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第8章 新入り
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この時代、幕府が人身売買を禁じていた為、建前上、少年たちは前借金という形で金銭と引き換えに身柄を引き取られ、年季奉公という形で蔭間茶屋で働き始める。
しかし、少年たちが文字どおり体を張って稼ぎだす利益に比べれば、前借金などは微々たる金額だった。
真っ当に商売をしていたら、蔭間たちはあっという間に借金を返済して、自由の身になってしまう。
そこで、彼らを借金漬けにしておくためのからくりが用意されていた。
前借金に高い利息をかけた上、お付きの金剛の給金をはじめ、衣装代、部屋代、布団代、髪結い代などなど、蔭間の仕事や生活に必要な諸々の物事に高い値段をつけて、蔭間の稼ぎから差し引くことで、どれだけ必死に働いても前借金を返済できない仕組みになっていた。
客を取っても取っても借金は減らないどころか、季節ごとに着物を誂えるたびに、新しい下着や敷布が用意されるたびに、借金が増える。
そして、菊座が切れて出血しようが内部が腫れようが、来る日も来る日も休まず客を取り続けていなければ、日々の経費と利息で、ただ生きているだけで借金が膨れ上がっていく。
それは、一度そこに足を踏み入れたら、自力で這い出すのは不可能な、きわめて悪らつな仕掛けであった。
蔭間が自由の身になるには、裕福な客に気に入られて身請けされるか、十年の年季が明けるのを待つしかなかった。
しかし、少年たちが文字どおり体を張って稼ぎだす利益に比べれば、前借金などは微々たる金額だった。
真っ当に商売をしていたら、蔭間たちはあっという間に借金を返済して、自由の身になってしまう。
そこで、彼らを借金漬けにしておくためのからくりが用意されていた。
前借金に高い利息をかけた上、お付きの金剛の給金をはじめ、衣装代、部屋代、布団代、髪結い代などなど、蔭間の仕事や生活に必要な諸々の物事に高い値段をつけて、蔭間の稼ぎから差し引くことで、どれだけ必死に働いても前借金を返済できない仕組みになっていた。
客を取っても取っても借金は減らないどころか、季節ごとに着物を誂えるたびに、新しい下着や敷布が用意されるたびに、借金が増える。
そして、菊座が切れて出血しようが内部が腫れようが、来る日も来る日も休まず客を取り続けていなければ、日々の経費と利息で、ただ生きているだけで借金が膨れ上がっていく。
それは、一度そこに足を踏み入れたら、自力で這い出すのは不可能な、きわめて悪らつな仕掛けであった。
蔭間が自由の身になるには、裕福な客に気に入られて身請けされるか、十年の年季が明けるのを待つしかなかった。
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