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第20話 所属と密会
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僕は考えていた。
事務所に所属するべきかどうかを.....事務所に入れば、多分だけどいろいろとメリットがあると思う。
だけど、事務所に入らないことにも、それなりのメリットがあると思っている。
だから、悩ましい.......
一応、昨日美緒さんが所属している事務所。イヌイ事務所について調べてみた。日本では大手の事務所で、しかも上場企業だ。
美緒さんにお願いして、事務所の契約書を送ってもらった。その内容を見る限り、メリットしかないように思える。
「うぬぬ~、入ってもいいんだよな~」
イヌイ事務所は入りたい人が多い人気の事務所で、オーディションなどを経て、年に数人しか所属できない。
そんな事務所からの誘いとなれば、心が揺れるのも無理はない。僕は悩みすぎて、今にも頭から煙が出そうだった。
そんなとき、美緒さんから連絡がきた。
『あ、あの、柴犬さん。柴犬さんが入るか入らないか迷っていると私のマネージャーに相談したら、柴犬さんと面談したいって言ってるんですけど、大丈夫ですか?』
もう、自分ひとりでは決められないと思った僕は、面談をお願いすることにした。
そして、今日の午後3時にカフェで面談することになった。
************
指定されたカフェに入ると、手を振っている女性がいた。
「えっと、柴犬さんですよね?」
「はい」
「いや~、まさか本当に犬の姿で来られるとは思いませんでした」
僕は顔を知られていないだろうと思って、柴犬の姿でやってきたのだ。女性マネージャーさんの向かいの席に座った。
「それで、柴犬さんは何を迷っているんですか?」
「僕は、所属するメリットがあるのは分かっているんですけど....まだ登録者数が7万人程度なんです。これが一時的なバズりで、これから伸びないかもしれないです。それに、美緒さんからの誘いは嬉しいんですけど....」
僕が率直に悩みを話すと、マネージャーさんは少し考え込んでから答えた。
「そうですか。でも、心配いりません。事務所は、そういう人たちをサポートするためにあるんです。だから、伸びないかもしれないとか、不安に思わなくていいんですよ。それに、柴犬さんは絶対にこれからもっと伸びます。グッズを出せばファンも喜びますし、それが収益につながります。そうすれば、グッズ販売で事務所はさらに.....」
「え?」
「あ、いえいえ、何でもないです」
一瞬、腹黒い部分が見えたような気がしたけど、気のせいかもしれない。
「分かりました。それじゃあ、お願いします」
「ありがとうございます。それでは、こちらの書類に記入して、明日イヌイ事務所にお持ちください」
そう言って、書類を渡された。
「所属が決まりましたので、何でも頼んでください」
「え?いいんですか?」
「はい。経費ですので」
経費と聞いて、普段は頼まないような高級で、しかも犬でも食べやすそうなスイーツを注文した。
「あ、柴さん、鼻にクリームがついてますよ」
「ありがとうございます」
マネージャーさんがハンカチで鼻のクリームを拭いてくれた。
僕はデザートを食べ終えると、資料を口にくわえて家に帰った。
事務所に所属するべきかどうかを.....事務所に入れば、多分だけどいろいろとメリットがあると思う。
だけど、事務所に入らないことにも、それなりのメリットがあると思っている。
だから、悩ましい.......
一応、昨日美緒さんが所属している事務所。イヌイ事務所について調べてみた。日本では大手の事務所で、しかも上場企業だ。
美緒さんにお願いして、事務所の契約書を送ってもらった。その内容を見る限り、メリットしかないように思える。
「うぬぬ~、入ってもいいんだよな~」
イヌイ事務所は入りたい人が多い人気の事務所で、オーディションなどを経て、年に数人しか所属できない。
そんな事務所からの誘いとなれば、心が揺れるのも無理はない。僕は悩みすぎて、今にも頭から煙が出そうだった。
そんなとき、美緒さんから連絡がきた。
『あ、あの、柴犬さん。柴犬さんが入るか入らないか迷っていると私のマネージャーに相談したら、柴犬さんと面談したいって言ってるんですけど、大丈夫ですか?』
もう、自分ひとりでは決められないと思った僕は、面談をお願いすることにした。
そして、今日の午後3時にカフェで面談することになった。
************
指定されたカフェに入ると、手を振っている女性がいた。
「えっと、柴犬さんですよね?」
「はい」
「いや~、まさか本当に犬の姿で来られるとは思いませんでした」
僕は顔を知られていないだろうと思って、柴犬の姿でやってきたのだ。女性マネージャーさんの向かいの席に座った。
「それで、柴犬さんは何を迷っているんですか?」
「僕は、所属するメリットがあるのは分かっているんですけど....まだ登録者数が7万人程度なんです。これが一時的なバズりで、これから伸びないかもしれないです。それに、美緒さんからの誘いは嬉しいんですけど....」
僕が率直に悩みを話すと、マネージャーさんは少し考え込んでから答えた。
「そうですか。でも、心配いりません。事務所は、そういう人たちをサポートするためにあるんです。だから、伸びないかもしれないとか、不安に思わなくていいんですよ。それに、柴犬さんは絶対にこれからもっと伸びます。グッズを出せばファンも喜びますし、それが収益につながります。そうすれば、グッズ販売で事務所はさらに.....」
「え?」
「あ、いえいえ、何でもないです」
一瞬、腹黒い部分が見えたような気がしたけど、気のせいかもしれない。
「分かりました。それじゃあ、お願いします」
「ありがとうございます。それでは、こちらの書類に記入して、明日イヌイ事務所にお持ちください」
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「え?いいんですか?」
「はい。経費ですので」
経費と聞いて、普段は頼まないような高級で、しかも犬でも食べやすそうなスイーツを注文した。
「あ、柴さん、鼻にクリームがついてますよ」
「ありがとうございます」
マネージャーさんがハンカチで鼻のクリームを拭いてくれた。
僕はデザートを食べ終えると、資料を口にくわえて家に帰った。
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