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第12話
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「ふう、」
「お疲れ様リア、疲れてない?」
「何言ってるの、剣一回しか振ってないのに疲れるわけないでしょう」
控室では対戦を終えたリアとエミリーが会話をしていた。以前のようなエミリーを見下すような目をせず友のように会話をするリア。
「次はエミリーよね、一回戦負けはだめよ」
「わかってるよ。ロロ君なんか作戦とかないのかな?私一週間魔法をただ打ってただけで」
エミリーは心配そうにロロに聞く。リアとロロが1週間1対1の摸擬戦をしている間、エミリーはひたすら下級魔法だけを放っていた。
「そうだな、今回のトーナメント戦すべて下級魔法だけで戦ってみろ」
「ロロ、エミリーは中級魔法も使えるのよ。下級魔法縛りはきつくない?」
「大丈夫だ。ちゃんと魔法が放てれば銅級連中は簡単に倒せれる」
エミリーとリアは心配に感じるが、ロロの顔を見て了承する。しかし、下級魔法と中級魔法はかなりの火力差がある。それぞれにメリットがあるにはあるが、それでも制限となると話は変わる。
しかし、ロロには確かな自信があった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「続いて一回戦第6試合を始めます」
エミリーは進行役に呼ばれ、闘技場に入る。相手は男の学生で剣を装備している。
「エミリーの相手は剣士か。相性悪いわね」
魔法を専門に扱う魔法士は魔法を発動するまでに時間と一定の距離を必要とする。そのため剣士などの接近戦メインの場合距離を詰めればたいていの場合超有利になる。
「はじめ」
試合の合図と同時に相手の剣士は剣の柄に触れる。エミリーはすぐに魔法を詠唱を始める。
「(魔法?この距離で?)」
相手の剣士はすぐに防御魔法を展開した。防ぎきればそのまま接近できるからである。
「【フレアボール】」
エミリーは火属性下級魔法を放った。しかし、その大きさは下級を大きく上回り中級魔法並み。相手の剣士も下級を予想してたため、展開した防御魔法はたやすく壊されてしまい、そのまま大きなダメージを負った。
「【エアーブレイド】」
最後にフリーの状態の相手にエミリーは風属性の下級魔法でとどめを刺した。
「そこまで、勝者エミリー!!」
「やった、ナイスエミリー」
観客席から見ていたリアはエミリーの活躍に素直に喜んだ。隣のロロも腕を組んで頷いていた。エミリーの弱点である魔法の暴発、それを下級魔法に制限することで暴発の威力を軽減を狙っていた。
さらに1週間下級魔法を撃ち続けたことで下級魔法の魔力制御も慣れてきて本来のエミリーの膨大な魔力量を活かせるようになっていた。
「(おそらくあいつの魔力量はこんなものじゃないだろうけどな)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「勝てた、勝てたよーーー!!」
エミリーはロロたちのいる観客席に戻って勝利の報告を嬉しそうにしていた。
「はいはい見てたわ。よくやったね」
「うん、1週間下級魔法を撃ち続けたからかすごい当てやすかった」
エミリー自身も練習の成果を実感したようだった。
突如観客席の人たちが騒ぎ始めた。何事かとロロたちは闘技場のほうに目を向ける。
「サリーネが登場するのか」
1年にいまだ数人しかいない金級の戦いとなれば観客の期待感も爆上がりである。相手の銅級の女子はその雰囲気に委縮していた。
しかし、
「サリーネ、なんか雰囲気変わったか?」
以前ロロたちと戦った時はもっと毅然とした態度で、女王という名前が似合う雰囲気を醸し出していた。
しかし、今のサリーネは観客の拍手や歓声に一切反応しない、修羅を具現化したような表情だった。
「それでは第7試合、開始!」
合図と同時にサリーネは魔法剣を発動し、一度だけ大きく振った。刹那、相手の体に斬撃の傷がついていた。そのままダウンしサリーネは勝利を収めていた。
「あのサリーネが魔法じゃなく魔法剣を使った!?」
「(いや、そこじゃない。あれは間違いなくスラッシュスレイ、しかも扱いが難しい魔法剣で発動したのか)」
スラッシュスレイは剣士が使う技術の1つで、魔力を剣に集中させ剣を振る勢いで斬撃を遠くへ飛ばすものだ。しかし普通は魔剣で使うことが多い。魔剣は金属の上に魔力が宿っているため安定している。そのため綺麗に飛ばすことができる。
しかし魔法剣は剣そのものも魔力であるため、剣先の魔力を飛ばそうとすると魔法剣自体が崩れかねない。
「(振った後の魔法剣は全く崩れていなかったし、威力も申し分ない)」
闘技場から去る時にサリーネはロロたちのほうに視線、そして剣先を向けた。剣はリアのほうに向かっていた。
「どうやら、あいつのお目当てはお前らしいな。リア」
「そのようね」
