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第11話
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今日はデリストン魔導士学園の大型行事、新入生対象トーナメント戦【ルーキーズカップ】が開催される日である。
「しかし、普段見ない人たちも結構多いな」
「基本学年ごとに校舎が違ってくるから、用事でもない限りそうそう見かけることはないからね」
上級生は自由観戦が認められており、今後的になりそうなルーキーの視察や勧誘など思惑は人それぞれであるが、今年は例年よりも集まりは大きい。
「今年もこの季節が来ました!!デリストリン魔導士学園最初のビッグイベント【ルーキーズカップ】!!今年はなんといっても史上初の1年にして白金級に選ばれたリヒト=アビリンス君がいます。それでは代表挨拶をしてもらいましょう」
呼ばれたリヒトは壇上に上がる。日光は彼の真紅の髪照らし、神々しさを醸し出した。
「ええ、とご紹介にあずかりました。1年リヒトです」
少し緊張した様子でしゃべるリヒト。進行役の問いに謙虚に答えていく中、
「では最後に今回のトーナメントへの意気込みを話していただければ」
「意気込み、ですか」
リヒトの雰囲気が変化し、緊張は一切なくなり少し覇気を出しながら、
「俺に勝てる奴は誰もいない、このトーナメント戦は俺の単なる活躍の場に過ぎない」
リヒトは喧嘩を売るような言葉を1年生にかける。ピリピリとした雰囲気が闘技場内に広がる。
「そう、この雰囲気が心地いい。だがまだまだ、俺は1年にして初の白金リヒト=アビリンスだ!!」
そう言ってリヒトは壇上から姿を消した。進行役は急なリヒトの変化に唖然としていたが、すぐに切り替えて【ルーキーズカップ】の合図を出した。
「(初めて見たが、思った以上に自信家だったな。さすが初の1年にして白金に選ばれた男、か)」
ロロはおそらく唯一脅威となるであろう男を見てそう思った。サリーネにさえそこまで強さを感じなかったロロもリヒトには脅威を感じつつあった。
「(あの、先日転入してきた男。奴だけ俺の魔力にあてられても全く動じなかったな。それだけの実力を持っているのか、ただただ反応しなかっただけか)」
リヒトもまたロロのことを少し不思議に思った。リヒトは壇上から降りながら少しだけ笑みを浮かべた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さて、私が最初のようね」
リアが控室でロロたちと会話をしていた。リアは1回戦の第1試合に出るようだった。相手は銅級ということで余裕を持っていた。
「まあ油断は禁物だぞ。強いやつが勝つとは限らないからな」
ロロは真剣な目でリアに向けて言った。リアも隣にいたエミリーも冗談ではないと気を引き締めた。
「わかってるわよ、それじゃあ行ってくるね」
リアは闘技場へ向かう。闘技場には大型1つと小型4つがあり、1回戦目は小型で試合を行う形式である。
「これは銀級落ちのリアじゃないか?」
リアは苛立ちを感じる。この悪名はリアがロロに合う前のチーム訓練の時につけられた名前である。ランクは上がれば落ちることもあるため、別に珍しいことではないがリアの場合は
「チーム訓練で1人で突っ込むなんてな。お前は魔導士になる資格ないんだよ」
相手の男子学生はさらにリアに対して罵倒を浴びせる。声はかなり大きく観客にも聞こえている、いや聞かせるような声であった。
「おい、その辺にしないと注意だけでなく、不戦敗にするぞ」
さすがに監督の教員に言われた学生はおとなしくなる。しかしリアは先ほどの言葉がかなり効いているのか顔をしたに向けたままである。
「ねえロロ君、リア大丈夫かな?」
観客席にいたエミリーはリアのことを心配そうにしていた。しかしロロは、
「大丈夫さ、見ていればわかる」
安心した顔でリアを見ていた。そして、監督教員によって試合が開始された。
「始め!!」
男子学生は魔法剣を発動してリアに急接近する。そのままの勢いでリアにつきを食わせようとする。
「悪いけど、そんな剣じゃ私を倒すのは無理ね」
リアは魔法剣が当たる寸前でかわすと同時に剣を鞘から抜き、そのまま切り伏せた。
「(あいつの剣にはもう傲慢さはなくなっている。かつての自分の弱みを身をもって感じ、それを変えていこうとした。まだ実力は伸び切ってはいないが、あの程度の挑発はもう真に受けないだろう)」
男子学生はリアの一撃を防ぐことができず一撃でダウンした。リアは依然として余裕な表情であった。そのまま退場していく。
