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第7章 ファイアースライムブロッカシア
接触許可資格
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ともあれ、ファイアースライムが「要の守護」になる条件として出してきた “俺が万能花葉さんで出す甘味の強い果物を毎日くれ” というのを叶える為には、村と悠久の地を自在に行き来出来る者、または魔法なんかが不可欠になる。
何せ、俺にはここを出る意思が皆無だし、専用魔導具なんか作った日には奪われたりして招かれざる侵入者が入り込んで来たりしてヤバい気がするので作りたくない。
となると。
(応答ウインドウさん。今居る皆がここと村を行ったり来たり自由に出来る魔法なんかを魔導具以外で実現する方法ってある?)
【YES, 悠久の地への接触許可資格を与えることで世界側へ悠久の地が出現していない場合でも出入りは可能となります】
(許可資格を与えるってことは、万一俺が死んだり、有事の際には剥奪出来る手段があるってこと?)
【YES, 前者は全面禁止となり資格は永久に剥奪されます。後者はオズワルドのみの任意剥奪となります】
(資格持ってないヤツが便乗して入って来ることは出来る?)
【NO, 許可資格は固有のものです】
なるほど。
下手に魔法とか使って力技で解決しようとするより、応答ウインドウさんが提案してくれた方法使うのがリスクが低そうに感じる。
「ドルフ」
「はい」
「そなたとファイアースライム、ファイアーブロッカシアの両者にも、この悠久の地への接触許可資格を与えよう」
俺がそんな言葉を口にすると皆は、まるで時間が止まったみたいに目を見開いてこちらを凝視してきた。
「……は⁈」
『ウワ……マジカヨ コイツ』
1音だけの疑問符を発して、前脚と中脚をわたわたさせるドルフさんと呆れ返った目と声を向けてくるファイアーブロッカシア。
いや、何を感じてそんな反応して来てんのか全然分かんないけどさ?
大して重い意味持たせて許可出すんじゃないんだけど、そこ分かって貰えてるのかな?
「資格を剥奪されるか、私が死なぬ限り自由にここと外の世界を行き来できるようになるゆえ、そなたが村まで果物を持って行ってくれ」
『ヨリニモヨッテ オレノダシタ ジョウケン カナエルタメダケニ シカクシャツクルトカ ゼッテー イカレテンダロ コイツ……』
『コンダイノ オズワルド ヤベー ヤツダナ』
「ならば果物はいらんのか?」
『イル!』
『アタエテクルモンノワリニ リユウガ カルスギテ エゲツネェケド エイダンダゾ! カシコイ! ヨクケッシンシタナ! エライゾ!』
散々俺の判断を酷評していた癖に要求が通らなくなるかもしれないとなった瞬間、掌なんかない筈のファイアースライムですら秒で意見を翻し、ファイアーブロッカシアに至っては慌てて俺を誉めることで賛意を示した。
「構わぬか? ドルフ」
「あ、はい。その……恐縮至極にございます」
「そなたが供給する果物がなければ結界は保たれず、どう転んでも村人が犠牲になる未来しかないと分かれば、あちらでも悪い扱いはされるまい」
俺がもう1個懸念してるのは、そこなんだよね。
ナジェット村は現在、芥人族を中心とした虫人族の一個中隊が向かっていて、村に住む人族の殲滅を目的とした脅威に晒されてると応答ウインドウさんが教えてくれてた。
時間経過から考えて、そろそろ村人達もそれが理解出来る状況に置かれてるかもしれない。
その状態で、これまで普通に付き合ってきた筈のドルフさんまで、ただ虫人族だってだけで信用されなくなっちゃうのが1番ヤバいんだ。
念の為に結界魔法で囲ってはあるし、村自体に関してはまだ大丈夫だと思うけど……。
(応答ウインドウさん、村の状況どう? 何か変化あった?)
【ナジェット村に構築した結界魔法は現在、破壊される要因がなく、問題ありません。虫人族の一個中隊は既に村周辺に到着して威嚇の意味を含めた結界への攻撃・破壊作業に入っており、村の者達はいつ虫人族が襲ってくるのか家内に籠って不安と恐怖に怯えています】
「……拙いな」
「オズ様。村に何かこざいましたか?」
応答ウインドウさんの返事を聞いて俺が呟いたことに、逸早く反応して来たのは、王妃だった。
「ああ。虫人族の一個中隊が到着して結界への攻撃を開始したようだ。今すぐ破壊されることはないようだが、村人が皆、怯えて切っている」
「オズワルド様っ! 今すぐ御許可を! 俺をナジェット村に行かせてくれ!」
「よかろう。ファイアースライム、ファイアーブロッカシア。そなた達も協力してくれるということでよいな?」
『……オメーカラ イッタンダカラ オレラ二モ キョカヨコセヨ?』
『ニンゲンドモ ウザカッタラ スグ ココニカエル』
「いいだろう」
(応答ウインドウさん、ドルフさんとファイアースライムブロッカシアに悠久の地へ接触許可資格を付与して、外の世界と繋がる森を村のすぐ近くに出現させて!)
【実行します】
俺の求めにすぐ応えてくれた応答ウインドウさんの返事と共にドルフさんとファイアースライム、ファイアーブロッカシアの身体が一瞬だけ金色に光って、頭上にカイトシールドみたいな形をした魔法陣みたいのが現れた。
『……ホントニ ヨコシヤガッタゼ コイツ』
『ダイジョウブカヨ コンダイノ オズワルド』
何で呆れたみたいな声で言うんだよ、お前達。
寄越せって念押しするからやったのに!
