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第6章 生臭坊主
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気が付くと、坊主の膝の上に抱かれて、口を吸われていた。
坊主の手練手管に翻弄されるがままに快楽に溺れ、我を失っていたらしい。
「も、申し訳ありません……」
仙千代は慌てて謝り、坊主から離れようとした。
「良い、良い、こうしていようぞ」
坊主は仙千代を抱きしめる腕に力をこめた。
「おぬしのような良い若衆が、無粋な連中に痛めつけられてると思うと、まことに気の毒でのう」
「……」
「ここでの日々は、おぬしにはさぞ辛かろう」
彼は仙千代の額に接吻し、幼い子供をなぐさめるように、やさしく背中を撫でる。
「拙僧に財があれば、身請けしてやれたのに……」
やさしい言葉をかけられて、仙千代は思わず泣きだした。
坊主の言葉を信じているわけではない。
気色悪いと思っていた生臭坊主に、上っ面だけ優しくされて泣いてしまうほど、仙千代は弱っていた。
自分で思っている以上に、心は傷つき、ひび割れていた。
年季が明けるまで、あと十年。
──もう、だれでもいい……。
やさしくしてもらえるなら。
痛いことをされないなら。
だれでもいいから、やさしく抱いてほしかった。
一時だけでいいから、快楽で頭の中を塗りつぶし、なにも考えられないようにしてほしかった。
仙千代は、坊主の肩に顔を埋めて、声を殺してすすり泣いた。
坊主の手練手管に翻弄されるがままに快楽に溺れ、我を失っていたらしい。
「も、申し訳ありません……」
仙千代は慌てて謝り、坊主から離れようとした。
「良い、良い、こうしていようぞ」
坊主は仙千代を抱きしめる腕に力をこめた。
「おぬしのような良い若衆が、無粋な連中に痛めつけられてると思うと、まことに気の毒でのう」
「……」
「ここでの日々は、おぬしにはさぞ辛かろう」
彼は仙千代の額に接吻し、幼い子供をなぐさめるように、やさしく背中を撫でる。
「拙僧に財があれば、身請けしてやれたのに……」
やさしい言葉をかけられて、仙千代は思わず泣きだした。
坊主の言葉を信じているわけではない。
気色悪いと思っていた生臭坊主に、上っ面だけ優しくされて泣いてしまうほど、仙千代は弱っていた。
自分で思っている以上に、心は傷つき、ひび割れていた。
年季が明けるまで、あと十年。
──もう、だれでもいい……。
やさしくしてもらえるなら。
痛いことをされないなら。
だれでもいいから、やさしく抱いてほしかった。
一時だけでいいから、快楽で頭の中を塗りつぶし、なにも考えられないようにしてほしかった。
仙千代は、坊主の肩に顔を埋めて、声を殺してすすり泣いた。
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