魔女との世界の歩き方

第三章 【迷宮 紅蓮の洞窟】

第三節 【戦力向上】

ガンテグの店で用件を済ませたルーンたちは、そのまま迷宮へ行くことになった。
太陽が真上に昇ったときルーンたちは迷宮に到着する。
今回の目的は迷宮の攻略ではなく、カインたちが新調した装備の調子を確かめるためにここへと足を運んだのだ。

「んじゃ、行くか」

カインの声と共にルーンたちは迷宮へと入っていった。
今回はカインたちとともに、まだ戦闘に慣れていないルーンもこれに参加する。
他の三人はアイリスたち女性人が剥ぎ取りや宝箱関係を、リオにはルーンたちを完全支援してもらうことになっている。

ここまで来る時にもカインたちは、購入した装備の凄さを実感していた。
今までつけていた装備よりも遥かに動きやすくなっていて、ガンテグが個々に対しての調整を細やかにやってくれていることが分かる。
それは戦闘に入ってからも同じことだった。

この日迷宮に入っての初めての戦闘でその本当の凄さをカインたちは実感した。
それは初動から違って攻撃をする時、攻撃をかわす時、攻撃を受けてしまった時、全てにおいて向上が見えた。
今までの物よりも行動に制限がかからず防具を着てないかのように自由に動くことが出来ている、それでおいて攻撃を受けたときの衝撃の吸収が凄くいままでの防具よりもちゃんと性能が上がっていることが分かる。

「うぉっ、全然痛くねぇ！」

カインが賞賛の声を上げる。
いつもよりも俊敏に動けているカインたちに、後ろから援護射撃をしているルーンは気づいた。
戦闘は円滑に進み何事もなく終了し、それを繰り返しているうちに慣れてきたのか戦闘に技能を使いながら動くようになって更に効率が上がった所でその日は宿へと戻った。

「これなら十層以下でも十分戦えると思うぜ」

迷宮からの帰り道でカインは笑顔でそう言う。
それに対してゴートとレキが反応し三人とも楽しそうに会話していた。
ルーンはこの日の戦闘で初めての技能である【乱れ撃ち】の練習を主にしていて、その細かい使い方を自分なりに研究した。
そうしているうちにだんだんと魔力に対する矢の量が増えてきていて、前回よりも沢山の矢を出現させることに成功していた。

ルーンの成長とカインたちの防具の性能が上がったことにより、十層以下の攻略が安易になったことが見て取れるように分かった。
そして明日の攻略に向けて装備の最終調整をして、その日は楽しげに夕食をとりながら床に着いた。