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『編み物男子部』?ができるまで。
194 一人の部活を終えて…… 1
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俺は一人だけの部活を終え、いつものようにサッカー部がいるグラウンドへ向かった。
今日は少しだけ特別なんだ。
鞄の中にはいつものようにはちみつ漬けレモンが入っているタッパーが其々の袋の中にある。
いつもの袋の中にははちみつ漬けレモンのタッパーだけ。
もうひとつの袋の中にはスポーツタオルとなかなか返ってこなかった俺の水筒とはちみつ漬けレモンのタッパー、じょうちゃんに渡す袋だ。
気がつかなくていい。
俺の想いが込められている袋だってことは……
俺がグラウンドの脇に到着した時にいつもの智さんのファンがいて、少し離れた場所で会釈する。
彼女たちも俺に気遣って挨拶はしてくれるけど側には寄ってこない。
これくらいの距離で仲良くしてくれるのなら、俺だってありがたいのだ。
智さんがいつものように俺にウインクしながら待っててと合図を送り彼女たちファンのもとへ。
いつものように誰か一人の耳元になにかを囁きかけてその彼女は嬉しそうにする。まわりは羨ましそうにしながらもあたたかくその行為を迎えているし……
本当に不思議な光景である。
俺はそれをずっと見ていたら頭をポコンとチョップで軽く叩かれた。見上げるとそこには神崎川がいた。
「あ、ごめん。智さんの方を見ていた……」
俺は言い訳がましく目線をまた智さんに戻してから言葉を続けた。
「あの人、変わらないね……」
「いや、そんなことねーから」
「え?」
俺はその言葉に驚きはしたものの、鞄の中から新しい袋を取り出してその中に入っている水筒を渡した。
「はい、やっと返ってきた水筒だけど?」
俺は嫌みっぽくなかなか返ってこなかった水筒の件を持ち出した。
「どうしてこれだけ返ってこなかったの?」
「忘れてただけだって……」
何事もなかったかのように平然と答える。
怪しくはないんだけど……水筒だけ……それも俺の水筒だけ忘れるって変じゃない?もう一つの水筒、颯汰のは戻ってきていたのに……。
じょうちゃんが同じ形で色違いなだけの水筒なのに、どれが俺のなのか知っている訳もなく……
やっぱり偶然、俺の水筒をただ単に忘れていたのかな?
今日は少しだけ特別なんだ。
鞄の中にはいつものようにはちみつ漬けレモンが入っているタッパーが其々の袋の中にある。
いつもの袋の中にははちみつ漬けレモンのタッパーだけ。
もうひとつの袋の中にはスポーツタオルとなかなか返ってこなかった俺の水筒とはちみつ漬けレモンのタッパー、じょうちゃんに渡す袋だ。
気がつかなくていい。
俺の想いが込められている袋だってことは……
俺がグラウンドの脇に到着した時にいつもの智さんのファンがいて、少し離れた場所で会釈する。
彼女たちも俺に気遣って挨拶はしてくれるけど側には寄ってこない。
これくらいの距離で仲良くしてくれるのなら、俺だってありがたいのだ。
智さんがいつものように俺にウインクしながら待っててと合図を送り彼女たちファンのもとへ。
いつものように誰か一人の耳元になにかを囁きかけてその彼女は嬉しそうにする。まわりは羨ましそうにしながらもあたたかくその行為を迎えているし……
本当に不思議な光景である。
俺はそれをずっと見ていたら頭をポコンとチョップで軽く叩かれた。見上げるとそこには神崎川がいた。
「あ、ごめん。智さんの方を見ていた……」
俺は言い訳がましく目線をまた智さんに戻してから言葉を続けた。
「あの人、変わらないね……」
「いや、そんなことねーから」
「え?」
俺はその言葉に驚きはしたものの、鞄の中から新しい袋を取り出してその中に入っている水筒を渡した。
「はい、やっと返ってきた水筒だけど?」
俺は嫌みっぽくなかなか返ってこなかった水筒の件を持ち出した。
「どうしてこれだけ返ってこなかったの?」
「忘れてただけだって……」
何事もなかったかのように平然と答える。
怪しくはないんだけど……水筒だけ……それも俺の水筒だけ忘れるって変じゃない?もう一つの水筒、颯汰のは戻ってきていたのに……。
じょうちゃんが同じ形で色違いなだけの水筒なのに、どれが俺のなのか知っている訳もなく……
やっぱり偶然、俺の水筒をただ単に忘れていたのかな?
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