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第二章 【都市リグレット】
第八節 【迷宮 3】
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その後は二層、三層、四層そして五層と問題なく進むことが出来たルーンたちは、既に昼を過ぎいい時間になってきたので六層への階段を見つけてから引き返すことにして五層の攻略を始めた。
五層の攻略では一層と比べ、確かに魔物の能力は一段と上がって来ていたがルーンたちパーティーの力量では
攻略のスピードはあまり変わっていなかった。
一層のときと同じように迷宮の攻略をしていたルーンたちは、違和感に気づいた。
魔物の姿がまったく無く、五層の攻略を始めてから一体もまだ出てきていないのだ。
同じ階層に強めのパーティーが居るのかと考えたルーンたちだが、さらに普通にパーティーで攻略している場合は魔物の剥ぎ取りまでするものなのだが、魔物の死骸が攻撃を受けた跡を残しながら色々な所に落ちていた。
その状況に対してルーンたちは普段より警戒態勢を上げ十分注意しながら進んでいた。
三十分くらい進んでいると、遠くから戦闘の音が聞こえてきた。
とりあえずその姿を確認しようとルーンたちは音の方向へと向かう。
そしてルーンたちがその姿を見たときには既に戦闘は終わっていた。
魔物の死骸の中心には血にまみれて真っ黒になり、そこらじゅう刃こぼれした両手剣を持った青年ひとりの姿を確認した。
まさか今までの死骸は全てこの青年が倒した魔物だというのだろうか、ルーンたちが此処まで簡単にこれたのは七人という大人数で攻略していたからで単独で攻略するのは自殺行為だ。
だがその青年はそこに一人で居る、これでどれだけの能力がその青年にあるのかがすぐにルーンたちには分かった。
青年は両手剣についた魔物の血を払うとルーンたちのことなど気にしてないかのように、スタスタと迷宮の奥へと消えてしまった。
あまりに突然の出来事でありルーンたちには何が起こったかわからず、言葉が出せずに居た。
だが全員がその青年を見たときに思ったのはおぞましさや恐怖だった。
「んだよ、あれ」
カインが搾り出すように声を出した。
発言の通り青年の姿は人間で無いようにも感じてしまうほど醜いものだった。
その後ルーンたちはまったく発言も無く魔物の居ない道を進み六層への階段を見つけ、引き返すことにした。
帰りは道がもう分かっているので迷わず帰ることが出来たが既に魔物が再出現していて、五層で体験することが無かった戦闘を何度か行いながら戻りの道を進んだ。
沈んだ空気のまま外に出ると、もう太陽は沈んでいて雲の掛かった夜空が広がっていた。
ルーンたちはそのままギルドに行き素材などを売却した後、宿に戻ることにした。
五層の攻略では一層と比べ、確かに魔物の能力は一段と上がって来ていたがルーンたちパーティーの力量では
攻略のスピードはあまり変わっていなかった。
一層のときと同じように迷宮の攻略をしていたルーンたちは、違和感に気づいた。
魔物の姿がまったく無く、五層の攻略を始めてから一体もまだ出てきていないのだ。
同じ階層に強めのパーティーが居るのかと考えたルーンたちだが、さらに普通にパーティーで攻略している場合は魔物の剥ぎ取りまでするものなのだが、魔物の死骸が攻撃を受けた跡を残しながら色々な所に落ちていた。
その状況に対してルーンたちは普段より警戒態勢を上げ十分注意しながら進んでいた。
三十分くらい進んでいると、遠くから戦闘の音が聞こえてきた。
とりあえずその姿を確認しようとルーンたちは音の方向へと向かう。
そしてルーンたちがその姿を見たときには既に戦闘は終わっていた。
魔物の死骸の中心には血にまみれて真っ黒になり、そこらじゅう刃こぼれした両手剣を持った青年ひとりの姿を確認した。
まさか今までの死骸は全てこの青年が倒した魔物だというのだろうか、ルーンたちが此処まで簡単にこれたのは七人という大人数で攻略していたからで単独で攻略するのは自殺行為だ。
だがその青年はそこに一人で居る、これでどれだけの能力がその青年にあるのかがすぐにルーンたちには分かった。
青年は両手剣についた魔物の血を払うとルーンたちのことなど気にしてないかのように、スタスタと迷宮の奥へと消えてしまった。
あまりに突然の出来事でありルーンたちには何が起こったかわからず、言葉が出せずに居た。
だが全員がその青年を見たときに思ったのはおぞましさや恐怖だった。
「んだよ、あれ」
カインが搾り出すように声を出した。
発言の通り青年の姿は人間で無いようにも感じてしまうほど醜いものだった。
その後ルーンたちはまったく発言も無く魔物の居ない道を進み六層への階段を見つけ、引き返すことにした。
帰りは道がもう分かっているので迷わず帰ることが出来たが既に魔物が再出現していて、五層で体験することが無かった戦闘を何度か行いながら戻りの道を進んだ。
沈んだ空気のまま外に出ると、もう太陽は沈んでいて雲の掛かった夜空が広がっていた。
ルーンたちはそのままギルドに行き素材などを売却した後、宿に戻ることにした。
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