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第9話
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ロロたちの最終順位は撃退人数6人で6部隊中2位、総チーム中15位と言う結果に終わった。
「まあこんなもんか。初めて組んだチームにしては上出来だろう」
ロロは水を飲んで成績を確認していると、エミリーとリアが彼に近づいてきた。
「リア、さっきはすまなかったな。お前の勝負に勝手に手を出してな」
ロロはリアを見るなりすぐに謝罪の言葉を彼女にかけた。しかしリアは訓練が始まる前と顔色が変わっていた。
「私はまだあなたのことを認めたわけではない。けど、あなたが私を助けてくれたことと、実力は素直に認める」
「急にしおらしくなったな。まあ今回限りのチームだ、また頑張れよ」
ロロはそう言ってリアとエミリーに手を振る。が
「何言ってるの、私はあなたについていくことにしたわ」
「は?何言ってんだ!?」
ロロは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。しかしリアは真顔で続ける。
「さっきも言ったでしょ、あなたの実力は認めているって。だから私は私のためにあんたについていくって言ってるの。ロロ」
リアはまっすぐロロのに視線を向ける。
「俺も今日来たばかりで、知り合いは誰もいないしな」
ロロは少し笑みを浮かべながらそうリアに声をかけた。
「それと、エミリー。訓練前にあんなひどいこと言ってごめんね。謝って許されることじゃない。それでも謝罪がしたい」
エミリー特に何もしゃべらないままリアに近づき右手を挙げる。そのままリアのほほにそえる。
「何言ってるの。私は何も気にしてないよ。むしろ何もできなかった私のほうが悪かったと思っているし」
「あなたの魔法のおかげで助かったわ。すごい魔法だった」
リアにそう言われたエミリーは、にっこりと笑顔になった。彼女としても、リアに初めて仲間と思われたことがうれしいのだろう。
「で、ロロ。あんた何者なの?」
「ん?」
「転入してきたからランク分けされていないのはともかく、あんなに強いの?」
リアはロロにそう問い詰めてきた。
「1年で金級はわずかに数人、学園全体でも10%に満たないのよ。それに選ばれているサリーネの魔法をあれだけ防いでるのはおかしいわよ」
「でも、リアも最後はサリーネを斬っただろう?」
「それはあなたのアシストがあったからでしょ。正直剣術では専門外の彼女に負けていた、あなたのアシストが勝因の9割ぐらい占めているわよ」
ロロはあくまで白を切るつもりだった。自身の魔導士としての経歴を悟られないためであった。しかし、リアはプライドが高いにもかかわらず、自身の負けを認めある程度の反省もしている。
「理由は言えないが、確かに俺はもともと特別に訓練を受けていた。でもここではあくまで銅級だよ」
ロロは淡々とそう言った。リアは裏があると思い何とか聞こうと問い詰めるも、いくらたってもロロは語らないためあきらめ、
「あんたがどんな奴でも強いのは変わりないしね。聞かないでおくわ」
「それに来週には、どうせみんなに知れ渡るだろうし」
エミリーが横から割り込みそんなことを言った。
「ん?どういうことだ」
「なに、ってトーナメント戦があるんだよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さて、先生方。今年初の大型訓練の結果は?」
ここは教員会議室。本日ここではロロたち1年生が受けたチーム訓練の結果について話されていた。
「やはり、史上初めての1年にして白金級に選ばれたリヒト君のいたチームですかね。さすがとしか言いようがありません」
リヒトという名の生徒は今回のチーム訓練において堂々の1位であった。ランダムであったためチームメイトは銅級であったにもかかわらずだ。
「金級ではありますがネル君もかなり有望そうですね。特にリヒト君とは違い即興チームにも関わらずしっかりチームとしての活躍ができていた」
ロロと同じ時間帯に防御魔法の訓練を行っていた彼は、もともとの実力だけでなく誰にでも分け隔てなく接する性格も持っており、第2虚構空間において1位、総合順位においてもリヒトチームに次ぐ2位であった。
「マークス教諭は何か気になるものありましたか?」
他の教員から名指しされたマークスと言う男は、防御魔法訓練中にロロの実力に気付いていた教員である。
「そうですね、第5虚構空間ですかね」
「第5というと、サリーネがいたところか。だがあそこは確か虚構空間内でも3位ぐらいだったはずで総合だと中間ぐらいだったはず」
「いえ、私が気になるのはそのサリーネさんのチームを退けた相手側の方です。確か転入生がいたと思うんです」
「確かに金級のいるチームを退けたのは素晴らしい、しかし今回はチーム戦であり本来の力を発揮できない場面もあり、サリーネはまさにそうだったと認識している」
教員の評価はあくまでもサリーネ贔屓、ロロのチームに関しては偶然のたまものと評価している。
「(リア君は一度もめごとが起きてランク降格処分を食らっていたはず。その彼女を活かし、格上であるサリーネ君を撃退まで持ち込んだ。しかも、行動のほとんどをリア君の援護に回っていたことを考えると、もし直接狙っていればもっと楽だったんじゃないか?)」
「今回のチーム訓練はあくまでチームとしての行動ができるかどうかを判断する場所、個人の能力はどのみち来週にはわかることだ」
教員の総代表がそう言って今回の会議を閉めた。
