カフェオレはありますか?:second

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 大丈夫じゃない。そんなのは見て解る。反抗期なんて、都合良く逃げる為の口実。愛に殺されかけた、か。きっと、それ絡みの何かが起きたんだろう。感情的な茜なら簡単に地雷を踏みそうだし。それに、未来が怒るくらいだから、かなり質が悪いやつだな。色々考える事は簡単に出来る。社交辞令の心配を装って、言葉を並べることも。それをしないのは、大事だから。ボタン一つの掛け違いが大きなシワになって、この関係が間違っていたと言われたら、立ち直れそうにない。失うかもしれないと、一瞬考えただけで世界が止まりそうだ。俺で力になれるならいくらでも手を差しのべる。でも、今日は駄目だ。俺が手を差しのべるのは、何かが違う。それも解ってしまうから、何もしない。これは、卑怯になるだろうか。そんな堂々巡りを、後何回すれば良いんだ。何もしない自分。それで良いと理由を付けて生きることは、楽で暇で死にそうな位に息苦しい。それは今の生き方のせいか、それとも、目の前の予想していない光景のせいか。
「食わねぇの?」
「食うけど」
 何でこうなったんだっけ。目の前には見慣れない店のバウムクーヘン。大和の家で初めて見る物ばかりに囲まれた俺は、ソファーの上で胡座を組んで息を吐く。荷造りはしてあるから焦る必要はないけど、今の状況には頭を抱える。バウムクーヘンを食べたいか、と聞かれて、食べたい、と言った。で、ここに連れてこられた訳だが、あまりにもホイホイと物事が進み過ぎてる。てか、携帯に気を取られ過ぎてて、帰り道が違うことすら気付かなかった。
「まさかと思うけど、これ目的?」
 テーブルを挟んで目の前のソファーに座る大和を見た俺は、バウムクーヘンを左手の人差し指で指差して聞いた。大和は楽しそうに笑って、ハズレ、と、言いながらバウムクーヘンをフォークで切り始める。甘いのは苦手だけど食べてみたい、といった好奇心で俺を呼んだ訳では無いらしい。
「ほれ」
 腕を組んで考える俺に、フォークで刺したバウムクーヘンを差し出してきた。薫と光臣としょっちゅう食べさせあってる俺は、違和感無くバウムクーヘンを口に含む。
「マジか」
「?」
 自分から食わせといて、何で驚いた顔をされないといけないんだ。
「全部食わしてやろうか?」
「そこまでガキじゃねぇ」
 つーか、何でそんなに楽しそうなんだよ。課題が解らないってのは無いだろうし。解らない時点でへらへらしてる余裕はないか。いや、へらへらはしそうだな。はぁ、全然思い浮かばねぇ。
「悩むねぇ」
「壊してほしいもんが出来たとか?」
「今はねぇよ(しょっちゅう壊されてたまるか)」
「無いのか」
 少し期待しただけに落ち込みが大きい。バウムクーヘンを一口食べて再度考える。勉強も違う。食べ物も違う。後は何だ。
「金持ち自慢?」
「んだそれ?スゲーつまんなそう」
 つまらないのか。じゃあ違うな。つーか、庶民の俺と株で儲けた大和との感覚が同じだったら、それはそれで嫌だ。
「また面倒事抱えて、しばらく喧嘩するなとか?」
「頻繁にはしてほしくねぇな。面倒事はあらたか終わった」
 今更だけど、どうやって終らせてんだろう。
「頻繁に面倒事貰ってんの誰だよ」
「最近は大人しくしてんだぜ」
「どこがだ」
 あの一件が解決しても、今までの行いは根深く残ってて、今でも些細な喧嘩が絶えない。高校を卒業するまでの辛抱だ、と、自分に言い聞かせはしてるけど、それを節目に終わるなんて保証はどこにもないから面倒だ。今は一緒にいてどうにか対策出来る。でも、一人になったらどうだ?同じ様に戦えるか?同じ様に、生きれるか?老後も友達でいよう、何て口約束は嫌いだ。でも、その時は本当に叶うと思ってた。今も、そうあってくれたら、と思う。そう思う自分に息を吐く。
