冒険者が派遣されているということはルーンが思っていたより被害は深刻なようだ。

「一時間ほど探索をしていたら、オークの集団が出てきました。数は十を超していましたが、基本的にはレベルの低い魔物なのである程度の経験を積んでいる私達のパーティなら大丈夫だと判断し戦闘に移りました」

この発言からルーンの頭の中にあった一つの謎が解けた。
村では全く姿を見せなかったオークがなぜトンプラー村に攻めてきたのか、それは被害を出していた魔物の招待がオークであり、その数が異常な量になっていたからだ。

「ですか、戦闘してすぐに力量差を思い知らされました。オークの一撃一撃が強烈で、前衛も後衛も守りに徹するしかありませんでした。十分もしないうち戦闘に勝つ事は無理だと判断した私達は前衛が時間を稼ぎ後衛二人が助けを呼びに行くという考えに至り、実行に移しました。」

ルーンはジャックが殴り飛ばされた時のことを思い出した、オークは人間よりも力はあるが、流石に成人男性をあの速度で吹き飛ばせるだけの力は普通のオークには無い。
それならば熟練の冒険者でも対処は難しいだろう。

「ですがダメでした、もう一人の後衛職は捕まり私は重症を負わせられました。どうにかあそこの道までまで歩いたところで意識がなくなってしまいました、なので倒れてしまっていたという訳です」

女性は話し終えると俯きながら、

「私以外の4人は捕まってしまっています、すでに死んでしまっているかもしれません︙」

と、悲しげに言った。

ルーンは一通り話を聞くと、女性にベットで安静にしているように伝えてアイリス達の元へと戻った。
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