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幕間1ー2

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  舞台袖に戻った俺は那智の姿に目を見張った。

「正兄、俺が動きまくってもしっかり俺の腰を掴んでくれよ。で、俺様に今日こそ犯されなよ」

 強がりでも嘯くでもない。
 那智ならやりかねないのだ。

 衣装がそういっているのだ。

 先程着ていた衣装……着物は藍色から水色にグラデーションになりながら波が暴れ狂っている『藍の愛・青海波』だった。

 今の衣装は……薄桃に藤の花を咲かせた着物である。

『藤に魅せられ紫の君』
 
 この着物を着てるということは……

「舞うから覚悟しろ」

 という俺への挑戦状といってもいい。

 舞台ではからだを魅せ隠しつつ、からだを慣らす行為を魅せる。

 そしてイカせるのが俺の役目だ。

 だから俺主体で舞台をはじめる。
 演舞するのがどの舞台子でも魅せるのは俺なのだ。

 那智だとそうはいかないが……

 それでもこの衣装の場合は特別なのである。

 騎乗位……

 本日の〆は暗黙で決まったのだった。

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