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第3話Part.3~手駒~
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俺はさっき男を拉致した地点にテレポートした。誰か1人でも生きていれば俺の持つスキルの力でソイツを利用することができる。
俺はさっきの場所に降り立ち様子を窺う。思惑通り奴等は同士討ちを行い生き残りは1人だけだ。だが奴も怪我を追って動けないらしい。奴のスキルはもう俺が既に持っている引き寄せのスキル。俺は奴の背後にテレポートして、腕に念には念を入れて麻痺毒を打ち込んでから男を連れてアイシスの元に戻った。
「この男……ッ!」
「何だ?知ってるのか?」
俺が男を連れて戻ると、アイシスは激しい憎悪を男に向けていた。どうやらこの廃棄の森で遭遇したことがあったようだ。そしてアイシスは男に本気の蹴りを見舞った。彼女のスキルも相まって肋骨が折れてしまったようだ。急な圧迫で息がつまり、ゲホゲホと咳き込み、腹を押さえながら悶絶する男。だがここで殺されてはたまらない。
「少し待て。ここで殺されたら連れてきた意味が無い。」
「でも……ッ!」
「もう少し、もう少し待って欲しい。」
俺はアイシスをやっとのことでなだめてから悶絶している男に寄って無理矢理座らせる。今は麻痺毒で動けず、明らかに自分に憎悪を向けるアイシス。男の側も彼女に憎悪を向けられる理由、そしてその大きさが分かっているのだろう。本当に殺されると感じて彼女を見る男の目には怯えの色が混じっている。そして彼女から目を逸らした男は冷ややかな目を向けている俺に助けを懇願するような目を向けはじめた。
「フンッ!」
「グワッ。」
「今、お前の身体に毒を打ち込んだ。じっくりと体内を巡ってじわじわとお前を殺す毒だ。」
「そ、そんな……た、助け、て。」
俺は男の身体に毒を打ち込んだ。すぐには死なないが放っておけば必ず死ぬように調節した毒を打ち込んだ。
もしかすると信じないかもという懸念はあったが、この男はあっさりと信じたようで必死に命乞いを始めた。男は涙を流して死にたくないと続けた。
「ああ、ただ殺すならもっと強い毒があるさ。だがお前に1つ頼みがあってなァ?」
「た、頼み?」
「研究所の地図を持ってきてほしいんだ。」
「ち、地図?」
「あぁ~あまり時間はねえんだ。早く行かねえと本当に死ぬぞ?」
「も、持ってきたら……?」
「あぁ、今の毒を中和してやるよ。」
俺はそんな涙を流している男にまるで友人にでも話しかけるように気さくで明るい雰囲気の声でお願いする。顔は満面の笑みだ。当然本気で楽しいわけじゃないのでどこか顔が引きつったりしているだろうが、俺の様子を見て更に震えが止まらなくなってしまったようだ。
男からすれば生きるためには俺の言うことを聞く他ない。逃げれば死、誰かに知らせても俺がどのような毒を打ったのか分かるまでに時間がかかるので間に合わずに死だ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!お、俺は動けねえんだ。」
「大丈夫だ。もうすぐ麻痺が解ける。麻痺が治った時、お前は動けるはずだ。」
俺は再びパーティーを同士討ちさせた地点に飛び、男を放置した。男は自身の怪我と俺に打ち込まれた麻痺毒で動けないと泣きごとを言った。だが麻痺毒は調整して俺がテレポートしてからしばらくして解ける様にしている。
そして奴に新たに打ち込んだ毒は自分の痛みを紛らわせる効果もあり、しばらくは歩くことができるはずで後はこの男次第といったところだ。
「じゃあ俺は行くからな。地図を持ってここに戻れ。」
「ちょっと待――。」
俺は男の泣き言を最後まで聞かずテレポーテーションでその場から姿を消した。
俺はさっきの場所に降り立ち様子を窺う。思惑通り奴等は同士討ちを行い生き残りは1人だけだ。だが奴も怪我を追って動けないらしい。奴のスキルはもう俺が既に持っている引き寄せのスキル。俺は奴の背後にテレポートして、腕に念には念を入れて麻痺毒を打ち込んでから男を連れてアイシスの元に戻った。
「この男……ッ!」
「何だ?知ってるのか?」
俺が男を連れて戻ると、アイシスは激しい憎悪を男に向けていた。どうやらこの廃棄の森で遭遇したことがあったようだ。そしてアイシスは男に本気の蹴りを見舞った。彼女のスキルも相まって肋骨が折れてしまったようだ。急な圧迫で息がつまり、ゲホゲホと咳き込み、腹を押さえながら悶絶する男。だがここで殺されてはたまらない。
「少し待て。ここで殺されたら連れてきた意味が無い。」
「でも……ッ!」
「もう少し、もう少し待って欲しい。」
俺はアイシスをやっとのことでなだめてから悶絶している男に寄って無理矢理座らせる。今は麻痺毒で動けず、明らかに自分に憎悪を向けるアイシス。男の側も彼女に憎悪を向けられる理由、そしてその大きさが分かっているのだろう。本当に殺されると感じて彼女を見る男の目には怯えの色が混じっている。そして彼女から目を逸らした男は冷ややかな目を向けている俺に助けを懇願するような目を向けはじめた。
「フンッ!」
「グワッ。」
「今、お前の身体に毒を打ち込んだ。じっくりと体内を巡ってじわじわとお前を殺す毒だ。」
「そ、そんな……た、助け、て。」
俺は男の身体に毒を打ち込んだ。すぐには死なないが放っておけば必ず死ぬように調節した毒を打ち込んだ。
もしかすると信じないかもという懸念はあったが、この男はあっさりと信じたようで必死に命乞いを始めた。男は涙を流して死にたくないと続けた。
「ああ、ただ殺すならもっと強い毒があるさ。だがお前に1つ頼みがあってなァ?」
「た、頼み?」
「研究所の地図を持ってきてほしいんだ。」
「ち、地図?」
「あぁ~あまり時間はねえんだ。早く行かねえと本当に死ぬぞ?」
「も、持ってきたら……?」
「あぁ、今の毒を中和してやるよ。」
俺はそんな涙を流している男にまるで友人にでも話しかけるように気さくで明るい雰囲気の声でお願いする。顔は満面の笑みだ。当然本気で楽しいわけじゃないのでどこか顔が引きつったりしているだろうが、俺の様子を見て更に震えが止まらなくなってしまったようだ。
男からすれば生きるためには俺の言うことを聞く他ない。逃げれば死、誰かに知らせても俺がどのような毒を打ったのか分かるまでに時間がかかるので間に合わずに死だ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!お、俺は動けねえんだ。」
「大丈夫だ。もうすぐ麻痺が解ける。麻痺が治った時、お前は動けるはずだ。」
俺は再びパーティーを同士討ちさせた地点に飛び、男を放置した。男は自身の怪我と俺に打ち込まれた麻痺毒で動けないと泣きごとを言った。だが麻痺毒は調整して俺がテレポートしてからしばらくして解ける様にしている。
そして奴に新たに打ち込んだ毒は自分の痛みを紛らわせる効果もあり、しばらくは歩くことができるはずで後はこの男次第といったところだ。
「じゃあ俺は行くからな。地図を持ってここに戻れ。」
「ちょっと待――。」
俺は男の泣き言を最後まで聞かずテレポーテーションでその場から姿を消した。
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