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幽くんと浮気
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幽くんにはお姉さんと妹さんがいるらしいです。
あれは確かゴールデンウイークが始まって二日目の出来事でした。
幽くんに用事があるらしく私は友達の柳谷 小夜ちゃんと買い物に来ていました。
買う物も買い終わり二人でハンバーガーを食べていました。
「あれって結城じゃない? あそこの女子に腕組まれてる男」
「えっ?」
小夜ちゃんに言われた方向を見ると確かに一組のカップルがいました。
長身のイケメンと金髪の美少女。そのイケメンは確かに幽くんでした。どんなに遠くからでも私が幽くんを見間違えるはずはありません。
「今日は用事があるって言ってたんだよね? それがあれなの?」
「…………」
ショックでした。まさか幽くんが浮気をするなんて微塵も考えていなかったので、楽しそうに歩く二人をただ眺めているしかできませんでした。
「追いかける? なんなら最後まで付き合うよ」
「あはは……、そんなこと必要ないよ? 浮気じゃないって私は知ってるから。あはは、あはははは」
「そう。それじゃあ私は追いかけるから、こんな面白そうなこと滅多にないし。浮気でもその時は黙っておくからそれじゃあね」
「待って私も行く。その前にハンバーガー食べないと」
口に運んだハンバーガーは硬く紙のような味がしました。
「今食べてるのは紙コップだから。これは駄目かもしれないな」
「まさか幽くんが幽くんがこんなことをするなんて信じられない信じられない信じられない」
「まあ、浮気と決まったわけじゃないだろ。妹がいるって言ってたじゃん」
「中学生が金髪に染めるの? 妹ちゃんは黒髪だって前に幽くんから聞いたんだよ。それに兄妹であんな密着する? 小夜ちゃんもお兄さんにあんなに抱き付く?」
「ありえないな気持ち悪い」
「でしょ!? あの女マジで許すまじ」
私は幽くんに抱き付いている金髪少女をきつくにらみつけます。
「尾行ってこんなに睨んだり声を荒げていいんだっけかな。いつかバレるんじゃないか?」
「恨めしい恨めしい」
「お岩さんとかってこんな感じだったのかな」
横で小夜ちゃんが何かを言っていますが気にしている余裕はありません。あの金髪を恨むことで必死です。
私だってまだあんなにくっついたことないのに、あの女は簡単に引っ付いている。本当にズルいです。
「ねえ幽、なんかさっきから悪寒が凄いんだけど幽霊が見てたりする?」
「別に見てないな。いつも通り」
あいつは幽くんを幽と呼び捨てにしやがりました。さらに無い胸を必死に擦り付けています。
「ハンムラビ法典ってさ。やられたら同じくらいまでならやり返していいよってことらしいんだよね」
「いきなり友達からそんな話をされて私は恐怖を感じてるよ」
「私の全てと言っても過言じゃない幽くんを取ったんだから、あの女の全部を奪っても許されるよね」
「私今猛烈に帰って桜との縁を切りたいくらい恐怖を覚えてるよ。一応言っておくけど日本でハンムラビ法典は適用されないから日本国憲法守って」
「二人が角を曲がった急いで」
あの曲がり角は確か公園があるはず。公園で一体何をしようとしているのでしょうか。
あのメスガキは幽くんに手を出すつもりなのでしょう。口に出せないようなアブノーマルなことをしようとしているはずです。最低です。
公園に入ると二人で並んでベンチに座っていました。
「こんな衆人環視の中卑猥なことをするなんて淫乱すぎじゃない? マジ引くんだけど」
「私も想像だけでそこまでできる桜にマジ引きだわ」
いつの間にかやる気が無くなっている小夜ちゃんはこの際放っておきましょう。やる気のない尾行は邪魔になりかねません。
「それじゃあ、ジュース買ってくるから荷物見てて」
