魔女との世界の歩き方

第一章 【山を繋ぐ大橋】

第五節 【作戦会議】

ルーンが二人の元へ戻るとちょうど橋の件についての話し合いが終わったようで、お茶を飲みながら雑談していた。
ルーンが来たことに気づいた二人は、ルーンの真剣な顔を見て話すのをやめた。

席についたルーンはまず女性から聞いた話を二人に話した。

「なるほどな、それで今そいつの容体は大丈夫なのか？」

ルーンは縦に頷き、

「大丈夫そう、今日一日安静にしていれば明日には動けるようになると思う。アイリスの魔法のおかげだよ、こんなに早く治るなんて」

アイリスは照れながら下をうつむき、

「別に大した事はしていません、自分にできることをやっただけです︙」

「いやいや、凄いよアイリスは。それで今後の事なんだけど︙」

ルーンが話しだそうとした時、エルがフッと笑って、

「助けに行きたいって言いてぇんだろ、こういう時若いもんはそういうカッコイイことを言いたがるからな」

エルは立ち上がると、

「それじゃあ準備しないとなぁ、それに助けてやれば橋の修復も手伝だわせることが出来るしな」

と、エルは言うがただの建前で本心ではエルも助けたいのだと思っている事をルーンもアイリスも気づいた。
そしてルーンも立ち上がり、

「ありがとう、よろしく頼みます」

と言って拳を突き合わせた。

その後三人で女性の部屋へ行き、協力することを伝えたところ女性は泣きながら、

「ありがとうございます︙！」

と、ルーンたちに言った。

「自己紹介が遅れました、私の名前はカムイです」

「僕はルーン、それにアイリスとエルだ。救出には最善を尽くす、一緒に頑張ろう」

その後救出作戦を考え、出発は次の日の夜に決まった。
作戦に備え四人は早めに睡眠を取り、次の日はアイリスは魔力の回復に専念する為に、カムイは傷の回復に専念するために更に休息をとっていた。

ルーンとエルは作戦に使う武器や道具の準備、手入れをしていた。
ルーンは父の形見である剣は置いていくことにした、扱えないものを持っていくには危険度が高すぎるからだ。
エルの武器は斧を使うらしい、普段使っているもののほうが扱いやすいんだと言っていた。

前衛一人後衛三人という少しバランスの悪い編成だが仕方が無い。
そんな一日が終わり日が落ちてきた頃、四人による作戦は開始された。