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舞台2ー15
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快楽からはほど遠い、妬みと所有を表現するかのような噛みつき方であった。
男はその状態で舌先を平らにしてピンポイントで乳首の先端を上下に舐めねぶっている。
この痛みならかなりの歯形がついているだろう……
激痛の中少しばかり朦朧としつつもそう那智は思った。
その日の自分の肌はその日に指名したお客様……旦那様のものだと誰よりも自負している那智にとって、この屈辱的な痛みと見えない歯形に熱烈的な憎悪と不快を身体中で痺らせていた。
屈するものか!
常連の客、このカウントダウンを知っている客達はそんな無体なことはしない。見るだけでいつかはと望みを持つ客達は那智を舞台に立つ那智を凌辱することはしない。
見世物小屋であるが、舞台子をそのような見世物にすることを望んではいないのだ。
あくまでも艶っぽく興奮させられるような姿態を楽しみたいのであって、痛みで悶え辱しめられるのを見たいとは思っていないのである。
だから客達のカウントダウンは先程より大きく、その掛け声には怒気をはらんでいたし少しばかり早目だと思われた。
「五ー!四ー!」
カウントはあと少しになった。
男はその状態で舌先を平らにしてピンポイントで乳首の先端を上下に舐めねぶっている。
この痛みならかなりの歯形がついているだろう……
激痛の中少しばかり朦朧としつつもそう那智は思った。
その日の自分の肌はその日に指名したお客様……旦那様のものだと誰よりも自負している那智にとって、この屈辱的な痛みと見えない歯形に熱烈的な憎悪と不快を身体中で痺らせていた。
屈するものか!
常連の客、このカウントダウンを知っている客達はそんな無体なことはしない。見るだけでいつかはと望みを持つ客達は那智を舞台に立つ那智を凌辱することはしない。
見世物小屋であるが、舞台子をそのような見世物にすることを望んではいないのだ。
あくまでも艶っぽく興奮させられるような姿態を楽しみたいのであって、痛みで悶え辱しめられるのを見たいとは思っていないのである。
だから客達のカウントダウンは先程より大きく、その掛け声には怒気をはらんでいたし少しばかり早目だと思われた。
「五ー!四ー!」
カウントはあと少しになった。
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