☆あ・み・だ・ん☆

わらいしなみだし

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『編み物男子部』?ができるまで。

166 楽しい日曜日 8

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 そんなことを思いながらふと「俺の家ではいつもそう」という言葉が胸に引っ掛かった。神崎川って……兄弟いたのかな?そういえば神崎川の家のことは何も知らない。 
 小学二年の時に神崎川の家に行ったきりだ。とても格好よくて逞しいお父さんがいたのは覚えてるけど。
 知らない神崎川が見えるようでチクリとした。
 これって……独占欲、なのかな?

「神崎川って……兄弟いた?」

「いや、一人っ子だ」

「じゃあ、どうして大勢で集まって食べる時はいつもそうみたいなことを言うの?」

「ああ、親父の仕事仲間が大勢集まってよく食事をするんだ。俺の家ではな」

 何とも思ってないような言葉で淡々と答える神崎川。

 そっかぁ……そういうことなんだ。俺は心のモヤモヤがなくなってストンと落ち着いた気持ちになった。

「で、何から切る?筍は大丈夫か?」

「えっと……ちょっと待って」

 俺は冷蔵庫に貼ってあるキツネ型のマグネット式のアラームの数字をチェックした。まだ二十分以上余裕はある。さっき竹串チェックしたけど未だだったし……。

「うん、問題ないよ。アラームも鳴るし。ちょっと待って」

 俺はタッパーを三個棚から取り出し、蓋を開けてまな板の上に並べて置いた。
 玉ねぎ用、キャベツ用、人参ピーマン用の三つだ。

「まずはキャベツからでいいかな?」

「ああ、四枚ぐらいでいいんじゃね?切り込みだけ入れてくれたら俺が四枚取ってやるから」

「うん、ありがとう!」

 俺はキャベツを手渡され、キャベツを裏返して切り込みを四ヶ所入れた。 
 何度も手渡されてる神崎川とのやり取りに俺は幸せを感じていた。

 この幸せは……俺だけのもの。

 そう思えることがこの上なく俺の喜びで、そんな中ふと智さんを思い出していた。
 智さんとのことでいろんなことがあった。
 みんなが俺に同情したのか、優しく接してくれた。
 じょうちゃんがこんなにも側にいてくれている……。
 これ以上の幸せなんて……求めないよ。
 今はこれで十分だ。本当にそう、思えるんだ。

 玉砕するまでは……側にいてもいいよね?



 ありがとう、智……。

 やっぱりあなたが……智さんがくれた幸せなのだと……。




  
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