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俺の彼氏には特別に大切なヒトがいる〜Bonus Track〜
BonusTrack〜baby pink〜
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それから三人で昼休みは過ごすようになったし、なっちゃんはテニス部に入部した。
俺たちはどんどん仲良くなった。
話せば話すほど、仲良くすればするほどなっちゃんはピュアだった。今どきこの年までこんなピュアなことある?!って驚いてしまうくらい純粋ななっちゃん。
家庭環境が複雑で苦労が多いせいか、どこか寂しそうで自信のなさそうな彼を笑わせたくて俺は毎日必死だった。
そんな時を過ごしていたある日のことだった。
「コータ! 俺のウェアこの辺に置いてたんだけど知らない?」
「え? なっちゃんのウェア……?」
放課後の部活の前、練習用のウェアに着替えていた肩をぽんぽん、と叩かれて振り返った俺は盛大に固まった。
「ピ…………っ」
「ぴ?」
出てきそうになった言葉を何とか呑み込んだので、意味のある言葉にはならなかった。よかった。セーフ。
でも俺の発した音を繰り返してなっちゃんは首を傾けている。
どういう意味?って透明度の高い瞳が訊ねている。
目の前にあるのは、なっちゃんの真っ白な上半身と……
ぽわっぽわピンクの……乳首。
ツンと丸く尖った胸の先もそこをくるりと取り囲むまぁるい輪も、頭を抱えたくなるほど可愛いピンクだった。男のだからちっちゃいけれど、少しふっくらしていて、柔らかそうで、美味しそうで、俺の喉はごくりとなった。
心を奪われている相手のウェアに隠れてた上半身は妄想よりも真っ白で、そこに見たことないくらい可愛いベビーピンクが二つ並ばれたら、頭が沸騰してしまうのも仕方ない。
「コータ? コータ? ぴ? ぴって何?」
加えてなっちゃんは下から覗き込んでくる。もうだめ。限界。
「夏樹っ! ウェア! あったよ! ウェアほらっ」
そんな俺となっちゃんの間に現れたのはまこちゃんだった。
なっちゃんの頭からずぼっとウェアを被せて、なっちゃんの上半身を隠すとまこちゃんはほっとしたような息を吐いた。
「風邪引いちゃうから早く着たほうがいいよ、夏樹」
「ありがと。真琴。で、コータ、ぴって何?」
まだ『ぴ』忘れてくれてないのか……どうしよ……どう誤魔化そう……
俺が考えている間も綺麗な透き通った目が俺を見上げてくる。
「え……っと……えーと」
「ね? もしかしてピク ミン? コータ、ピク ミンでしょ? ピク ミン3のソフト貸すって言ってたのに持って来るの忘れてごめんね。明日持ってくるね」
言い淀んだ俺に、なっちゃんは嬉しそうな顔で笑って言った。
「そ……そう! ピク ミン! なっちゃんピク ミン早く貸してよって言おうとした」
「そうだよねー、ぴって付く言葉であんまりないからさぁ。何かと思ったよ。あ、真琴もやりたかったら、やってもいいからね」
俺のことを白い目で見ていたまこちゃんだけど、なっちゃんに話を振られると振り返ってふわっと笑った。態度が全然違う。
「ありがとう。夏樹。俺もやらせてもらうね。ほら、袖もちゃんと通しな? 転んだら危ないよ」
頭からすっぽり被されたままになっていたなっちゃんのウェアの袖をまこちゃんは軽く引っ張って言ったあと。
今夜の夢に出てくること間違い無しのなっちゃんの裸が隠れたのは残念なような、ほっとしたような……でも、もぞもぞ着替えているなっちゃんも可愛いな、なんて呑気なこと考えていたら、まこちゃんにぐいっと腕を引っ張られた。
「いてっ」
何なんだよ。なっちゃんの袖引っ張ったときと全然違くない?!
腕に食い込んだまこちゃんの指先にクレームを入れようと思ったとき。
「コータ、ちょっといい?」
普段より大分低い声のまこちゃんに俺はぐいぐい引っ張られて、人気のない廊下の隅に連れ出された。
「な……なに?」
怖い顔をしたまこちゃんに開口一番怒鳴られた。
「顔にな、書いてあんだよ。このバカ!」
「何が?」
何を怒られたか本当は分かってはいるけど一応聞いてみる。
ひょっとしたら違うことかもしれないじゃん。
「やっらしい目で夏樹のこと見てる。押し倒したいって顔に書いてある」
「ぶっ……まこちゃん、涼しい顔してそんな身も蓋もないこと言わないで……」
誰かに聞かれてないか思わずキョロキョロする。
「お前の表情の方が身も蓋もないんだけど。ジロジロ夏樹の裸、見ないでくれる?」
「…………か……可愛いと思ったけどそんな、いやらしい気持ちじゃ……」
「とか言って自分の顔触ってんじゃん。欲望に満ちた顔で見てた自覚あんだろ」
「そんな露骨な顔してた?」
俺が焦っていると、まこちゃんは深い溜息を吐いた。
「夏樹は自分がやらしい目で見られてるとか全然気付いてないよ。そんなこと思いもよらないだろうから……つーかさ、お前わかってんの?」
「な……何を? なっちゃんが恋愛とかそういうのに疎くて、ものすごく初心なのはわかってるよ?」
俺の発言を聞くと、まこちゃんはもっともっと深い溜息を吐いた。
マリアナ海溝より深いかもしんない。
「そんなことわかってて当然なんだよ。夏樹が好きなら、ちゃんと順序よくってこと。まず夏樹に好きって伝えて、それから夏樹がお前のこと好きかどうか聞いて、ちゃんと付き合おうって言葉にして、少しずつ距離詰めろよ!少しずつだからな?!」
「わ……わかってるよ! わかってる!」
「夏樹が優しいとこにつけ込んで、ゲームやってくっ付いてるときにどさくさに紛れて……なんてこと絶対だめだからな!」
まこちゃんは念を押すように俺に言ってから部室の中に戻って行った。
でもさぁ。まこちゃん。
なっちゃんは俺がいやらしい目で見ても、甘く口説いても全然気付いてくれないっていうことはさ、俺のこと意識してくれてないじゃん。
どうすればいいんだよ。
じっと待っているうちに、なっちゃんの良さに気付いた人に奪われちゃったらと思うと居ても立っても居られないんだよ。
俺が気付いたみたいに、他の誰かだって気付くかもしれないじゃん。
何にも経験のないなっちゃんをうんと、うんと気持ちよくして優しくして、それで俺のこと意識してもらうっていうのはそんなに駄目なのかな……
ズルいかもしんないけど、俺、なっちゃんの固い蕾がゆっくり解けてくるまでなんて待てない。他の誰かにあの可愛い蕾を摘まれたら後悔してもしきれない。
なっちゃんのまだ固い蕾を俺が優しく舐めて柔らかくしてあげたら、俺の掌の中だけで綺麗に綺麗に咲いてくれるんじゃないかって妄執から、俺はどうしても逃れることができなかった。
*******
お読みいただきありがとうございました!
