魔女との世界の歩き方

詩野

文字の大きさ
31 / 52
第三章 【迷宮 紅蓮の洞窟】

第一節 【炎の強さ】

しおりを挟む
ボスを倒し十階層に降りてきたルーンたちは、最初の戦闘時に今までと変わったことがある。

「熱っつ!」

カインが敵の攻撃を食らい、リオがそれを回復する。
十階層の敵は全体的に火属性が多く、火属性魔法や武器に炎を纏わせる戦術を使ってくる。
新しくなった敵に悪戦苦闘し、続ける予定だった迷宮の攻略を断念することになった。

予定より早く都市に戻ったルーンたちは、まず素材を売りにギルドへと向かった。

「こんばんは、今回はどういったが用件でしょうか?」

いつも通り受付嬢が笑顔で迎えてくれる。
ルーンたちは迷宮探索で入手した素材をカウンターに広げ鑑定をしてもらい、受付嬢から金を渡されると受付嬢から話があった。

「ボスを倒したということは十階層以下には行きましたよね?行っていたら分かると思うんですがこの迷宮は火属性の魔物が多く出現しているみたいなんです。そこでギルド本部と相談し迷宮の名前が決定しました。迷宮の名前は【紅蓮の洞窟】になります!」

出現したてで名前が無かったことをルーンは忘れていたが、謎の青年からの迷宮の情報により迷宮の名前が決定したようだ。
そして【紅蓮の洞窟】の名の通り、さっき見たような魔物がこれからも出現することになるので、ルーンたちはこれに対してなにか対策を考えなくてはならない。

受付嬢に礼を言って、ルーンたちはギルドを後にした。
ボス戦などで消費した消耗品などを買い足し宿に向かうと、全員で一つの部屋へと集まった。
こほん、と咳払いをしてカインが話し始めた。

「えっとまず今後の方針については魔物の火属性攻撃などに対してどうするかなんだが、まずはしっかりとダメージをあたえられるようになりたいと思う。そこで一番の問題になるのがカムイとレキだ、カムイの得意魔法は火属性だから同じ火属性に対してあまり有効ではない。レキは俺以上に接近して戦わないといけないから火属性の敵に対しては分が悪い」

「それなら私は大丈夫ですよ、火属性の魔法を得意としているのは本当ですが火属性に対して有効な土魔法も多少は使えます。土魔法をメインに動くことが出来れば幾分かマシになるでしょう」

カムイの返答に対してカインは縦に頷き、

「そんならとりあえず大丈夫だな。それでレキはどうだろう」

「僕は貰ったグローブが土属性だったから少なくとも手元は大丈夫だよ」

「となるとやはり前衛の防具強化が必要になるな、迷宮攻略である程度の金はあるから前衛全員の防具を買い換えるのが一番理想的か」

カインの考えには後衛陣も賛成し、明日防具を買いに出かけることとなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

合成師

あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...