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第二章 【都市リグレット】
第五節 【装備選び】
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ギルドから出たルーンたち二人は、この町にある鍛冶屋を探した。
大きな都市なので、鍛冶屋といえど数がある。
ルーンたちはどの鍛冶屋にするか考えながら歩いていた。
「あっ」
ふと、ルーンが声を出した。
なにか懐かしい雰囲気の鍛冶屋があったからだ。
「カイン、ここで良い?」
と言うと、カインはきょとんとして、
「良いけど、何でこんなおんぼろな鍛冶屋なんだ?」
と言った。
ルーンはなんとなく、とカインに言った。
ギイィ、ときしむような音を上げながら扉を開け中に入る。
中には沢山の武器や防具が並んでおり、奥では作業をしているのだろうか、カンカンと金属を打つ音がしている。
ルーンが大きな声で呼ぶと、音が止み中から一人の老人が出てきた。
老人と言っても六十歳くらいで体も衰えてないように見える。
「すみません、冒険者を始めたので武器と防具を見に来たんですが」
と、ルーンが言うと老人は、
「お前さん、名は?」
「えっと、ルーン。ルーン・シルバーって言います」
いきなり名前を聞かれたのでルーンはびっくりしたが、名前を伝えると老人は腕を組んで、
「やっぱりか、お前さんの事は知っている。ジャックの所に住んでいる奴だよな、ジャックはわしの一番弟子で今でもたまに連絡をとっているんだが、お前さんがくることは言われとらんかったな」
老人の話を聞いたルーンはなるほどと思った。
店を見たときに感じたなつかしさは、ジャックの鍛冶屋にいたときの物だった。
ルーンは村に起こった事とジャックが亡くなった事を話した。
老人は俯きながら、
「わしより早くしにおって、あの馬鹿弟子が」
と言ってすぐに顔を上げ、決心した表情で、
「わしの名前はガンテグ、お前さんのことはわしが出来る限りサポートしてやる、存分に頼ってくれ」
と言ってくれた。
「そういえば冒険者を始めたと言ったな、何の武器を使うんだ?」
「僕は狩りで弓を使っていたので狩人の職業に就きました」
ガンテグは少し考えると、
「狩人なら動きやすいショートボウが良いだろうな、そういえばあれがあったような」
そういったガンテグは奥の部屋に行って何かを探してきた、どうやら弓を持ってきたらしい。
「最近新しい弓を手に入れた冒険者が今まで使っていた弓を売りに来たんじゃ、ちょっと早すぎるかもしれんがこいつは【精霊樹の弓】って言う名前の弓だ。名前の通り精霊の加護を受けているから多少は使いやすくなっているし火力もそこそこ出る」
「じゃあそれでお願いします、僕武器の良し悪しとか分からないので」
ガンテグの説明に対して、ルーンはそう答えた。
「そうか、じゃあこいいつはやるぞ。あんま金も無いだろうしサポートするって言ったしな、ついでに矢も数十本くらい転がってるのがあるから持って行って良いぞ。もちろんタダにすんのはこんかいだけじゃがな」
「そんな、悪いよタダなんて。ちゃんとお金はありますから」
と、ルーンは言ったが、ガンテグは手をひらひらさせながら、
「いいってことよ、これは俺の気持ちみたいなもんだからな。さて後は防具か、狩人なら軽装備のほうがいいだろうからこのフレイムフォックスの毛皮で作ったレザー装備一式なんてどうだ。あんまり使う奴はおらんが、結構頑丈で動きやすいそうびじゃ、しかも素材も安く手に入るからその分安い」
ルーンはさっきと同じように、ガンテグの言う通りにした。
「よし、じゃあサイズを合わせるからちょっとこっちに来い」
そう言ってガンテグが手招きしたので、ルーンは装備のサイズを合わせて貰った。
