お金がないっ!

有馬 迅

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第4章 アスティアノン大公家亡命編

生活基盤は大事です

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 俺は真っ直ぐ向かったチート家に入って、まず最初に授乳室からまだ出てきた様子のない王妃がいるだろう授乳室へ目を向けた。

(多分、母乳はまだ出ないよね。そこまで身体の内側が回復したとも思えないし。アレイスターの分も出しとこう)

 皆の分の食事はシチューにした。

 野菜たっぷりで、お肉は念の為に塊肉ではなくてベーコンにしておく。

 それなら楽に崩して食べられるしね。

 万能花葉さんが蓮の葉っぱ容器にシチューを入れて出してくれた。

 茎匙も一緒につけてくれたので、それを収穫してテーブルの上に並べる。

 そういえば、いつの間にかテーブルが大きくなって椅子の数も増えてる。

 それに入ってすぐ違和感を覚えない程度には、このダイニング的な場所も広がっているっぽく感じた。

 飲み物は、刺激の少ないサラッとした物がいいだろう考えて、万能花葉さんに林檎ジュースを出してもらった。

 トルコ桔梗みたいな花に入った林檎ジュースの甘酸っぱい匂いと湯気の立つシチューの豊かな香りがダイニングの空間に広がる。

 最後に保温機能をつけてもらったアレイスターのミルクを出してもらって、授乳室に1番近い席へとそれを置いた。

(皆の食事は、取り敢えずこれでいいかな。後は2階に2人の部屋を追加してこないと)

 俺が階段を登って後数段で2階、くらいのタイミングで外から師団長達が入って来た音が聞こえた。

「おおっ、食事の支度が!」
「美味しそう……!」
「お風呂と着替えが先よ。エシェンティーヌ様も戻って来ていらっしゃらないし、わたくし達だけ先にいただく訳にはいかないわ。さっと入ってきちゃいましょう!」

 階下からそんなやり取りが聞こえて来る中で2階に俺が到着すると王妃と王女の部屋になっている扉の位置が奥に向かってズレていて、廊下を挟んだ左右に1つずつ扉が増えていた。

 王妃とアレイスターは纏めて1部屋だったことを考えるとチート家があの2人を個別扱いしたことは、間違いなさそうだ。

(まぁ、折角、奴隷から解放したんだし、幼いとはいえ、一応、男の子と女の子だから部屋は別の方が有り難いよ)

 共依存を解除していく為にもそこは必須だろう。

 チート家の配慮を頼もしく感じながら、元ワンコ王子リクアルドとロザリンの部屋をそれぞれに設定した。

 どんな部屋になってるのかは2人次第だから俺は関知しないけど、この様子なら中に入ってまで2つの部屋が繋がっていることはないだろうしね。

 さて。

 ご飯出したし、部屋も作ったし、俺は自分の部屋に引き篭もろーっと。

 眠気はあまり感じないけど、いつの間にやら完徹してたみたいだから、少し寝た方がいいかもしれないしね。

 食うのと寝るのは、大事な生活基盤ですよ。

 あるとないとじゃ大違いだからね!

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