「おい、あいつってあんな強かったか?相手の男銀級だったぞ」
「でもリアももともとそうだったんだろ」
「だからってあんな一瞬できまるか?」
会場はリアの話題でいっぱいであった。それだけの衝撃を与える試合であった。
「しかし、普段見ない人たちも結構多いな」
「基本学年ごとに校舎が違ってくるから、用事でもない限りそうそう見かけることはないからね」
上級生は自由観戦が認められており、今後的になりそうなルーキーの視察や勧誘など思惑は人それぞれであるが、今年は例年よりも集まりは大きい。
「今年もこの季節が来ました!!デリストリン魔導士学園最初のビッグイベント【ルーキーズカップ】!!今年はなんといっても史上初の1年にして白金級に選ばれたリヒト=アビリンス君がいます。それでは代表挨拶をしてもらいましょう」
呼ばれたリヒトは壇上に上がる。日光は彼の真紅の髪照らし、神々しさを醸し出した。
「ええ、とご紹介にあずかりました。1年リヒトです」
少し緊張した様子でしゃべるリヒト。進行役の問いに謙虚に答えていく中、
「では最後に今回のトーナメントへの意気込みを話していただければ」
「意気込み、ですか」
リヒトの雰囲気が変化し、緊張は一切なくなり少し覇気を出しながら、
「俺に勝てる奴は誰もいない、このトーナメント戦は俺の単なる活躍の場に過ぎない」
リヒトは喧嘩を売るような言葉を1年生にかける。ピリピリとした雰囲気が闘技場内に広がる。
「そう、この雰囲気が心地いい。だがまだまだ、俺は1年にして初の白金リヒト=アビリンスだ!!」
そう言ってリヒトは壇上から姿を消した。進行役は急なリヒトの変化に唖然としていたが、すぐに切り替えて【ルーキーズカップ】の合図を出した。
「(初めて見たが、思った以上に自信家だったな。さすが初の1年にして白金に選ばれた男、か)」
ロロはおそらく唯一脅威となるであろう男を見てそう思った。サリーネにさえそこまで強さを感じなかったロロもリヒトには脅威を感じつつあった。
「(あの、先日転入してきた男。奴だけ俺の魔力にあてられても全く動じなかったな。それだけの実力を持っているのか、ただただ反応しなかっただけか)」
リヒトもまたロロのことを少し不思議に思った。リヒトは壇上から降りながら少しだけ笑みを浮かべた。
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「さて、私が最初のようね」
リアが控室でロロたちと会話をしていた。リアは1回戦の第1試合に出るようだった。相手は銅級ということで余裕を持っていた。
「まあ油断は禁物だぞ。強いやつが勝つとは限らないからな」
ロロは真剣な目でリアに向けて言った。リアも隣にいたエミリーも冗談ではないと気を引き締めた。
「わかってるわよ、それじゃあ行ってくるね」
リアは闘技場へ向かう。闘技場には大型1つと小型4つがあり、1回戦目は小型で試合を行う形式である。
「これは銀級落ちのリアじゃないか?」
リアは苛立ちを感じる。この悪名はリアがロロに合う前のチーム訓練の時につけられた名前である。ランクは上がれば落ちることもあるため、別に珍しいことではないがリアの場合は
「チーム訓練で1人で突っ込むなんてな。お前は魔導士になる資格ないんだよ」
相手の男子学生はさらにリアに対して罵倒を浴びせる。声はかなり大きく観客にも聞こえている、いや聞かせるような声であった。
「おい、その辺にしないと注意だけでなく、不戦敗にするぞ」
さすがに監督の教員に言われた学生はおとなしくなる。しかしリアは先ほどの言葉がかなり効いているのか顔をしたに向けたままである。
「ねえロロ君、リア大丈夫かな?」
観客席にいたエミリーはリアのことを心配そうにしていた。しかしロロは、
「大丈夫さ、見ていればわかる」
安心した顔でリアを見ていた。そして、監督教員によって試合が開始された。
「始め!!」
男子学生は魔法剣を発動してリアに急接近する。そのままの勢いでリアにつきを食わせようとする。
「悪いけど、そんな剣じゃ私を倒すのは無理ね」
リアは魔法剣が当たる寸前でかわすと同時に剣を鞘から抜き、そのまま切り伏せた。
「(あいつの剣にはもう傲慢さはなくなっている。かつての自分の弱みを身をもって感じ、それを変えていこうとした。まだ実力は伸び切ってはいないが、あの程度の挑発はもう真に受けないだろう)」
男子学生はリアの一撃を防ぐことができず一撃でダウンした。リアは依然として余裕な表情であった。そのまま退場していく。
「おい、あいつってあんな強かったか?相手の男銀級だったぞ」
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