夢の中で魔王軍を率いる!・・・しっくりこない。

SAIKAI

文字の大きさ
3 / 7

女は強い。これはっきりわかんだね。

しおりを挟む
 最強なのは、力が強い奴じゃない。
 最強なのは、速いやつでもない。
 力と技術、速さと技術を持っても最強になれない。
 最強なのは、どんな攻撃でもダメージを受けず、攻撃の技術も持っている者。すなわち俺である。
 「クッソ!固すぎるだろ。」
 姐さんがどれだけパワーが高かろうが俺には、そもそもダメージを与えることが出来ない。
 1つだけ、誤算があるとすれば。
 なんだこいつ重くね!?
 なんでこんな重いんだよ!こんな強い拳はじめてだぞ!
 俺は小6のころ、一番喧嘩をしていた。
 高校生に、酒に酔った大人共。最終的には、国の中でもかなりの強者揃いのヤクザ。そんな奴等を相手にして、全て勝ってきた。なのだが、
 姐さん、あの組長より力強いじゃないかよ!こいつ本当に中学生か!
 中学生では普通あり得ないほどのパワーを持ち合わしている。
 「そら!」
 姐さんは、右腕を素早く引き、左腕を伸ばして、俺の頭にぶつけるように振る。
 そして、一度振ったら、右アッパー。
 俺はアッパーを後ろに頭をやり避け、戻すようにして姐さんの頭にぶつける。
 俺と姐さんは一度頭を振り、姐さんが、蹴りとおもわせ、殴ってくる。
 俺はその腕を掴み、引きながら、姐さんの膝の横を狙って膝蹴りをくらわせる。
 姐さんはよろめきながらも、俺の脇腹を狙って右フックを繰り出す。
 腰を回し、右手で脇腹を庇い、体制を戻すと同時に左腕で顎を狙う。
 そして姐さんは倒れ!?
 俺の左腕を掴んだ!?
 「すぅーーーーーアア!!」
 グ、倒れている時の体制で、ここまで、強い蹴りをだすのか!!
 俺は横に蹴り飛ばされ地面に落ちる。
 そのすきに姐さんが俺に襲いかかり、馬乗りになる。そして、殴って殴って殴りまくる。
 一応防御できているが流石にこのままじゃキツいか?それとも姐さんが先に力尽きるか。
 この強引な攻撃で今まで何人もやられてきたんだろうな。
 よし、俺は負けんぞ!
 俺は姐さんの両手を掴み、引く。そして、お互いに頭突きをする。
 俺と姐さんの本気の頭突き。それはもう、今まで経験した痛みの中で、一番痛いが、俺達は頭を押し合う。
 そこで、俺は、なんとか膝を当てて、姐さんの力を抜けさせて、押しきる。
 姐さんを横に投げ、俺は、首に渾身の一撃を喰らわせる。
 「ガハ!?ゴホ!ゴホ!かっぁぁ。」
 強かった。今までで一番強かった。防御力が自慢じゃなくて、他を鍛えてたら、絶対負けてたわ。
 まあ、なにはともわれ。俺の勝ち。死にそうだったけど、俺の勝ちである。
 姐さんは、短時間で片付けるに限るな。念のため覚えとこ。
 「姐さん。俺の勝ちでいいよな。」
 姐さんはまだ咳き込んでいる。
 「あっあー。ハァ。ここが夢じゃなかったら1日くらい、首潰れてたかもしれん。いいよ、私の負けだ。」
 負けを認めるのはいいが、本当は入院レベルなんだがなぁ。1日で治るのかぁ。
 「強いな。お前。何者なんだよ。」
 「俺が聞きたいんだが。中学生かよお前。中学生の力じゃねぇよ。」
 姐さんは少し困った様子で語った。
 「努力すればできるだろ?」
 できねぇよ。
 こいつ人間か?本当に。
 「さて、3時になるまで休憩するか。流石に疲れた。」
 「同感だ。これからまた動くとか、死ぬからな。」
 そうして、そこから、暫くたって、俺達の体が光り、ステージ内の、魔王の城とやらに飛ばされたらしい。
 らしいというのは、ガイドブックに夢の中で寝たら、普通に夢が見れると書いてあったので、俺は飛ばされるまで寝ていたから、詳しいことは分からない。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

処理中です...