「降参か?」
 コーヒーを飲む大和には、きっと、今日まで何一つ罪はない。有るように見えたのは、俺の都合。あの人の都合と俺の都合はどうだったかな。思い出せない事の方が多いくせに、何で、まだこんなに好きなんだろう。こんな、中途半端な人間に、いつまでも付き合わせるのは、良くないよな。
「終わりにしないと」
 俺の言葉に、大和はコップを置いてゆっくり俺を見る。
「何を?」
 聞かれて、言葉にしていたんだと気付く。俺は膝を抱えて窓の外を見る。
「解んねぇ」
「んだそれ」
「何もかもが中途半端な気がしてさ」
「生きてんだから当然だろ。死ぬまではずっと現在進行形なんだからよ」
 不覚にも、大和の言葉が自分のギスギスした何かを宥めていく。大和に視線を向けると、視界が揺れた。
「揺れてる気がすんのは俺だけ?」
「いや、地震だな」
「大和と居ると問題事ばっかり」
 また大和に押し付けちまった。
「飽きねぇだろ」
「疲れるわっ!もー、地震は酔うから嫌いなのによー」
 愚痴を言ってるそばから酔い始めた俺は、盛大に溜め息を吐き出す。大和は酔いにくい体質なのか、平然と立ち上がってテレビをつけた。
「テレビちっさ」
「デカイのが良いんなら変えるか?」
「来る予定ねぇから」
 そんな高いもんホイホイ買ってんじゃねぇよ。
「予定は未定って知らねぇの?」
 知るか。
「震度三か。十階だから、もうしばらく揺れんぞ」
「こんな場所二度と来るか」
「地震で大袈裟だな。一階に引っ越すか……って顔色悪りぃな。酔ったか?」
「策ならある」
 俺は両耳を両手で塞いで目を閉じる。深呼吸して口を開く。
「つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて……」
 お経のように徒然草を声に出し始める俺に、大和は何かを言っている様だったけど、そんなことを気にしたら確実に酔うから、無視を決め込むのが一番。
「はは、マジか。可愛いな、おい」
 胃の中のバウムクーヘンが暴れ出さないように、ひたすら無心になって徒然草を唱え続けると、第三段にいったところで耳を塞いでいた手を強く引っ張られ、反射的に目を開けた。一人しか居ない犯人へ顔を向けると、目的の人物は思ったよりも近くに居て、あっさりと口を塞がれる。何事かと考える間にも、背中はソファーの背もたれに沈んでいく。
「止まったぞ」
 楽しそうに笑う大和に息を吐いて自分よりデカイ体を押し返す。
「他にマシな教え方を知らねぇのかよ」
「知らねぇな」
 最悪。一般教育を受け直せ。
「後は保険な」
「は?」
「俺とは終われねぇって事」
 やっぱりここには二度と来ねぇ。
「徒然草丸暗記してんのか?」
「してない」
 あの人が寝る前に読み聞かせてくるのが、徒然草だっただけ。実際は般若心境でも竹取物語でも何でも良い。それでも、徒然草を選ぶ俺は、本当に救いが無いと思い知らされる。
「雅の顔は最高に好きだぜ」
「精神病棟に隔離されてこい」
「真顔で言うんじゃねぇよ」
 わざとらしく盛大に溜め息を吐き出した大和は、俺の隣に座った。狭いだろうからと少し離れようとした俺を、大和は簡単にソファーに押し倒す。
「考えんな」
「は?」
「昔の男の事ばっかり考えてる雅の顔は気に入らねぇ」
「どんな顔だよ。あー、でも、最近薫に嫌な顔してるって言われるの増えたな」
「どんな会話してんだよ」
 改めて聞かれると困るな。
「日常会話……的な?」
「ははは、んだそれ」
「友達に嫌な顔って言われるのが日常なのは複雑だけど、他に思いつかねぇんだから仕方ないだろ」
「確かにな。で、連休の予定は?」
