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幽くんと学校の怪談
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幽くんは霊感があります。
その日の夜はお酒に酔ったお父さんが昔の話を懐かしそうに話していました。
なんでも私が通っていた小学校の七不思議は俺が作ったと言い始め、そう言えば中学校にも七不思議があった気がするな。と去年まで通っていた中学の七不思議を思い出していました。
もしかしたら幽くんなら七不思議の真相を知っているかもしれないと思い、思い切って電話してみることにしました。
「もしもし、どうかしたの?」
「大した用事じゃないんだけどね、学校に七不思議ってあるよね、動く人体模型とこかそういうの。ああいう七不思議って幽くんみたことある?」
「……あるよ」
「七不思議の何を見たの? 小学校? 中学校? もしかして高校?」
一瞬のためらいが気になりましたが、続きを聞くことにしました。
「小学校?」
「なんで疑問形なの?」
「あれが幽霊なのか判断つかないんだよ。たぶん走る人体模型だと思うんだけど」
電話の向こうで幽くんは真剣に悩んでいるようです。
そこでふと、お父さんが小学校の七不思議を作ったって言ってたし、見間違いか別の幽霊なのかな?
「正直どっちだったのかわからないんだよな」
「それならたぶん偽物だと思うよ、小学校の七不思議はうちのお父さんが作ったって言ってたし」
「…………」
「幽くん、どうしたの?」
「大丈夫、何でもないから気にしないで」
それから少しの間、うん大丈夫大丈夫と呪文のように唱えていました。
「本当に大丈夫なの? 体調悪いなら通話切ろうか?」
「体調は平気。うん、平気。七不思議だよな。中学の時も見たよ、動く石膏像。幽霊の悪ふざけだったけど」
なぜか急に話を変えられてしまいました。ちょっとしつこく聞きすぎてしまったのだと思います。
「そうなんだ。でも幽霊って力持ちなんだね。あれって結構重いよね」
「一人じゃなくて三人で胴上げみたいにしてたからできたんだと思う。俺達が居た時に石膏像壊したのもこの三人だと思う。壊れた後慎重に運んでたから」
「そこで慎重になるくらいならやらなきゃいいのに。それにしても犯人は幽霊だったんだ。市来くん冤罪だったんだね」
こっぴどく叱られた後、夏休み前だったこともあって宿題増やされてたしな。
「俺が幽霊の仕業って言っても聞いてくれるはずないし言えなかったけど」
「それを言ってたら幽くんが犯人扱いされちゃうしね」
当時だったら私もそう思ってただろうし。
早く認めればいいとか当時は思っててごめんなさい。
「後は花子さんに高校で会ったな」
「美人な花子さんね。私もっと子供を想像してたよ。おかっぱ頭の小学生くらいの女の子」
「俺もそうだと思ってたから聞いてみたら学校によって大きさが決まるらしい。高校の花子さんは全員あの大きさで顔だけ違うらしい」
顔だけは自前だったのか……。顔も全員で美人に変化するってなってくれればよかったのに。
「じゃあ、小学校に出る花子さんは私が想像した通りの見た目なの?」
「どうだろう、会ったこと無いしわからないな」
そこでふと疑問がわいてきました。
幽くんに霊感があるからきにしてませんでしたが、よく考えると不思議です。
「幽くんは花子さんとどうやって知り合ったの?」
電話の向こうが無音になりました。
どうやらやましいことがあるらしいです。
「幽くん? なんで黙ってるの?」
