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三話目 おいしい魚と静かな穴
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🐾
ぼくね、考えたんだ。
ねずみさんたちが出てこなかった理由。
猫の国に帰ってから、頭をポクポクした。
それから、走ったりもした。
そうしたらね、わかったんだよ!
「贈り物が足りなかったんだ」
贈り物を忘れちゃってたの。
ねずみさんたち楽しみにしてた。
きっとがっかりしちゃったんだと思う。
贈り物はなにがいいかな、どうしよう……。
ぼくはお歌も好きただよ!ダンスも好き。
たのしいの? おいしいの? きれいなの?
どれがいいかな? どれが一番かな?
でも、だいじょうぶ。 ぼく、王さまだもん。
すっごく悩んで、いちばんおいしい魚を選んだよ。
そのままもいいけど、もっとおいしくした。
ぼくらが大好きなはっぱで煮込んだよ。
このはっぱ、ぼくらは大好きなんだ。
くんくんするだけで、目がとろーんってなるくらい。
ぐつぐつ、ぐつぐつ。
魚がぷっくりふくらんで、とってもおいしそう。
香りが部屋にふわ~んと広がった。
ぼくは料理も大とくいなんだ。
味見したら、食べすぎちゃった。
身はもう食べちゃったけど、だいじょうぶ。
スープもあるし、骨もおいしいんだ。
ねずみさんたちも、きっと気に入ってくれるはず!
金のお皿にたっぷり入れた。
深くて、ぴかぴかしてて、ぼくのお気に入りだよ。
大きくて、ふちが高くて、たくさん入るの。
うっかりスープがこぼれないんだ。
あたたかいスープ、大好き。
猫の国のみんながすごく褒めてくれた。
「王さまの味覚は世界一!」
「ねずみたちは感動まちがいなしです!」
これで準備はばっちり。
🐾
「こんにちはー! 王さまだよー!」
王様は門の前で大きな声を張り上げ、しっぽをくるくる回した。 ピカピカの金のお皿を手に持ち、スープを手に持った。ねずみたちは穴の奥で鼻をひくひく、そっと後ずさりした。 くしゃみをこらえる子もいた。 金のお皿がキラキラ光り、目をチカチカさせた。
「まぶしい…」「でっかいお皿だね」と、奥から小さな声が漏れた。
王様の声に、ねずみたちは耳をピクピク動かした。
「また来た…」と、穴の奥でヒソヒソ話した。
夜になってもスープの匂いは強く漂う。 穴の奥では、ねずみたちは身を寄せ合い、誰も声を出さなかった。 鼻をひくひくさせながら、音を立てないようにじっとしていた。
ねずみたちは、スープの匂いが届くたび、体をこわばらせ動かないようにがんばった。 王様はスープをごくごく飲み、骨をバリバリ食べた。
その音が穴の奥に強く響き、ねずみたちは震えた。王様はしっぽをふりふり、門の前を後にした。
🐾
あれれ? みんなどうしたのかな?
スープを飲みにこないのかな。
へんだなぁ、すっごくおいしいのに。
このにおい……あぁ、うっとりしちゃう。
ぼくだったら、ぜったいがまんできないよ。
うん、食べちゃおう。
スープはおいしいなぁ、ごくごく飲めちゃう。
骨もおいしい。ちょっと硬いけどね。
食べ終わってからも、みんなシーンとしてる。
変なの、どうしたのかな。
ぜんぜん音がしないし、静かだし……。
わかった! そうなんだね!
きっと、みんな寝ちゃったんだ。
あぁ、すてきだなぁ。
おなかいっぱいで、すやすやしてるんだ。
しっぽをまるめて、ふわふわのおなか出してる?
ほっぺをくっつけて、いい夢見てるんだろうな。
ぼくのしっぽがちょっとしょんぼりした。
でも、すぐにふわっとふくらんだよ。
よーし、次はふわふわの毛布を持っていこう!