 何でそんな関係ない事を聞いてくるのか解らなくて眉をしかめると、大和はあっさりと俺を解放してソファーに座り直す。最近の大和は変だ。変、というか、ウザイ。今まで素っ気なかった反応が嘘みたいに、ベタベタしてくる様になった。いつからだったかは興味がないから覚えてないけど、皆が居ないところでも恋人ごっこをしてくる。気のせいか学校での遭遇率が上がってる気もするし。まぁ、薫と千秋が待ち合わせをしてるから、ついでってのもあるだろうけど、それでも多い。おかげで薫以外の交遊関係が疎かになってる、というか、あまり話し掛けられなくなった気もする。それに比例して告白される事が無くなったのは楽だけど、このまま卒業というには寂しい。友達に囲まれてないと嫌だってわけじゃないから良いけど、中学時代の賑やかさを懐かしく思わないと言えば、それは嘘だ。部活に入れば自然と関わりある人間は増えるけど、バイトや自分の時間が減る事を考えるとそれも避けたい。自分の面倒な部分や矛盾の多さに嫌気がする。
「言わなーい。寛大なんだろ。黙って一人で連休過ごしてろよ」
「(軽々しく寛大なんて言うもんじゃねぇな)まぁ、良いわ。これはどうにかしろよ」
 そう言って、大和はバウムクーヘンを顎で指す。残すなんて有り得ないっての。俺はフォークを持ってバウムクーヘンをひときれ口に含む。うん、美味い。
「バウムクーヘンで有名ってわけじゃねぇから、不味かったらどうしようか悩んだんだけどな」
「不味いもんは売らねぇだろ」
「味覚が合わなかったら不味いになんだろ。バウムクーヘン以外に好きなやつあんの?」
 今まで聞いてきたことのない質問だな。俺は大和に興味がない。でも大和は違う。それが嫌だ。恋人ごっこ、とは、互いに恋愛感情は無くても利益が有ると判断したからこそやれる事。大和は、それから大きく外れようとしている。いつか言っていた、本物、とやらになるつもりなんだろうか。俺はそんなものなりたくないのに。俺を無視して一方的に進む時間が憎らしい。
「ラーメンは味噌派」
「へぇー。塩か豚骨だと思ってた」
「それ、薫な」
「薫は何でも食いそうだけど」
 いや、確か空豆は食べないはず。
「雅は?」
「ない、と、思う」
「中途半端な答え方すんなよ」
「バウムクーヘンが好きってのも亜鶴あずが言わなきゃ気付かなかったし」
「あず?」
 自分で掘った墓穴に頭を抱えた。深入りしてほしくないのに、そうさせようとする発言をしてどうすんだ。
「中学時代の恋人。何人か居たのは知ってんだろ」
「まぁな。で、何人目?五対二だったよな?俺を抜いて」
 余計な事ばっかり覚えが良くて困ったもんだ。
「いちいち聞くなよ面倒だろ。えーっと、優子ゆうこの次だから」
 溜め息混じりに言ってからバウムクーヘンを一口食べて、亜鶴が何人目かを指で伝える。
「男?」
「それが何だよ」
「別に、嫉妬してるだけ」
「うわー、引くー」
「悲しい反応だな、おい」
 好きなものをくれる。触って、キスして、優しく甘やかす。それは俺を好きだから。そんな事くらい解ってる。でも、俺の気持ちは大和に向こうともしない。向いて欲しいかどうかも解らない。昔はあっさりと受け入れてた告白も、今は断るようになった。あの人が好きだからだけじゃない。好きの責任が大きいと知ったから。苦しみが強く残ると知ったからだ。それを無責任に受け取ったり背負ったりする覚悟が俺にはない。それだけの話。
「だからさ」
 大和の左手が俺の顎を掴んで、無理矢理顔を向かい合わせる。
「その顔が、嫌なんだわ」
「あ?」
 薫といい、大和といい、嫌いだとばかり言ってくるだけで、俺にどうしろとは言ってこない。それがすごい疲れるとも知らずに、毎回毎回懲りもせず。
「よく解んねぇけど、嫌なら見なきゃ良いだろ」
「それが出来ねぇんだよ」
 つくづく面倒だ。大和の手を退けて、溜まるストレスに息を吐く。
「何か壊すのないか?」
「(色々押し付けすぎたか)いっそ、俺でも壊すか?」