「信じてもらえるかわからないんだけど聞いてくれるか?」
「内容による。犯罪だったら流石に私も自首を進めるよ」
「実は女子トイレに入ったんだ」
これはギルティ―ではないでしょうか。イケメンの彼氏が女子トイレに侵入していました。
目的は盗撮? 盗聴? 言ってくれれば私が見せても……。
そこまで考えて密室に二人で居る姿を想像してしまい、恥ずかしさの余りにベッドから転がり落ちてしまいました。
「大丈夫か? 凄い音がしたけど」
「大丈夫、それで女子トイレに入ったのはなんで? 正直に答えてくれるよね」
「はい……。今月の初めの方で俺が授業に遅刻した時があったと思うだけど。覚えてる?」
「覚えてるよ。確か授業が半分くらい過ぎたくらいで教室に入ってきて先生に怒られてたよね」
入学して間もない時だったしよく覚えてる。しかもものすごく疲れ切った顔をしててその日はそのまま帰ってたはず。
「その時死ぬほど腹が痛くて、休み時間にトイレまで走って行ったんだけど」
「駆け込んだところが女子トイレだった。といいたいんですね幽被告人」
「被告人はやめてくれ、恋人を犯罪者にしようとしないでくれ。ちゃんと間違えたのにも理由があるんだ。ってどうかしたのか? 呻き声が聞こえるけど」
「なんでもないから続けて」
不意打ちで恋人と言われて嬉しくなって悶えていたなんてこの状況で言えません。
「中学と高校でトイレの位置が逆なんだよ。それで中学の時の感覚で入ってそのまま個室に入ったから」
そう言われれば逆だった気がする。言われれば私も男子トイレに入りそうになったことあるかも。
そうなると緊急事態だと間違いも起こるかもしれません。
「事情はわかったよ。そのまま出るに出られず授業が始まるのを待っていた時に花子さんに会ったと」
「わかってもらえてよかったよ」
相変わらず幽くんは天然でした。
「それから変な趣味に目覚めたりしてないよね?」
「してないよ。俺は怪談になりたいわけじゃないから」
ん? 俺は? 嫌な予感が頭をよぎりました。
小学校の怪談になったお父さん、走る人体模型。人体模型は一般的に人間の体を知るために服は着ていません。
それはつまりお父さんが人体模型と間違われる格好で校舎を走っていたことになります。
「幽くんごめんなさい。被告人は我が家にいました」
「あっ、えっと、お手柔らかにしてあげてください」
この反応は正解らしいです。
知っていて黙っていた幽くんはとても優しいです。
その日の夜はお酒に酔ったお父さんが昔の話を懐かしそうに話していました。
なんでも私が通っていた小学校の七不思議は俺が作ったと言い始め、そう言えば中学校にも七不思議があった気がするな。と去年まで通っていた中学の七不思議を思い出していました。
もしかしたら幽くんなら七不思議の真相を知っているかもしれないと思い、思い切って電話してみることにしました。
「もしもし、どうかしたの?」
「大した用事じゃないんだけどね、学校に七不思議ってあるよね、動く人体模型とこかそういうの。ああいう七不思議って幽くんみたことある?」
「……あるよ」
「七不思議の何を見たの? 小学校? 中学校? もしかして高校?」
一瞬のためらいが気になりましたが、続きを聞くことにしました。
「小学校?」
「なんで疑問形なの?」
「あれが幽霊なのか判断つかないんだよ。たぶん走る人体模型だと思うんだけど」
電話の向こうで幽くんは真剣に悩んでいるようです。
そこでふと、お父さんが小学校の七不思議を作ったって言ってたし、見間違いか別の幽霊なのかな?