リアが順調にトーナメント戦の駒を進めていけばいつかサリーネとぶつかることになる。サリーネが得意の魔法ではなく魔法剣を使ったのもリアを意識してのことだろう。
「お疲れ様リア、疲れてない?」
「何言ってるの、剣一回しか振ってないのに疲れるわけないでしょう」
控室では対戦を終えたリアとエミリーが会話をしていた。以前のようなエミリーを見下すような目をせず友のように会話をするリア。
「次はエミリーよね、一回戦負けはだめよ」
「わかってるよ。ロロ君なんか作戦とかないのかな?私一週間魔法をただ打ってただけで」
エミリーは心配そうにロロに聞く。リアとロロが1週間1対1の摸擬戦をしている間、エミリーはひたすら下級魔法だけを放っていた。
「そうだな、今回のトーナメント戦すべて下級魔法だけで戦ってみろ」
「ロロ、エミリーは中級魔法も使えるのよ。下級魔法縛りはきつくない?」
「大丈夫だ。ちゃんと魔法が放てれば銅級連中は簡単に倒せれる」
エミリーとリアは心配に感じるが、ロロの顔を見て了承する。しかし、下級魔法と中級魔法はかなりの火力差がある。それぞれにメリットがあるにはあるが、それでも制限となると話は変わる。
しかし、ロロには確かな自信があった。
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「続いて一回戦第6試合を始めます」
エミリーは進行役に呼ばれ、闘技場に入る。相手は男の学生で剣を装備している。
「エミリーの相手は剣士か。相性悪いわね」
魔法を専門に扱う魔法士は魔法を発動するまでに時間と一定の距離を必要とする。そのため剣士などの接近戦メインの場合距離を詰めればたいていの場合超有利になる。
「はじめ」
試合の合図と同時に相手の剣士は剣の柄に触れる。エミリーはすぐに魔法を詠唱を始める。
「(魔法?この距離で?)」
相手の剣士はすぐに防御魔法を展開した。防ぎきればそのまま接近できるからである。
「【フレアボール】」
エミリーは火属性下級魔法を放った。しかし、その大きさは下級を大きく上回り中級魔法並み。相手の剣士も下級を予想してたため、展開した防御魔法はたやすく壊されてしまい、そのまま大きなダメージを負った。
「【エアーブレイド】」
最後にフリーの状態の相手にエミリーは風属性の下級魔法でとどめを刺した。
「そこまで、勝者エミリー!!」
「やった、ナイスエミリー」
観客席から見ていたリアはエミリーの活躍に素直に喜んだ。隣のロロも腕を組んで頷いていた。エミリーの弱点である魔法の暴発、それを下級魔法に制限することで暴発の威力を軽減を狙っていた。
さらに1週間下級魔法を撃ち続けたことで下級魔法の魔力制御も慣れてきて本来のエミリーの膨大な魔力量を活かせるようになっていた。
「(おそらくあいつの魔力量はこんなものじゃないだろうけどな)」
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「勝てた、勝てたよーーー!!」
エミリーはロロたちのいる観客席に戻って勝利の報告を嬉しそうにしていた。
「はいはい見てたわ。よくやったね」
「うん、1週間下級魔法を撃ち続けたからかすごい当てやすかった」
エミリー自身も練習の成果を実感したようだった。
突如観客席の人たちが騒ぎ始めた。何事かとロロたちは闘技場のほうに目を向ける。
「サリーネが登場するのか」
1年にいまだ数人しかいない金級の戦いとなれば観客の期待感も爆上がりである。相手の銅級の女子はその雰囲気に委縮していた。
しかし、
「サリーネ、なんか雰囲気変わったか?」
以前ロロたちと戦った時はもっと毅然とした態度で、女王という名前が似合う雰囲気を醸し出していた。
しかし、今のサリーネは観客の拍手や歓声に一切反応しない、修羅を具現化したような表情だった。
「それでは第7試合、開始!」
合図と同時にサリーネは魔法剣を発動し、一度だけ大きく振った。刹那、相手の体に斬撃の傷がついていた。そのままダウンしサリーネは勝利を収めていた。
「あのサリーネが魔法じゃなく魔法剣を使った!?」
「(いや、そこじゃない。あれは間違いなくスラッシュスレイ、しかも扱いが難しい魔法剣で発動したのか)」
スラッシュスレイは剣士が使う技術の1つで、魔力を剣に集中させ剣を振る勢いで斬撃を遠くへ飛ばすものだ。しかし普通は魔剣で使うことが多い。魔剣は金属の上に魔力が宿っているため安定している。そのため綺麗に飛ばすことができる。
しかし魔法剣は剣そのものも魔力であるため、剣先の魔力を飛ばそうとすると魔法剣自体が崩れかねない。
「(振った後の魔法剣は全く崩れていなかったし、威力も申し分ない)」
闘技場から去る時にサリーネはロロたちのほうに視線、そして剣先を向けた。剣はリアのほうに向かっていた。
「どうやら、あいつのお目当てはお前らしいな。リア」
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