金髪の変態が自販機に向かって走って行きました。
炭酸買ってこけてジュース塗れになればいいのに。
頑張って呪いましたが、変態は転ぶことなく幽くんにジュースを渡しています。
「はいこれ好きだよね。私はこっち」
「サンキュ。本当にそれ好きだな」
まさかの好きな飲み物を把握しているほどの付き合い……だと……。
飲み物の好みを理解し合えるほどの長い付き合いをしているんでしょうか。
「あぶっ!」
ざまあみろです。呪いが届いたのかあの女はジュースが噴き出して体に浴びました。
「かすか~……」
「わかったよ、拭いてやるから大人しくしてろ」
「呪いのかけから間違えた」
「ついに呪いをかけるようになったよ。こいつ」
羨ましいことに幽くんが淫乱金髪の顔を拭いてあげています。紳士的な幽くんの優しさに付け込んだ最低の女です。
「桜さあ人に見せられない顔してる自覚ある?」
「飲み終わったからゴミに捨ててくる」
突然の出来事でした。幽くんがゴミ箱の裏に隠れている私達の元に向かってきました。あんなのよりも私の方に来てくれています。
「桜、なにしてるの?」
「あ、そ、その、えっと……」
突然のことにテンパっている私は咄嗟に小夜ちゃんの方を向いて助けを求めます。
「結城その女の人誰? 愛人?」
「小夜ちゃん!?」
驚くことにまさかの正面突破です。
「ああ、あれは姉だよ。そんな所に居ないでこっちに来なよ」
「うん」
幽くんに手を握られ、私は改めてお姉さんの前に立ちました。
「姉ちゃんこの人が俺の彼女。柳下桜。仲良くしてやって」
「初めまして桜です。よろしくお願いします」
「この子が彼女? 私は結城 現よろしくね」
一瞬の殺意から握手に込められた悪意に私も答えることにした。
「お姉さん若く見えますね。小学生かと思いました」
「あなたこそ。ゴミの影に隠れるとか私にはまねできないわ」
ミシミシとお互いの手が軋みをあげるほどの握手を交わしました。
「早速仲が良くてよかったよ」
「あれが仲良く見えるなら私には何も言えないな」
幽くんはとても家族思いで、お姉さんはブラコンの変態でした。
あれは確かゴールデンウイークが始まって二日目の出来事でした。
幽くんに用事があるらしく私は友達の柳谷 小夜ちゃんと買い物に来ていました。
買う物も買い終わり二人でハンバーガーを食べていました。
「あれって結城じゃない? あそこの女子に腕組まれてる男」
「えっ?」
小夜ちゃんに言われた方向を見ると確かに一組のカップルがいました。
長身のイケメンと金髪の美少女。そのイケメンは確かに幽くんでした。どんなに遠くからでも私が幽くんを見間違えるはずはありません。
「今日は用事があるって言ってたんだよね? それがあれなの?」
「…………」
ショックでした。まさか幽くんが浮気をするなんて微塵も考えていなかったので、楽しそうに歩く二人をただ眺めているしかできませんでした。
「追いかける? なんなら最後まで付き合うよ」
「あはは……、そんなこと必要ないよ? 浮気じゃないって私は知ってるから。あはは、あはははは」
「そう。それじゃあ私は追いかけるから、こんな面白そうなこと滅多にないし。浮気でもその時は黙っておくからそれじゃあね」
「待って私も行く。その前にハンバーガー食べないと」
口に運んだハンバーガーは硬く紙のような味がしました。
「今食べてるのは紙コップだから。これは駄目かもしれないな」
「まさか幽くんが幽くんがこんなことをするなんて信じられない信じられない信じられない」
「まあ、浮気と決まったわけじゃないだろ。妹がいるって言ってたじゃん」
「中学生が金髪に染めるの? 妹ちゃんは黒髪だって前に幽くんから聞いたんだよ。それに兄妹であんな密着する? 小夜ちゃんもお兄さんにあんなに抱き付く?」
「ありえないな気持ち悪い」
「でしょ!? あの女マジで許すまじ」
