私が拾ったのは子猫なんですけど!そして私は男じゃない!

わらいしなみだし

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仕事が手につかない!

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 閉店になっても美樹ちゃんは起きることはなく、私と渡辺さんは困り果てていた。
 二人とも美樹ちゃんの住んでいる場所は知らなかったし、このまま放置する訳にもいかない。

 会計を渡辺さんが済ませて美樹ちゃんを鞄を持ちつつ肩に担いでいる……というかちょっと引き摺ってるんだけど……?

 動かない人って重いっていうもんね。美樹ちゃん女性の中では痩せてる方だし軽そうなんだけど。

「星野のところに長谷部を泊めてあげられるか?」

 渡辺さんは申し訳なさそうに私に提案する。布団……一組しかないけれどもうすぐ七月だしそんなに寒くはないかな?
 そんなことを思案して私は美樹ちゃんを家に受け入れることにした。
 したんだけど、さすがに酔っぱらった美樹ちゃんを連れて帰れない。
 
 千鳥足どころか寝てるんだもん……。

「俺、タクシー捕まえるから。一緒に星野のところ行くわ。俺が長谷部を運ぶし……いつもならあんな無茶呑みしない奴なのに、どうしたんだろうな……」

 最後の方はブツブツと呟くような言葉をいいながら器用にスマホを取り出してなにかを操作していた。
 
 五分もせずにタクシーが到着したので運転手に前の席を開けてもらって私はそこへ座り渡辺さんは後部座席に美樹ちゃんを乗せてから自分も乗り込んだのでした。



 私が住んでいるマンションへ到着。
 タクシー代を払おうとしたら渡辺さんに止められた。
 渡辺さんに美樹ちゃんの鞄を頼まれ私は自分の鞄と美樹ちゃんの鞄を持ってタクシーを降りた。
 渡辺さんはタクシー代を払って自分の鞄と一緒に美樹ちゃんを引き摺り下ろしてタクシーから出た。
 掛け声を出して美樹ちゃんを肩に担いだ渡辺さんは(今度こそ引き摺ることなく、ちゃんと担いでいました!)私が住んでいる所まで美樹ちゃんを運んでくれました。

 エレベーターに乗って二階のボタンを押すと怪訝そうな声が返ってきた。

「星野って二階に住んでいるのか?」
「ええ……そうですけど、なにか?」
「物騒じゃないのか?二階ってその、侵入されやすいんじゃないのかよ……」

 あ、やっぱり?

 エレベーターが到着したので私が最初に降りてエレベーターのドアを閉まらないように押さえたけど、時間がかかることなく渡辺さんは美樹ちゃんを担いだ状態でさっさと降りてくれた。

「私もそう思ったんですけどね。今のところ……大丈夫ですよ。お隣さんも女性で独り暮らしのOLさんですし」

「そうか?」 

 口調がなんだか信じてないような?

 そんなことを言いながら部屋の前まで来たので鞄からキーを取り出してすぐに開錠して玄関を開けた。

「すみませんが美樹ちゃんを連れて入ってくれますか?」

「悪いな……独り暮らしなのに男を家に入れることになって……」

「ま、これは不可抗力ですから……大丈夫ですよ。私、渡辺さんは信用してますので」

 私は笑顔で渡辺さんに言い切った。
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