25回目のごめんね

蜜花

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五話目 はじめての音楽隊

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🐾  
 ぼくは音楽がだいすき。  
 毎日お歌をうたうし、とても上手なんだよ。  
 それでね。ぼくね、考えたんだ。

 ねずみさんたちは、音が好きかもしれない。  
 まえはちょっと落ち込んだけど、だいじょうぶ。  

 ぼくの鳴き声は高くてきれいなんだよ。  
 しっぽもリズムにのって振れるんだ。  
 2本のしっぽが動くのは、ぼくだけなんだよ!  

 ねずみさんたちは夢中になるよ。  
 みんなで歌って楽しく過ごそう。

 だから、猫の音楽隊をつくることにした!

 猫の国でいちばん元気な子たちを集めたよ。  
 タイコのチロちゃん、フルートのモモちゃん。  
 トランペットのミーくん、ダンスのパルちゃん。

 みんな、すごく頑張ったよ。練習もばっちり。  
 特に、たいこの音がよく響くんだ。  

 ぼくは真ん中で、いちばん大きな声を出すんだよ。  
 ねずみさんたち、きっとびっくりするね。  
 うれしくなって、出てきてくれるはず!

 出てきたら、いっしょに歌おうねって言うんだ。  
 耳がぴょんってなるかもしれないよ。  
 しっぽもふってくれるかも。  
 手を繋いで踊りたいなぁ。  
 ぼく、楽しみでしっぽが止まらない!

「こんにちはー!王さまだよー」

 ぼくは門の前でねずみさんたちに叫んだ。

 そして、門の前で、音楽隊はならんだ。  
 しっぽをピンと立てて、さぁみんな!  
 足をそろえて、いち、に、さん!

 ぼくの声に合わせて、みんなで演奏した。  
 太鼓をどんどん、笛をぴーぴー、鈴をしゃんしゃん。  
 ぼくは高い声で、歌ったよ。  
 リズムに合わせてぴょんぴょん揺れた。 
 
 「さぁねずみさんたち!出てきて遊ぼう!」  
🐾

 音楽隊の音は、門の奥まで響いた。  
 太鼓の振動が地面を揺らし、笛の音が風のように穴の奥へ入りこんだ。  
 鈴の音は、壁に反射してきらきらと跳ねた。

 けれど、ねずみたちは出てこなかった。  

 音が鳴るたびに、耳をふさぐ姿が見えた。  
 目をぎゅっと閉じて、しっぽを巻き込むようにして身をちぢめていた。  

 小さな体を寄せ合い、奥へと身を引いていった。  
 音のない場所を探して、さらに深くもぐっていった。  
 穴の奥では、音の届かない静けさを求めて、ねずみたちがじっと動かずにいた。

 王さまの高い声は、ねずみたちには鋭すぎた。  
 太鼓の音は、ねずみの国の床を震わせた。  
 笛の音は、静かな空気をかきまぜた。

 演奏が終わると、王さまはしばらくそのまま立ちつくしていた。  

 しっぽは揺れず、足も動かなかった。  
 音のあと、しばらく風だけが吹いていた。  
 
 音楽隊の子たちは、しっぽを静かに下ろした。  
 誰も声を出さず、王さまの背中を見つめていた。  

🐾
 うまくいかなかったなぁ。  
 音が小さかったのかな。  
 うーんて考えてもわからないや。  
 まぁ、いいや!  
 次はもっとすごいことをしたいな! 
🐾
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