🐾
ぼくね、考えたんだ。
ねずみさんたちが出てこなかった理由。
猫の国に帰ってから、頭をポクポクした。
それから、走ったりもした。
そうしたらね、わかったんだよ!
「贈り物が足りなかったんだ」
贈り物を忘れちゃってたの。
ねずみさんたち楽しみにしてた。
きっとがっかりしちゃったんだと思う。
贈り物はなにがいいかな、どうしよう……。
ぼくはお歌も好きただよ!ダンスも好き。
たのしいの? おいしいの? きれいなの?
どれがいいかな? どれが一番かな?
でも、だいじょうぶ。 ぼく、王さまだもん。
すっごく悩んで、いちばんおいしい魚を選んだよ。
そのままもいいけど、もっとおいしくした。
ぼくらが大好きなはっぱで煮込んだよ。
このはっぱ、ぼくらは大好きなんだ。
くんくんするだけで、目がとろーんってなるくらい。
ぐつぐつ、ぐつぐつ。
魚がぷっくりふくらんで、とってもおいしそう。
香りが部屋にふわ~んと広がった。
ぼくは料理も大とくいなんだ。
味見したら、食べすぎちゃった。
身はもう食べちゃったけど、だいじょうぶ。
スープもあるし、骨もおいしいんだ。
ねずみさんたちも、きっと気に入ってくれるはず!
金のお皿にたっぷり入れた。
深くて、ぴかぴかしてて、ぼくのお気に入りだよ。
大きくて、ふちが高くて、たくさん入るの。
うっかりスープがこぼれないんだ。
あたたかいスープ、大好き。
猫の国のみんながすごく褒めてくれた。
「王さまの味覚は世界一!」
「ねずみたちは感動まちがいなしです!」
これで準備はばっちり。
🐾
「こんにちはー! 王さまだよー!」
王様は門の前で大きな声を張り上げ、しっぽをくるくる回した。 ピカピカの金のお皿を手に持ち、スープを手に持った。ねずみたちは穴の奥で鼻をひくひく、そっと後ずさりした。 くしゃみをこらえる子もいた。 金のお皿がキラキラ光り、目をチカチカさせた。
「まぶしい…」「でっかいお皿だね」と、奥から小さな声が漏れた。
王様の声に、ねずみたちは耳をピクピク動かした。
「また来た…」と、穴の奥でヒソヒソ話した。
夜になってもスープの匂いは強く漂う。 穴の奥では、ねずみたちは身を寄せ合い、誰も声を出さなかった。 鼻をひくひくさせながら、音を立てないようにじっとしていた。
ねずみたちは、スープの匂いが届くたび、体をこわばらせ動かないようにがんばった。 王様はスープをごくごく飲み、骨をバリバリ食べた。
その音が穴の奥に強く響き、ねずみたちは震えた。王様はしっぽをふりふり、門の前を後にした。
🐾
あれれ? みんなどうしたのかな?
スープを飲みにこないのかな。
へんだなぁ、すっごくおいしいのに。
このにおい……あぁ、うっとりしちゃう。
ぼくだったら、ぜったいがまんできないよ。
うん、食べちゃおう。
スープはおいしいなぁ、ごくごく飲めちゃう。
骨もおいしい。ちょっと硬いけどね。
食べ終わってからも、みんなシーンとしてる。
変なの、どうしたのかな。
ぜんぜん音がしないし、静かだし……。
わかった! そうなんだね!
きっと、みんな寝ちゃったんだ。
あぁ、すてきだなぁ。
おなかいっぱいで、すやすやしてるんだ。
しっぽをまるめて、ふわふわのおなか出してる?
ほっぺをくっつけて、いい夢見てるんだろうな。
ぼくのしっぽがちょっとしょんぼりした。
でも、すぐにふわっとふくらんだよ。
よーし、次はふわふわの毛布を持っていこう!
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