「正直どっちだったのかわからないんだよな」
「それならたぶん偽物だと思うよ、小学校の七不思議はうちのお父さんが作ったって言ってたし」
「…………」
「幽くん、どうしたの?」
「大丈夫、何でもないから気にしないで」
それから少しの間、うん大丈夫大丈夫と呪文のように唱えていました。
「本当に大丈夫なの? 体調悪いなら通話切ろうか?」
「体調は平気。うん、平気。七不思議だよな。中学の時も見たよ、動く石膏像。幽霊の悪ふざけだったけど」
なぜか急に話を変えられてしまいました。ちょっとしつこく聞きすぎてしまったのだと思います。
「そうなんだ。でも幽霊って力持ちなんだね。あれって結構重いよね」
「一人じゃなくて三人で胴上げみたいにしてたからできたんだと思う。俺達が居た時に石膏像壊したのもこの三人だと思う。壊れた後慎重に運んでたから」
「そこで慎重になるくらいならやらなきゃいいのに。それにしても犯人は幽霊だったんだ。市来くん冤罪だったんだね」
こっぴどく叱られた後、夏休み前だったこともあって宿題増やされてたしな。
「俺が幽霊の仕業って言っても聞いてくれるはずないし言えなかったけど」
「それを言ってたら幽くんが犯人扱いされちゃうしね」
当時だったら私もそう思ってただろうし。
早く認めればいいとか当時は思っててごめんなさい。
「後は花子さんに高校で会ったな」
「美人な花子さんね。私もっと子供を想像してたよ。おかっぱ頭の小学生くらいの女の子」
「俺もそうだと思ってたから聞いてみたら学校によって大きさが決まるらしい。高校の花子さんは全員あの大きさで顔だけ違うらしい」
顔だけは自前だったのか……。顔も全員で美人に変化するってなってくれればよかったのに。
「じゃあ、小学校に出る花子さんは私が想像した通りの見た目なの?」
「どうだろう、会ったこと無いしわからないな」
そこでふと疑問がわいてきました。
幽くんに霊感があるからきにしてませんでしたが、よく考えると不思議です。
「幽くんは花子さんとどうやって知り合ったの?」
電話の向こうが無音になりました。
どうやらやましいことがあるらしいです。
「幽くん? なんで黙ってるの?」
「信じてもらえるかわからないんだけど聞いてくれるか?」
「内容による。犯罪だったら流石に私も自首を進めるよ」
「実は女子トイレに入ったんだ」
これはギルティ―ではないでしょうか。イケメンの彼氏が女子トイレに侵入していました。
目的は盗撮? 盗聴? 言ってくれれば私が見せても……。
そこまで考えて密室に二人で居る姿を想像してしまい、恥ずかしさの余りにベッドから転がり落ちてしまいました。
「大丈夫か? 凄い音がしたけど」
「大丈夫、それで女子トイレに入ったのはなんで? 正直に答えてくれるよね」
「はい……。今月の初めの方で俺が授業に遅刻した時があったと思うだけど。覚えてる?」
「覚えてるよ。確か授業が半分くらい過ぎたくらいで教室に入ってきて先生に怒られてたよね」
入学して間もない時だったしよく覚えてる。しかもものすごく疲れ切った顔をしててその日はそのまま帰ってたはず。
「その時死ぬほど腹が痛くて、休み時間にトイレまで走って行ったんだけど」
「駆け込んだところが女子トイレだった。といいたいんですね幽被告人」
「被告人はやめてくれ、恋人を犯罪者にしようとしないでくれ。ちゃんと間違えたのにも理由があるんだ。ってどうかしたのか? 呻き声が聞こえるけど」
「なんでもないから続けて」
不意打ちで恋人と言われて嬉しくなって悶えていたなんてこの状況で言えません。
「中学と高校でトイレの位置が逆なんだよ。それで中学の時の感覚で入ってそのまま個室に入ったから」
そう言われれば逆だった気がする。言われれば私も男子トイレに入りそうになったことあるかも。
そうなると緊急事態だと間違いも起こるかもしれません。
「事情はわかったよ。そのまま出るに出られず授業が始まるのを待っていた時に花子さんに会ったと」
「わかってもらえてよかったよ」
相変わらず幽くんは天然でした。
「それから変な趣味に目覚めたりしてないよね?」
「してないよ。俺は怪談になりたいわけじゃないから」
ん? 俺は? 嫌な予感が頭をよぎりました。
小学校の怪談になったお父さん、走る人体模型。人体模型は一般的に人間の体を知るために服は着ていません。
それはつまりお父さんが人体模型と間違われる格好で校舎を走っていたことになります。
「幽くんごめんなさい。被告人は我が家にいました」
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