25回目のごめんね

蜜花

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四話目 ぬくもりの毛布とバリバリの爪

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🐾  
 まえにねずみの国に行ったとき、わかったんだ。  
 ねずみさんたちは、とってもねぼすけなの。  
 たくさん寝ちゃうんだね、かわいい。  
 なかなか会えなくても気にしない。  
 きっと、おなかいっぱいで寝てるんだと思う。  
 ふわふわのおなか出して、すやすやしてるんだ。

 ぼくも並んでお昼寝がしたいよ。  
 だから、すごくいいものをあげることにした。

 大好きな、お気に入りの毛布だよ。  
 フワッフワで、きもちいいんだ。  
 あったかくて、いいにおいもするよ。  
 ぼくの匂いも、ちゃんとついてるんだ。  
 ねずみさんたち、きっと安心してくれるはず!

 あげちゃうのはちょっとさみしいけど、  
 ねずみさんたちに喜んでほしいから、がまんする!  

 ぼくのしっぽは、ぴんと立った。  
 楽しみで、先っぽがぴょんぴょん揺れてた。

 みんなは、しっぽをふりながら言った。  
「王さまの香りつき毛布! ねずみたち、感激まちがいなしです!」  
「ふわふわで、あったかくて、すてきです!」

 あぁ、一緒に寝るのが楽しみだなぁ。  
 寝返りするとき気をつけなきゃ。

 ぼくは、毛布を門の前にそっと置いた。  
 しっぽを軽く揺らして、やさしく待ったんだ。  
「こんにちはー! 王さまですよー!」  
 きっと、すぐに出てきてくれると思った。

 風が吹いて、毛布の端がふわりとめくれた。  
 ぼくは、そっと毛布をなでた。  
「ねずみさんたち、まだ寝てるのかな?」  
 ちょっと疲れたから、門の前で寝転がった。  
 太陽がぽかぽかして、なんだか眠いな。  
🐾

 毛布の前には、ねずみたちの視線が集まっていた。  
 近くまで来たねずみもいたが、誰も毛布に触れようとはしなかった。  
 毛布は風に吹かれて、壁にぺたりと張りついていた。  
 土埃が舞い、端の色が少しずつ変わっていった。

 穴の奥では、ねずみたちが身をちぢめていた。  
 鼻をひくひくさせる姿も見えた。  
 毛布には、猫の匂いがしっかり染みついていた。  
 強いハーブの香りが混ざっていた。  
 ピンクの布には、黒い抜け毛がたくさんついていた。  
 ねずみたちは、視線をそらし、奥へと引いていった。

 王さまは、目を開けて毛布を見た。  
 毛布は薄く汚れ、端がめくれていた。  
 しっぽがふるえ、鋭い爪が出た。  
 バリバリと音を立てて、毛布を引き裂いた。  
 布は裂け、端が風に舞った。

「あっ……ぼくの毛布」  

 王さまは、しっぽをぺたんと地面に落とした。

「やぶいちゃった……どうしよう」  
  
 そのまま、静かに座った。  
 風が毛布の切れ端をさらっていった。  
🐾
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