解せぬ!
何せ、俺にはここを出る意思が皆無だし、専用魔導具なんか作った日には奪われたりして招かれざる侵入者が入り込んで来たりしてヤバい気がするので作りたくない。
となると。
(応答ウインドウさん。今居る皆がここと村を行ったり来たり自由に出来る魔法なんかを魔導具以外で実現する方法ってある?)
【YES, 悠久の地への接触許可資格を与えることで世界側へ悠久の地が出現していない場合でも出入りは可能となります】
(許可資格を与えるってことは、万一俺が死んだり、有事の際には剥奪出来る手段があるってこと?)
【YES, 前者は全面禁止となり資格は永久に剥奪されます。後者はオズワルドのみの任意剥奪となります】
(資格持ってないヤツが便乗して入って来ることは出来る?)
【NO, 許可資格は固有のものです】
なるほど。
下手に魔法とか使って力技で解決しようとするより、応答ウインドウさんが提案してくれた方法使うのがリスクが低そうに感じる。
「ドルフ」
「はい」
「そなたとファイアースライム、ファイアーブロッカシアの両者にも、この悠久の地への接触許可資格を与えよう」
俺がそんな言葉を口にすると皆は、まるで時間が止まったみたいに目を見開いてこちらを凝視してきた。
「……は⁈」
『ウワ……マジカヨ コイツ』
1音だけの疑問符を発して、前脚と中脚をわたわたさせるドルフさんと呆れ返った目と声を向けてくるファイアーブロッカシア。
いや、何を感じてそんな反応して来てんのか全然分かんないけどさ?
大して重い意味持たせて許可出すんじゃないんだけど、そこ分かって貰えてるのかな?
「資格を剥奪されるか、私が死なぬ限り自由にここと外の世界を行き来できるようになるゆえ、そなたが村まで果物を持って行ってくれ」
『ヨリニモヨッテ オレノダシタ ジョウケン カナエルタメダケニ シカクシャツクルトカ ゼッテー イカレテンダロ コイツ……』
『コンダイノ オズワルド ヤベー ヤツダナ』
「ならば果物はいらんのか?」
『イル!』
『アタエテクルモンノワリニ リユウガ カルスギテ エゲツネェケド エイダンダゾ! カシコイ! ヨクケッシンシタナ! エライゾ!』
散々俺の判断を酷評していた癖に要求が通らなくなるかもしれないとなった瞬間、掌なんかない筈のファイアースライムですら秒で意見を翻し、ファイアーブロッカシアに至っては慌てて俺を誉めることで賛意を示した。
「構わぬか? ドルフ」
「あ、はい。その……恐縮至極にございます」
「そなたが供給する果物がなければ結界は保たれず、どう転んでも村人が犠牲になる未来しかないと分かれば、あちらでも悪い扱いはされるまい」
俺がもう1個懸念してるのは、そこなんだよね。
ナジェット村は現在、芥人族を中心とした虫人族の一個中隊が向かっていて、村に住む人族の殲滅を目的とした脅威に晒されてると応答ウインドウさんが教えてくれてた。
時間経過から考えて、そろそろ村人達もそれが理解出来る状況に置かれてるかもしれない。
その状態で、これまで普通に付き合ってきた筈のドルフさんまで、ただ虫人族だってだけで信用されなくなっちゃうのが1番ヤバいんだ。
念の為に結界魔法で囲ってはあるし、村自体に関してはまだ大丈夫だと思うけど……。
(応答ウインドウさん、村の状況どう? 何か変化あった?)
【ナジェット村に構築した結界魔法は現在、破壊される要因がなく、問題ありません。虫人族の一個中隊は既に村周辺に到着して威嚇の意味を含めた結界への攻撃・破壊作業に入っており、村の者達はいつ虫人族が襲ってくるのか家内に籠って不安と恐怖に怯えています】
「……拙いな」
「オズ様。村に何かこざいましたか?」
応答ウインドウさんの返事を聞いて俺が呟いたことに、逸早く反応して来たのは、王妃だった。
「ああ。虫人族の一個中隊が到着して結界への攻撃を開始したようだ。今すぐ破壊されることはないようだが、村人が皆、怯えて切っている」
「オズワルド様っ! 今すぐ御許可を! 俺をナジェット村に行かせてくれ!」
「よかろう。ファイアースライム、ファイアーブロッカシア。そなた達も協力してくれるということでよいな?」
『……オメーカラ イッタンダカラ オレラ二モ キョカヨコセヨ?』
『ニンゲンドモ ウザカッタラ スグ ココニカエル』
「いいだろう」
(応答ウインドウさん、ドルフさんとファイアースライムブロッカシアに悠久の地へ接触許可資格を付与して、外の世界と繋がる森を村のすぐ近くに出現させて!)
【実行します】
俺の求めにすぐ応えてくれた応答ウインドウさんの返事と共にドルフさんとファイアースライム、ファイアーブロッカシアの身体が一瞬だけ金色に光って、頭上にカイトシールドみたいな形をした魔法陣みたいのが現れた。
『……ホントニ ヨコシヤガッタゼ コイツ』
『ダイジョウブカヨ コンダイノ オズワルド』
何で呆れたみたいな声で言うんだよ、お前達。
寄越せって念押しするからやったのに!
解せぬ!
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