本気の恋をもう一度

蜜花

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出会編

2.なにがなんだか

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 当然!自信作の唐揚げは、騎士様たちに大人気だった。若い男性はお肉に目がない。唐揚が載った大皿はすぐにただの皿となり、気をよくしたアンナおばさんはコーヒーをサービスした。

「綺麗に召し上がっていただきありがとうございます」

 全員にコーヒーを配膳が終わった。礼を言って別の仕事に着こうとしたら、ペルテト様の向かいに座っていた騎士様に声をかけられた。

「今日は、何時までだ」

 ダーグリーンの短髪で瞳は茶色……初めてお会いする方よね。

「二十一時まで営業しております。ディナーは魚料理がお勧めですよ」

 ぷふーっと吹き出す音がした。それを皮切りに、ペルテト様と、声をかけてきた騎士様以外は大笑いしている。

 何が変だったのかわからない。理由を聞くのも変だし、恥ずかしくて一礼してから裏の仕事に入った。

 おばさんは苦笑。聞いてもなぜ笑われたのか教えてくれない。気持ちが下がってしまい、ラストまでの勤務予定を、夕方にしてもらった。

 着替えてから裏に出ると、なにか通りが騒がしい。

 怖いもの見たさで影から覗くと、ペルテトさまとダークグリーンの騎士様が言い争っていた。体格がいい二人の争いは手が出なくとも迫力がある……。そんな感想はよくて揉め事は困るの。それも知り合い二人だなんて。

 囃し立てる集団の隙間を抜けて、二人に声をかけた。

「あのぉ」
「リリー/ リリー殿」

 あ、これ関わってはいけなかったやつ……そう気づいた時には遅かった。

◯⚫️◯

「狭い部屋ですみません」

 その後も睨み合う二人を見捨てておかなくて、しぶしぶ自宅へと連れて帰った。一人暮らし用の部屋に男性二人は狭い。チェアは一脚しかないので、お二人にはベッドへ腰掛けてもらった。

「リリーの部屋に入ったのは初めてだ」
「そうですね、ペルテト様の邸宅がほとんどでしたから」

 口に出してからハッとなった。ここにはまだ名前を知らない、ペルテト様の同僚がいるのだ。昔のことを匂わせる発言をするなんて、死ぬほど恥ずかしい。

 お茶の準備に集中して、無心を心がける。
  
 同僚の騎士様の様子をうかがう。表情に変化はないようだ。ただじっと壁の絵を眺めていた。私の視線に気づいたのか、彼が口を開く。

「すまない、物珍しくて」
「確かに、街の暮らしとは大きく違いますね。でも、私はここを気に入っているんです」
「そうだな、いい部屋だ」

 この人は変わっている。いつ名乗る気なのだろう。私の名前は勝手に呼ぶのに。

 ペルテト様の方は、なんだか落ち着かないよう長い足を組んでゆすっている。

 うちにはティーカップがない。湯呑みがギリギリ二つあったので、それに入れたお茶を手渡す。

 二人が一口飲んだのを確認して本題を切り出した。

「お店の前で、何をもめていらっしゃったのですか」
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