「(そうだね、君の本当の実力は次のトーナメント戦で見せてもらうよ、ロロ君)」
マークスは心の中でそう思った。
「まあこんなもんか。初めて組んだチームにしては上出来だろう」
ロロは水を飲んで成績を確認していると、エミリーとリアが彼に近づいてきた。
「リア、さっきはすまなかったな。お前の勝負に勝手に手を出してな」
ロロはリアを見るなりすぐに謝罪の言葉を彼女にかけた。しかしリアは訓練が始まる前と顔色が変わっていた。
「私はまだあなたのことを認めたわけではない。けど、あなたが私を助けてくれたことと、実力は素直に認める」
「急にしおらしくなったな。まあ今回限りのチームだ、また頑張れよ」
ロロはそう言ってリアとエミリーに手を振る。が
「何言ってるの、私はあなたについていくことにしたわ」
「は?何言ってんだ!?」
ロロは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。しかしリアは真顔で続ける。
「さっきも言ったでしょ、あなたの実力は認めているって。だから私は私のためにあんたについていくって言ってるの。ロロ」
リアはまっすぐロロのに視線を向ける。
「俺も今日来たばかりで、知り合いは誰もいないしな」
ロロは少し笑みを浮かべながらそうリアに声をかけた。
「それと、エミリー。訓練前にあんなひどいこと言ってごめんね。謝って許されることじゃない。それでも謝罪がしたい」
エミリー特に何もしゃべらないままリアに近づき右手を挙げる。そのままリアのほほにそえる。
「何言ってるの。私は何も気にしてないよ。むしろ何もできなかった私のほうが悪かったと思っているし」
「あなたの魔法のおかげで助かったわ。すごい魔法だった」
リアにそう言われたエミリーは、にっこりと笑顔になった。彼女としても、リアに初めて仲間と思われたことがうれしいのだろう。
「で、ロロ。あんた何者なの?」
「ん?」
「転入してきたからランク分けされていないのはともかく、あんなに強いの?」
リアはロロにそう問い詰めてきた。
「1年で金級はわずかに数人、学園全体でも10%に満たないのよ。それに選ばれているサリーネの魔法をあれだけ防いでるのはおかしいわよ」
「でも、リアも最後はサリーネを斬っただろう?」
「それはあなたのアシストがあったからでしょ。正直剣術では専門外の彼女に負けていた、あなたのアシストが勝因の9割ぐらい占めているわよ」
ロロはあくまで白を切るつもりだった。自身の魔導士としての経歴を悟られないためであった。しかし、リアはプライドが高いにもかかわらず、自身の負けを認めある程度の反省もしている。
「理由は言えないが、確かに俺はもともと特別に訓練を受けていた。でもここではあくまで銅級だよ」
ロロは淡々とそう言った。リアは裏があると思い何とか聞こうと問い詰めるも、いくらたってもロロは語らないためあきらめ、
「あんたがどんな奴でも強いのは変わりないしね。聞かないでおくわ」
「それに来週には、どうせみんなに知れ渡るだろうし」
エミリーが横から割り込みそんなことを言った。
「ん?どういうことだ」
「なに、ってトーナメント戦があるんだよ」
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「さて、先生方。今年初の大型訓練の結果は?」
ここは教員会議室。本日ここではロロたち1年生が受けたチーム訓練の結果について話されていた。
「やはり、史上初めての1年にして白金級に選ばれたリヒト君のいたチームですかね。さすがとしか言いようがありません」
リヒトという名の生徒は今回のチーム訓練において堂々の1位であった。ランダムであったためチームメイトは銅級であったにもかかわらずだ。
「金級ではありますがネル君もかなり有望そうですね。特にリヒト君とは違い即興チームにも関わらずしっかりチームとしての活躍ができていた」
ロロと同じ時間帯に防御魔法の訓練を行っていた彼は、もともとの実力だけでなく誰にでも分け隔てなく接する性格も持っており、第2虚構空間において1位、総合順位においてもリヒトチームに次ぐ2位であった。
「マークス教諭は何か気になるものありましたか?」
他の教員から名指しされたマークスと言う男は、防御魔法訓練中にロロの実力に気付いていた教員である。
「そうですね、第5虚構空間ですかね」
「第5というと、サリーネがいたところか。だがあそこは確か虚構空間内でも3位ぐらいだったはずで総合だと中間ぐらいだったはず」
「いえ、私が気になるのはそのサリーネさんのチームを退けた相手側の方です。確か転入生がいたと思うんです」
「確かに金級のいるチームを退けたのは素晴らしい、しかし今回はチーム戦であり本来の力を発揮できない場面もあり、サリーネはまさにそうだったと認識している」
教員の評価はあくまでもサリーネ贔屓、ロロのチームに関しては偶然のたまものと評価している。
「(リア君は一度もめごとが起きてランク降格処分を食らっていたはず。その彼女を活かし、格上であるサリーネ君を撃退まで持ち込んだ。しかも、行動のほとんどをリア君の援護に回っていたことを考えると、もし直接狙っていればもっと楽だったんじゃないか?)」
「今回のチーム訓練はあくまでチームとしての行動ができるかどうかを判断する場所、個人の能力はどのみち来週にはわかることだ」
教員の総代表がそう言って今回の会議を閉めた。
「(そうだね、君の本当の実力は次のトーナメント戦で見せてもらうよ、ロロ君)」
マークスは心の中でそう思った。
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