11 / 35
第1章~無能な勇者~
第3話Part.4~討伐の報酬~
しおりを挟む
【カニー=この世界の通貨】
俺はイングジャミの巨体を引きずり歩く。格好をつけてダーシャをヤツらに残したまま去ったことを少し後悔した。だが今更やっぱり重いから返してと言いに行くのはあまりに格好悪いし、それにヤツが目を覚ましていたらまた絡まれそうなのでどちらにせよ行く気にはならない。
ダーシャ無しでこれほどの大きさの死骸を運ぶのは初めてで俺は汗だくになる。だがそれでも必死に引っ張り続けているとロデードの町が見えてきた。まだ近い場所だったのは不幸中の幸いといったところか。
やっと町の入り口に到着した俺は門の前に居る守衛にイングジャミを討伐したことを告げる。これは町の中に死骸とはいえ魔物を入れると住民が驚いてしまうため、門を見張っている守衛に伝えるよう定められているからだ。
守衛は「少々お待ちください。」と言って詰所に入る。詰所から別の者が出て行きおそらくギルドへ報告に行くのだろう。
その間俺たちは守衛と雑談しつつギルドの職員が来るまで待つことになった。
「おお、これはまさにイングジャミ。ブレイド殿、ベルナール殿、ご苦労様です。」
ギルドの職員がイングジャミの死骸の見聞を行い、これがイングジャミであることを認めると、俺たちは町の中に入り、そしてギルドまで連れていかれる。ミリアの方が足を怪我してしまっているのでわざわざ馬車を連れてきてくれていたようだ。
ギルドがある建物の中に入ると既に回復術師が待機していた。その回復術師にミリアを任せて俺はギルドの受付へ行く。
「ブレイド様、イングジャミの討伐、ありがとうございます。」
「いえ。たまたま遭遇してしまったためやむなく討伐したというだけのことなので。」
頭を下げて礼を言う受付嬢。まあ俺も討伐するつもりではなかったのだが成り行き上そうなってしまっただけなので少し苦笑いする。そして足が治ったミリアもやってきた。
「あっそうだ、ブレイド様は素材採集のお仕事も受注してましたね。集まりましたか?」
「あ……。」
受付嬢に元々受注していた仕事である素材採集の仕事は終わったかと尋ねられた。一応終わってはいたが、ミリアの足の痛みを和らげるためにその素材を使用してしまったため、求められた量に足りていない。
「い、いやすみません……。まだです。」
「そうですか……。なるべく早く終わらせてくださいね。」
「え?ブレイドさん、もしかしてあの薬……。」
「気にするな。草はまた毟ればいい。」
俺はその仕事はまだであることを謝った。期限まではまだ時間があるので、特に問題にはならなかった。そしてミリアは俺の使った薬草がそれであることに気づいたようで申し訳なさそうな顔をしているが、気にしなくていいと答えた。
「今回の報酬の20万カニーです。お受け取りください。」
受付嬢はそう言って1万カニー金貨20枚を出してきた。俺とミリアで半々で俺は10万カニーの報酬を得ることになるわけだが、これで宿にも泊まれるし旅に必要な道具もしっかり揃える事ができる。
俺はそれをありがたく受け取ろうとした。その時
「ちょっと待てやコラァァァァァッ!」
ギルドの入り口から怒鳴り声が聞こえてきた。
俺はイングジャミの巨体を引きずり歩く。格好をつけてダーシャをヤツらに残したまま去ったことを少し後悔した。だが今更やっぱり重いから返してと言いに行くのはあまりに格好悪いし、それにヤツが目を覚ましていたらまた絡まれそうなのでどちらにせよ行く気にはならない。
ダーシャ無しでこれほどの大きさの死骸を運ぶのは初めてで俺は汗だくになる。だがそれでも必死に引っ張り続けているとロデードの町が見えてきた。まだ近い場所だったのは不幸中の幸いといったところか。
やっと町の入り口に到着した俺は門の前に居る守衛にイングジャミを討伐したことを告げる。これは町の中に死骸とはいえ魔物を入れると住民が驚いてしまうため、門を見張っている守衛に伝えるよう定められているからだ。
守衛は「少々お待ちください。」と言って詰所に入る。詰所から別の者が出て行きおそらくギルドへ報告に行くのだろう。
その間俺たちは守衛と雑談しつつギルドの職員が来るまで待つことになった。
「おお、これはまさにイングジャミ。ブレイド殿、ベルナール殿、ご苦労様です。」
ギルドの職員がイングジャミの死骸の見聞を行い、これがイングジャミであることを認めると、俺たちは町の中に入り、そしてギルドまで連れていかれる。ミリアの方が足を怪我してしまっているのでわざわざ馬車を連れてきてくれていたようだ。
ギルドがある建物の中に入ると既に回復術師が待機していた。その回復術師にミリアを任せて俺はギルドの受付へ行く。
「ブレイド様、イングジャミの討伐、ありがとうございます。」
「いえ。たまたま遭遇してしまったためやむなく討伐したというだけのことなので。」
頭を下げて礼を言う受付嬢。まあ俺も討伐するつもりではなかったのだが成り行き上そうなってしまっただけなので少し苦笑いする。そして足が治ったミリアもやってきた。
「あっそうだ、ブレイド様は素材採集のお仕事も受注してましたね。集まりましたか?」
「あ……。」
受付嬢に元々受注していた仕事である素材採集の仕事は終わったかと尋ねられた。一応終わってはいたが、ミリアの足の痛みを和らげるためにその素材を使用してしまったため、求められた量に足りていない。
「い、いやすみません……。まだです。」
「そうですか……。なるべく早く終わらせてくださいね。」
「え?ブレイドさん、もしかしてあの薬……。」
「気にするな。草はまた毟ればいい。」
俺はその仕事はまだであることを謝った。期限まではまだ時間があるので、特に問題にはならなかった。そしてミリアは俺の使った薬草がそれであることに気づいたようで申し訳なさそうな顔をしているが、気にしなくていいと答えた。
「今回の報酬の20万カニーです。お受け取りください。」
受付嬢はそう言って1万カニー金貨20枚を出してきた。俺とミリアで半々で俺は10万カニーの報酬を得ることになるわけだが、これで宿にも泊まれるし旅に必要な道具もしっかり揃える事ができる。
俺はそれをありがたく受け取ろうとした。その時
「ちょっと待てやコラァァァァァッ!」
ギルドの入り口から怒鳴り声が聞こえてきた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる