おっさん、黒の全身タイツで異世界に生きる。

しょぼん

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一章

第十三話「邂逅」

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〈三人称 視点〉


 勇者聖別式は終わり、少年少女たちは女中に案内される。

 時間が経つにつれ緊張も緩み、中央広場の見える廊下を歩く頃には、自然と会話がこぼれ始めていた。

「なんだか、大変なことになったな。勇者って――」
 悠斗ユウトは隣を歩いている少女。莉奈リナにいう。

「うんうん。莉奈もめっちゃ緊張しちゃった。
 悠斗も、珍しく緊張してたよねぇー」

 明るい笑顔。
 その返しのなかに、これからこの青年をどうやって冷やかしてやろうかと考えている、そんな意図が見え隠れする。


「でもね、悠斗くん、たのもしかったよっ。
 ずっと私の手、握っててくれたし……」

 握ってたというのだろうか。
 ずっと押し付けていた黒髪の少女。美優ミユが顔を赤くして悠斗を見つめた。

 莉奈は青年を冷やかし、戯れつこうとしていたのだが思わぬ伏兵に阻止されてしまう。
 先ほどまでの笑みが、今は引きつっていた。


 そして、それを嫉妬の目で見ている三人組の男子学生。
 彼らはそんな空気を壊し、悠斗たちの中に割り込んできた。

「莉奈ぁ、おめーいつから、こんな優等生とつるむようになったんだよー」

 チンピラの中でもリーダー格。
 金髪に髪を染めピアスをしている、いかにもな感じの男。健司ケンジが、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべている。

「健司くん、その子と知り合いなんだー。
 ヤベッ、超かわいいじゃん!」

 チンピラB、茶髪で長髪の翔真ショウマが興奮したように莉奈に近づく。

 その勢いに莉奈はたじろき、長いつけ爪を付けた手をぶんぶんと振りながら悠斗のそばへと逃げた。

藤城フジシロさん、俺が守ってあげるよ」
 チンピラC、三人の中でも一番肌が焼けて短髪の雅人マサトが美優に近づく。

 コチラも嫌そうな顔をし、長いストレートの髪をゆらしながらイヤイヤと頭を振って、悠斗のそばへと逃げた。



 険悪な空気が周囲に満ちる。


「な、なにか、落ちてきたぞぉぉぉぉぉ!
 衛兵! 衛兵はどこだぁぁ!!」

 大きな声が、自分たちの居るすぐそばの庭園から聞こえてきた。

 張りつめていた少年少女たちは、その突然の大きな声にビクッと身を震わす。
 険悪な空気は霧散し、周囲は動揺の空気に取って代わっていた。

「なに? なんかヤバくない?
 ほら、なんか、いっぱい出てきてるし」

 莉奈が指差した方向。
 そこにある通路から、ゾロゾロと衛兵がで出てくる。

 衛兵たちは皆、ライフル銃やサーベル、槍等を武装して庭園に集まっていた。


 庭園の真ん中には、見上げるほど巨大な初代皇帝の像が立てられている。
 その周囲には石畳の広場。
 さらにその周囲は、キレイに剪定された背丈の低い木や花、芝生、水路などが広がっていた。

 その巨大な皇帝像。
 そこ袂に衛兵たちが三百人ほど集まったが、広場はまだスペースに余裕があるほど広い。
 敷き詰められた石畳は太陽光を浴び、キレイな白を写していた。


 空を見上げると雲の少ない青空。

 暖かな日差しで、普段なら平穏を感じさせるほど爽やかな空だった。


 その空に、不釣り合いな物体が一つ。

 騒ぎを聞きつけ、野次馬根性で駆けつけた少年少女たちにもそれは確認できた。
 釣り鐘状の金属製カプセルは、パラシュートを開いたまま、スーッと空を降下している。


「ちょっ、なにあれ? パラシュートっ!?
 えぇぇ、ロケットなの?」

「だ、だよな……」

 悠斗と莉奈、美優は、この世界に不釣り合いなそれを、不安な表情で見つめている。

 その三人とは反して、チンピラトリオは「ウケルーッ」と言って、能天気に騒いでいた。
 周囲の衛兵は飛来物を警戒しているが、彼らが邪魔なようで、聞こえないよう舌うちをしている。

 そんな慌ただしい彼らなどおかまいなしに、見る間にそれは広場に近づいていた。


 ――ドシューッ

 完全に地面に落ちきる前にロケットを噴射させ、落下の衝撃を緩和させる。

 周囲に大量の土煙や風が巻きあがった。
 巻き込まれた者たち、囲んでいる兵達の隊列は崩れる。


「なにをしている!! 怯むな!
 隊列を整え、射撃準備に入れ!!」

 怒号、飛び交う広場。

 煙が引く頃には兵たちも動揺から回復し、キレイに隊列を組んでそれを取り囲んでいた。

 パラシュートは地面に広がり、釣り鐘状の金属製カプセルが転がっている。
 衝撃緩和のための処置とはいえ、それはこのカプセルのダメージを減らすためだ。

 白い石畳の方は無惨にも黒く焦げ付き、下敷きになったものは無惨に割れたりもしている。


 一瞬の静寂。

 その後、それはガタガタっと揺れた。

 周囲に緊張が走る。
 兵たちは、銃を握る手に力をこめた。

 ――ボシュッ
 
 強めの勢いで、カプセルの扉が開く。

「い、イノリさん。
 これ怖いって。ホント怖い。
 全然、大丈夫じゃないし――」

 中から黒の全身タイツに、フルフェイスヘルメットの男が現れた。

 全身タイツの男はビクッと驚き、周囲を見渡す。
 そこで初めて、自分が衛兵たちに囲まれているのに気がついたようだった。


 奇妙な格好の男に、衛兵たちは警戒を強めている。

 男は動揺を隠せず、オロオロとしていた。
 落ち着きなく周囲を見渡している。


「お、お前は何者だ!!! どこの国の者だ!!!」
 衛兵たちを指揮している男が問いかける。

 男は言葉がわからないのか、さらにオロオロしている。


「ななななんか、へ、へんな人が居る……」

 驚きのあまり、莉奈は声をあげていた。

 全身タイツ男は、その声に気がつく。

「よかった!! 日本語だ!!
 た、たすけてっ!」

 全身タイツ男は、カプセルから飛び降り、莉奈へと近づこうとする。


「危ないッ! 勇者様を守れっ!!!」

  ――パン、パン、パパパパパンッ

 ――チュインッ

   ――ヒュン、ヒュン


 衛兵たちは、一斉に銃を打つ。

 硝煙が辺りにたちこめた。
 火薬の匂いが風に乗って漂う。

「わ、なにそれっ! 痛い、痛いって!
 あれ、痛くない?
 あ、やめて。痛くないけど痛いってッ!」

 弾は当たっているようだが、男にダメージはない。

「化け物め!! くそっ! 勇者様に近い!」
 指揮官が手を挙げると、みな撃つのを止めた。

「いやっっ! ちょっ、誰っ! 誰っ!
 こっちくんなーっ!」

 莉奈は近づいてくる男から逃げ、悠斗の後ろへ隠れた。
 
 その言葉を聞き、男は頭のヘルメットをペタペタと触った。
 そして男は、ハッと何かに気がつくと、たどたどしい手つきでヘルメット前面に付いたシールドを上げる。

「へ、変な人じゃないって! お、俺だよ、俺ッ!!

 君、あのバスに一緒に居たよね!
 なにこれっ! た、たすけて!!
 あの人たちに説明してっ!」


 挙動不審の全身タイツ男は、悠斗たちに必死に呼びかける。

 ドン引きしている悠斗たち。

 必死に説明すればするほど、その必死さが余計にその男の怪しさを酷くしているのだった。




§




〈コウゾウ視点〉


 くそっ、あいつら――

 俺は今、硬く黒くゴツゴツした石畳の上に座っている。


 あのチンピラども――


 アイツら、あのエグなんちゃらモドキどもめ、連行されている俺を見て爆笑してやがった。
 さらにイケメン君グループにはどん引き&怯えられる始末。
 衛兵に撃たれるわ、小突かれるわで散々だった。


 誰も助けてくれないことに、憤りを感じる。

 戦闘用スーツも剥がされそうになるが、衛兵たちはどうやっても脱がすことができないようで、結局あきらめたのか、俺はそのまま牢屋に放り込まれていた。
 当然、拘束されていた手枷や足枷なんか、すでに引きちぎっている。


 くそぅ。しかし困った。
 色々、衛兵達が喋ってきていたが、言ってる言葉がわからない。


「ねぇ、イノリさん。
 俺の言葉通じてないのに、なんでアイツらのは通じてたの?」

 アイツらが集まってた衛兵たちに、日本語で喋って会話しているのを見た。
 俺がいくら喋っても通じないのに、ずるくね?

彼等日本人をスキャンしてみた所。
 魔力の流れなどを観て解析できたのですが、何者かの加護を付与されていましたね』

「え、加護?
 俺の妖魔の言葉わかる、みたいなやつと同じ感じの?」

『なんらかの神――妖魔の加護です。
 言語翻訳、身体能力上昇、特殊スキルなど、恩恵を授かっているようですね。参考にステータスを表示します』


 モニタにステータスが並ぶ、俺はそのうちの一つを見た。 

―――――――――――――――――――――――――――
種族:人間(17)
容姿:8
言語:日本語
サイズ:8 177cm

筋力:8(48)
耐久:8(48)
知覚:7(17)
魔力:0(30)
機動:8(13)
教育:7


攻撃力(名称:貫通力:ダメージ:動作)
・素手:0:48:1

防護値(名称:装甲値:緩衝値)
・学生服:0:1

妖魔加護効果
[身体能力強化(剣士)]
[言語翻訳(人類)]
[特殊魔法]
―――――――――――――――――――――――――――

『コウゾウが話していた少年の能力です。
 本来、人間の肉体構造を考えると魔力以外の能力値は10が限界です――が、彼らはそれ以上ありますね。
 加護により肉体を補強しているからでしょう』

「なんだかわかんないけど、すごいな……。
 みんな付いてる感じ? その加護って――」

『異世界から来た者たちは、みなついてましたね』

「うっわ、ずっる! ずるくない、それ。
 えーなんで俺のだけ人間のじゃないわけー」

『ワタシに言われましても……。
 おそらく妖魔と同時に召喚されたことに原因があるのだとは思いますが……。

 でも、安心してください。コウゾウにはACHILLESがあるじゃないですか。
 喧嘩しても、コウゾウが余裕で勝てますよ』


 いや、そうかもしれないけど……。
 つーか、そもそも喧嘩なんてしたくないし。

『それに――コウゾウのモノと違い、彼等の加護は、未だに妖魔の影響下にあるようです。
 おそらく彼等の行動にはこれから何らかの制約がかかってくると思われますね』

「俺がこの全身タイツの件で、イノリさんに脅されてるみたいに?」

『失礼ですね。ワタシは脅してなどいませんよ。
 しかも、それが同じだというなら、コウゾウはワタシから加護を与えられてよかったじゃないですか』

「まー、そうだけど……」

 実際そうだよな、妖魔といえばポベートール。
 あんなのに加護とか貰ったらやばそうだ。
 まだ、人道的に扱ってくれるイノリさんでよかったと諦めるしかない。


『コウゾウ、衛兵が近づいてきています』

 ヘルメット内に映るマップに、黄色い点が二つ。
 この牢屋に向け近づいていた。

『この牢屋に来ているようですね。
 敵意は――ありますが警戒程度の、攻撃を加えようとか、そういったものではありません』


 牢屋の前に黄色い点がたどり着いた。
 扉を打つ音が盛大に響く。


「____!! ____!」

 なに? なにか言ってる。
 でも、何言ってるか全然わかんない。

 これは、本格的にどうにかしないと……。
 こんなんじゃ、地上での生活なんてできるはずもない。

 そんなことを考えていると、ガチャガチャと鍵を開け、衛兵達が部屋の中に入ってきた。


「____! ______! __!」

 やっぱり、わからない。
 この年になって、一から言葉を覚えないといけないのか……。

 色々なことに辟易としながら、なにを言ってるかわからない衛兵の声に耳を傾けていた。
 



§
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