魔女との世界の歩き方

詩野

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第三章 【迷宮 紅蓮の洞窟】

第四節 【炎の先】

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次の日、朝早くから宿を出て迷宮へと向かったルーンたち。
早速迷宮に着くと今までよりも何倍も早い速度で攻略を始めた。
そして一時間ほどで九階層へと到着した。

「すっげぇサクサクと進めたな、足を止めてる時間がほとんど無かったぜ」

カイン自身も驚いているらしいが、それはルーンたちも同じで今まで何時間もかけて攻略していた場所をわずか一時間足らずで攻略できたことに驚きを隠せなかった。
普通新しい装備に変更した場合なれるのに長い時間がかかるし何より扱いが難しくなる。

それなのにも関らずこれだけ効率的に動ける装備を作成できるというのは、ガンテグは相当腕の立つ職人であることが分かる。
ルーンはふとジャックのことを思い出した、辺境の村で鍛冶屋をやっていたのにあれだけの依頼が来てたのもガンテグの弟子として相当な能力を持っていたからだろう。

「よっしゃ、準備できならら行くか」

カインの呼びかけにこたえてルーンたちはボス部屋の扉を開ける。
ギイィィと音を立てて扉は開き前回と同じように前衛がボスを、後衛が取り巻きを倒す算段だ。
ルーンはうまく扱えるようになった技能を駆使し、前回よりも効率的に倒すことが出来た。

後衛がボスに標的を移すと前回とは違う光景が広がっていた。
ボスの体に傷がついていたのだ。

ボスは【再生】の技能を使えるので基本的にすぐ傷が塞がってしまうのだが、カインたちの連続攻撃によって傷の再生が間に合っていないようだ。
それだけカインたちも行動をしやすくなっているのだろう、一つ一つの動きに無駄がなくなっている。
そこに後衛が加わると徐々にボスの体に傷が増えていき、ルーンの【乱れ撃ち】によってボスは絶命した。

「すごいな、前回あれだけ苦戦したのに」

レキがそう呟く。

「普通に戦闘しているだけで勝つことが出来てしまったので、相当戦闘力が上がっています。ガンテグさんって何者なんでしょうか」

カムイが驚いた顔をしながら思ったことを口にした。
剥ぎ取りと宝箱の回収をして、十階層へと降りる準備をする。

「さて、いよいよ十階層だ。どれだけ違うのかが楽しみだな」

カインのその言葉に対して全員が縦に首を振る。
リオに付与魔法を掛けてもらってルーンたちは階段を下りた。

十階層に降りたルーン達は五分もかからずに敵と遭遇した。
敵は全て炎に関係した武器を持っている、装備変更後初めての火属性の魔物との戦闘だ。

「よっしゃいくぞ!」

カインの掛け声にあわせてルーンたちは戦闘態勢に入る。
戦闘開始直後、ゴートが技能【挑発】を発動して敵の攻撃を受けるが、いつもと変わらずそのまま耐えることが出来ていた。
それを確認したカインたちは次々に攻撃を繰り出してゆく。

そして何の問題もなく戦闘を終了した。
こうしてルーンたちは火属性の壁を突破し、十階層の先へと進めるようになった。
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