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幕間1ー3 終了
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そう思っていた俺に那智が不吉な笑顔を魅せる。
「正兄、正兄に乗るっていっても、アレの方だからな……勘違いすんなよ。ところで……」
あの衣装の時、俺に乗るという事。
後ろからしないってことだからそれなりの配慮が必要だから事前に決めていた合図のようなものであった筈なのだが……
俺は騎乗位だと判断したのだがどうやら違うようだ。
俺はどの体位かを思案していたが話はそこで終わらなかったようだ。
「伊久は時間までに戻ってこれるのか?」
目が厳しく俺を睨んでいる那智はこのあとの事態を気にしてくれているようだった。
「かなり熱があるから……無理だろうな」
伊久の苦しそうな顔を思い出しながら俺は那智に答えた。
「チェッ……やっぱりそうか。正兄が無理なことさせるからだろ……」
「ああ……そうだな……」
「俺も後始末被ってやるから、俺二回正兄も二回……出せよ……」
それって……肌襦袢をお前と俺で2枚ってことか?
「いいのか?」
俺は確認した。
那智がするのは……滅多にないことだ。
舞台子でもオオトリ、遊郭で云えば那智は大夫の格なのだ。
「ああ?俺がそう言ってるんだから、おとなしくヤられろ、正兄」
……荒れる
那智は那智で舞台後の事がわかっているのだ。
オオトリの那智はそれを出来るだけ抑えようと画策してくれたのだろう。
「さぁ、正兄……覚悟しろよな!」
凛とした姿勢をみせ、独りで舞台に上がっていく。
ひときわ大きな歓声を浴びているのを幕袖で心地よく聞く。
歩く姿は気高さが溢れている。
那智の強さを見せつけられているようであった。
次の統括に相応しい……さすが那智だな。
そろそろ俺の引き際も考えないといけないようだな……
俺は那智が舞台に上がるのを熱い眼差しで見つめるのだった。
「正兄、正兄に乗るっていっても、アレの方だからな……勘違いすんなよ。ところで……」
あの衣装の時、俺に乗るという事。
後ろからしないってことだからそれなりの配慮が必要だから事前に決めていた合図のようなものであった筈なのだが……
俺は騎乗位だと判断したのだがどうやら違うようだ。
俺はどの体位かを思案していたが話はそこで終わらなかったようだ。
「伊久は時間までに戻ってこれるのか?」
目が厳しく俺を睨んでいる那智はこのあとの事態を気にしてくれているようだった。
「かなり熱があるから……無理だろうな」
伊久の苦しそうな顔を思い出しながら俺は那智に答えた。
「チェッ……やっぱりそうか。正兄が無理なことさせるからだろ……」
「ああ……そうだな……」
「俺も後始末被ってやるから、俺二回正兄も二回……出せよ……」
それって……肌襦袢をお前と俺で2枚ってことか?
「いいのか?」
俺は確認した。
那智がするのは……滅多にないことだ。
舞台子でもオオトリ、遊郭で云えば那智は大夫の格なのだ。
「ああ?俺がそう言ってるんだから、おとなしくヤられろ、正兄」
……荒れる
那智は那智で舞台後の事がわかっているのだ。
オオトリの那智はそれを出来るだけ抑えようと画策してくれたのだろう。
「さぁ、正兄……覚悟しろよな!」
凛とした姿勢をみせ、独りで舞台に上がっていく。
ひときわ大きな歓声を浴びているのを幕袖で心地よく聞く。
歩く姿は気高さが溢れている。
那智の強さを見せつけられているようであった。
次の統括に相応しい……さすが那智だな。
そろそろ俺の引き際も考えないといけないようだな……
俺は那智が舞台に上がるのを熱い眼差しで見つめるのだった。
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