私は幽くんに抱き付いている金髪少女をきつくにらみつけます。
「尾行ってこんなに睨んだり声を荒げていいんだっけかな。いつかバレるんじゃないか?」
「恨めしい恨めしい」
「お岩さんとかってこんな感じだったのかな」
横で小夜ちゃんが何かを言っていますが気にしている余裕はありません。あの金髪を恨むことで必死です。
私だってまだあんなにくっついたことないのに、あの女は簡単に引っ付いている。本当にズルいです。
「ねえ幽、なんかさっきから悪寒が凄いんだけど幽霊が見てたりする?」
「別に見てないな。いつも通り」
あいつは幽くんを幽と呼び捨てにしやがりました。さらに無い胸を必死に擦り付けています。
「ハンムラビ法典ってさ。やられたら同じくらいまでならやり返していいよってことらしいんだよね」
「いきなり友達からそんな話をされて私は恐怖を感じてるよ」
「私の全てと言っても過言じゃない幽くんを取ったんだから、あの女の全部を奪っても許されるよね」
「私今猛烈に帰って桜との縁を切りたいくらい恐怖を覚えてるよ。一応言っておくけど日本でハンムラビ法典は適用されないから日本国憲法守って」
「二人が角を曲がった急いで」
あの曲がり角は確か公園があるはず。公園で一体何をしようとしているのでしょうか。
あのメスガキは幽くんに手を出すつもりなのでしょう。口に出せないようなアブノーマルなことをしようとしているはずです。最低です。
公園に入ると二人で並んでベンチに座っていました。
「こんな衆人環視の中卑猥なことをするなんて淫乱すぎじゃない? マジ引くんだけど」
「私も想像だけでそこまでできる桜にマジ引きだわ」
いつの間にかやる気が無くなっている小夜ちゃんはこの際放っておきましょう。やる気のない尾行は邪魔になりかねません。
「それじゃあ、ジュース買ってくるから荷物見てて」
金髪の変態が自販機に向かって走って行きました。
炭酸買ってこけてジュース塗れになればいいのに。
頑張って呪いましたが、変態は転ぶことなく幽くんにジュースを渡しています。
「はいこれ好きだよね。私はこっち」
「サンキュ。本当にそれ好きだな」
まさかの好きな飲み物を把握しているほどの付き合い……だと……。
飲み物の好みを理解し合えるほどの長い付き合いをしているんでしょうか。
「あぶっ!」
ざまあみろです。呪いが届いたのかあの女はジュースが噴き出して体に浴びました。
「かすか~……」
「わかったよ、拭いてやるから大人しくしてろ」
「呪いのかけから間違えた」
「ついに呪いをかけるようになったよ。こいつ」
羨ましいことに幽くんが淫乱金髪の顔を拭いてあげています。紳士的な幽くんの優しさに付け込んだ最低の女です。
「桜さあ人に見せられない顔してる自覚ある?」
「飲み終わったからゴミに捨ててくる」
突然の出来事でした。幽くんがゴミ箱の裏に隠れている私達の元に向かってきました。あんなのよりも私の方に来てくれています。
「桜、なにしてるの?」
「あ、そ、その、えっと……」
突然のことにテンパっている私は咄嗟に小夜ちゃんの方を向いて助けを求めます。
「結城その女の人誰? 愛人?」
「小夜ちゃん!?」
驚くことにまさかの正面突破です。
「ああ、あれは姉だよ。そんな所に居ないでこっちに来なよ」
「うん」
幽くんに手を握られ、私は改めてお姉さんの前に立ちました。
「姉ちゃんこの人が俺の彼女。柳下桜。仲良くしてやって」
「初めまして桜です。よろしくお願いします」
「この子が彼女? 私は結城 現よろしくね」
一瞬の殺意から握手に込められた悪意に私も答えることにした。
「お姉さん若く見えますね。小学生かと思いました」
「あなたこそ。ゴミの影に隠れるとか私にはまねできないわ」
ミシミシとお互いの手が軋みをあげるほどの握手を交わしました。
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