「興味無い。生き物壊す気ねぇし。ストレス溜めるなら壊す物も用意しとけよ。気が利かねぇな」
 代えがきかないものは、壊さない。昔からの俺の中での決め事。
「次から心掛けとく」
 大和の携帯が着信を告げて、穏やかな表情には嫌気が浮かぶ。俺が出るように言うと、携帯を手にとって溜め息を吐き出す。面倒な相手からだろうか。携帯を片手に立ち上がって隣の部屋に行く姿を視界の端に捉えながら、フォークをバウムクーヘンを刺す。隣の部屋から茜の名前を口にする大和の声が聞こえて、幸慈の様子を思い出した。大和の言った通り茜が何かをやらかしたらしい。やっぱり後で未来に連絡しよう。ボランティアとは言え、せっかくの連休だ。楽しかった、と、言ってもらえる時間にしたい。戻ってきた大和の表情には面倒事が起きた、と、書いてあるのが一目見て解るくらいの顔をしていた。俺は最後のバウムクーヘンを口に含んでフォークを置く。
「巻き込まれる前に帰る」
「帰ってくんの待ってても良いぜ」
「絶対に待たねぇ」
 そう言うと、大和は肩をすくめてフォークとバウムクーヘンの箱を片し始める。茜の束縛が異常なのは聞いただけで想像はつく。大和が呼び出されるのは戦力を確実に確保したい時だ。それくらい今回の事は問題視されてるって事か。荒れなきゃ良いけど。もう荒れた後だったりして。席を立って制服を整えて鞄を持つと、大和が下まで送ると言い出した。俺はそれを断って玄関へ向かう。靴を履いて玄関を出た俺の後ろには、当然のように大和が居た。エレベーターのボタンを押して、上がってくるのを待つ。
「一日も俺にくれねぇわけ?」
「しつけぇなぁ」
 振り返って睨むと、不満そうな顔と目が合う。最近、大和はよくこの表情をするようになった。皆の前では、あまりしないせいか、ちょっとした変化でも解りやすい。そう思ってるのは俺だけかもな。俺にしか見せていなかったらの話だけど。
「諦めが肝心って知らねぇのかよ」
「雅からキスしてくれたら諦めてやる」
 心底面倒だ。大和は絶対に俺がしないと解ってて言っている。それが気に入らない。全てを見透かしているような余裕を壊したくなる。大和の胸ぐらを右手で掴んで近くまで引き寄せても身長が足りなくて、俺からするには少し背伸びをしないといけないのもムカつく。触れたのは三秒。一瞬や一秒だと、後になってから、してないと言われる気がしたからだ。
「これで文句無しな」
 背中にエレベーターの到着音がして、大和に背を向ける。エレベーターに乗り込んでボタンを押す。閉まり始めたドアの向こうに立つ大和は、しつこく何かを言ってくるだろうと思ったけど、そんなことなく大人しく立っていた。自分で言った通り諦めたらしい。
「では、楽しいG・Wをお過ごし下さい」
 ひらひらと手を振って、社交辞令の言葉を口にした俺を乗せたエレベーターは、ゆっくり下へと動き出す。やっと面倒事から解放されたと思った途端、盛大な溜め息が口から出た。売られた喧嘩を買うみたいにキスをした自分に頭を抱える。嫌いじゃない。好きでもない。ただ、解放してほしかった。下らない時間と片付けるには少し違う。でも、楽しいとも違う時間。それが息苦しくて仕方がなかった。あの人と一緒にいた時間は楽しくて、幸せで、息苦しいとは違う感覚だったのを思い出す。右手を心臓の上に置いて、エレベーターに備え付けられている鏡を見る。嫌いな顔、か。全然解んねぇよ。なぁ、先生、俺の心臓は、いつになったら止まってくれんのかな。そうしたら、今度こそ、奪いに行くのに。本当、どうしようもない。こんな事を考える俺の顔は、誰よりも醜いのだと、鏡が教えてくる。好きも嫌いもない。俺は、鏡に映る顔が一番嫌いだ。
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