防具の代金を払った後、ガンテグに礼を言いまた来ると伝えるとガンテグは笑みを浮かべながら、待っているとだけルーンたちに伝えた。
大きな都市なので、鍛冶屋といえど数がある。
ルーンたちはどの鍛冶屋にするか考えながら歩いていた。
「あっ」
ふと、ルーンが声を出した。
なにか懐かしい雰囲気の鍛冶屋があったからだ。
「カイン、ここで良い?」
と言うと、カインはきょとんとして、
「良いけど、何でこんなおんぼろな鍛冶屋なんだ?」
と言った。
ルーンはなんとなく、とカインに言った。
ギイィ、ときしむような音を上げながら扉を開け中に入る。
中には沢山の武器や防具が並んでおり、奥では作業をしているのだろうか、カンカンと金属を打つ音がしている。
ルーンが大きな声で呼ぶと、音が止み中から一人の老人が出てきた。
老人と言っても六十歳くらいで体も衰えてないように見える。
「すみません、冒険者を始めたので武器と防具を見に来たんですが」
と、ルーンが言うと老人は、
「お前さん、名は?」
「えっと、ルーン。ルーン・シルバーって言います」
いきなり名前を聞かれたのでルーンはびっくりしたが、名前を伝えると老人は腕を組んで、
「やっぱりか、お前さんの事は知っている。ジャックの所に住んでいる奴だよな、ジャックはわしの一番弟子で今でもたまに連絡をとっているんだが、お前さんがくることは言われとらんかったな」
老人の話を聞いたルーンはなるほどと思った。
店を見たときに感じたなつかしさは、ジャックの鍛冶屋にいたときの物だった。
ルーンは村に起こった事とジャックが亡くなった事を話した。
老人は俯きながら、
「わしより早くしにおって、あの馬鹿弟子が」
と言ってすぐに顔を上げ、決心した表情で、
「わしの名前はガンテグ、お前さんのことはわしが出来る限りサポートしてやる、存分に頼ってくれ」
と言ってくれた。
「そういえば冒険者を始めたと言ったな、何の武器を使うんだ?」
「僕は狩りで弓を使っていたので狩人の職業に就きました」
ガンテグは少し考えると、
「狩人なら動きやすいショートボウが良いだろうな、そういえばあれがあったような」
そういったガンテグは奥の部屋に行って何かを探してきた、どうやら弓を持ってきたらしい。
「最近新しい弓を手に入れた冒険者が今まで使っていた弓を売りに来たんじゃ、ちょっと早すぎるかもしれんがこいつは【精霊樹の弓】って言う名前の弓だ。名前の通り精霊の加護を受けているから多少は使いやすくなっているし火力もそこそこ出る」
「じゃあそれでお願いします、僕武器の良し悪しとか分からないので」
ガンテグの説明に対して、ルーンはそう答えた。
「そうか、じゃあこいいつはやるぞ。あんま金も無いだろうしサポートするって言ったしな、ついでに矢も数十本くらい転がってるのがあるから持って行って良いぞ。もちろんタダにすんのはこんかいだけじゃがな」
「そんな、悪いよタダなんて。ちゃんとお金はありますから」
と、ルーンは言ったが、ガンテグは手をひらひらさせながら、
「いいってことよ、これは俺の気持ちみたいなもんだからな。さて後は防具か、狩人なら軽装備のほうがいいだろうからこのフレイムフォックスの毛皮で作ったレザー装備一式なんてどうだ。あんまり使う奴はおらんが、結構頑丈で動きやすいそうびじゃ、しかも素材も安く手に入るからその分安い」
ルーンはさっきと同じように、ガンテグの言う通りにした。
「よし、じゃあサイズを合わせるからちょっとこっちに来い」
そう言ってガンテグが手招きしたので、ルーンは装備のサイズを合わせて貰った。
防具の代金を払った後、ガンテグに礼を言いまた来ると伝えるとガンテグは笑みを浮かべながら、待っているとだけルーンたちに伝えた。
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