魔女との世界の歩き方

詩野

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第二章 【都市リグレット】

第六節 【迷宮 1】

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少し時間は早かったが、一足先に宿に戻りルーンは買ったばかりの弓の調整をしながら時間をつぶし五人の帰りを待った。
ほどなくして帰ってきたゴートたちと一緒に下の階に降り、夕食をとった。

ランクが上がったゴートとアイリスはそれぞれ笑みを浮かべており、楽しげな会話をしながらその日を終えた。

次の日、相変わらず晴れが続いている空から朝日が差し込んできて、ルーンたちは起床した。
朝食を食べ今日の予定を考えた結果、ルーンの装備の調子を見なきゃならないので今日は全員でクエストを受けることにした。

ギルドに向かう道はなぜかいつもよりも騒がしく感じ、それはギルドに近づくにつれて大きくなっていった。

「どうしたんだろう、なんかあんのか?」

カインは思ったことを口にした。
全員疑問を持ちながらもギルドの扉を開けると、中はこれまで異常に騒がしいことになっていた。
冒険者たちは叫びちらし、受付嬢たちはカウンターの奥で走り回っている。

「あの、なんかあったんですか?」

「なんだお前知らないのか、新しい迷宮が見つかったんだよ。名前はまだ決まってないがDランク迷宮らしいんで新米冒険者が集まるこのリグレットは今大騒ぎしてるんだよ」

ルーンは近くにいた冒険者に話を聞くと、どうやら迷宮と言うものが見つかったらしい。
迷宮のことを知らないルーンが首を傾げてると、カインが説明をしてくれた。

「迷宮って言うのは魔物しかいない場所のことなんだが、中は何階層にも分かれていてたまにボスがいる階層もある。原因はいまだに解明できていないが、魔物が定期的に増え続けるから冒険者の力試しや金稼ぎに最適なんだよ、しかも中には宝箱まであるんだから皆迷宮に行きたがる。リグレット付近には元々Bランク迷宮の【闇の麻痺沼】って言う迷宮があるんだが、新米冒険者が多いこの都市では挑戦できる冒険者がほとんど居なかったんだ。だから今回出たDランクの迷宮はこの都市にいる誰もが喜ぶものになるんだよ」

カインの話を聞き終わると、ルーンにも事の重大さが分かった。
話を聞いているうちに、迷宮の場所は昨日アイリスたちが行ってきた場所と同じ場所で、最近の魔物の異常な出現数は迷宮の出現が原因だった。

「ちょうど良い、俺たちもこの迷宮に行こうぜ。今すぐ行けば回収されてない宝箱もあるだろうし、魔物も狩りつくされちまう」

他の六人はカインの意見に同意し、七人は迷宮へと急いだ。
道中、何人もの冒険者を片目に見ながらルーンたちは迷宮へと進み、到着した迷宮は大きめの洞穴のように見えた。
迷宮は山の壁に大きな穴が出来るように出現しており、既に何人かの冒険者達が中に入っていっている。

「さすがにでっけぇな、迷宮は」

カインが目を見開いてそうつぶやいた。
確かにとても大きく、出入り口だけでルーンの身長の三倍以上ある。
その後、戦闘態勢を整えたルーンたちは僧侶であるリオに付与魔法を掛けてもらい、迷宮の中へと入っていった。
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