そんなわけで、付き合っていることを当初真琴に打ち明けられなかったコータでした。
最後の最後で若干ブラックなコータ出現してホラーテイストで終わりました😂
俺たちはどんどん仲良くなった。
話せば話すほど、仲良くすればするほどなっちゃんはピュアだった。今どきこの年までこんなピュアなことある?!って驚いてしまうくらい純粋ななっちゃん。
家庭環境が複雑で苦労が多いせいか、どこか寂しそうで自信のなさそうな彼を笑わせたくて俺は毎日必死だった。
そんな時を過ごしていたある日のことだった。
「コータ! 俺のウェアこの辺に置いてたんだけど知らない?」
「え? なっちゃんのウェア……?」
放課後の部活の前、練習用のウェアに着替えていた肩をぽんぽん、と叩かれて振り返った俺は盛大に固まった。
「ピ…………っ」
「ぴ?」
出てきそうになった言葉を何とか呑み込んだので、意味のある言葉にはならなかった。よかった。セーフ。
でも俺の発した音を繰り返してなっちゃんは首を傾けている。
どういう意味?って透明度の高い瞳が訊ねている。
目の前にあるのは、なっちゃんの真っ白な上半身と……
ぽわっぽわピンクの……乳首。
ツンと丸く尖った胸の先もそこをくるりと取り囲むまぁるい輪も、頭を抱えたくなるほど可愛いピンクだった。男のだからちっちゃいけれど、少しふっくらしていて、柔らかそうで、美味しそうで、俺の喉はごくりとなった。
心を奪われている相手のウェアに隠れてた上半身は妄想よりも真っ白で、そこに見たことないくらい可愛いベビーピンクが二つ並ばれたら、頭が沸騰してしまうのも仕方ない。
「コータ? コータ? ぴ? ぴって何?」
加えてなっちゃんは下から覗き込んでくる。もうだめ。限界。
「夏樹っ! ウェア! あったよ! ウェアほらっ」
そんな俺となっちゃんの間に現れたのはまこちゃんだった。
なっちゃんの頭からずぼっとウェアを被せて、なっちゃんの上半身を隠すとまこちゃんはほっとしたような息を吐いた。
「風邪引いちゃうから早く着たほうがいいよ、夏樹」
「ありがと。真琴。で、コータ、ぴって何?」
まだ『ぴ』忘れてくれてないのか……どうしよ……どう誤魔化そう……
俺が考えている間も綺麗な透き通った目が俺を見上げてくる。
「え……っと……えーと」
「ね? もしかしてピク ミン? コータ、ピク ミンでしょ? ピク ミン3のソフト貸すって言ってたのに持って来るの忘れてごめんね。明日持ってくるね」
言い淀んだ俺に、なっちゃんは嬉しそうな顔で笑って言った。
「そ……そう! ピク ミン! なっちゃんピク ミン早く貸してよって言おうとした」
「そうだよねー、ぴって付く言葉であんまりないからさぁ。何かと思ったよ。あ、真琴もやりたかったら、やってもいいからね」
俺のことを白い目で見ていたまこちゃんだけど、なっちゃんに話を振られると振り返ってふわっと笑った。態度が全然違う。
「ありがとう。夏樹。俺もやらせてもらうね。ほら、袖もちゃんと通しな? 転んだら危ないよ」
頭からすっぽり被されたままになっていたなっちゃんのウェアの袖をまこちゃんは軽く引っ張って言ったあと。
今夜の夢に出てくること間違い無しのなっちゃんの裸が隠れたのは残念なような、ほっとしたような……でも、もぞもぞ着替えているなっちゃんも可愛いな、なんて呑気なこと考えていたら、まこちゃんにぐいっと腕を引っ張られた。
「いてっ」
何なんだよ。なっちゃんの袖引っ張ったときと全然違くない?!
腕に食い込んだまこちゃんの指先にクレームを入れようと思ったとき。
「コータ、ちょっといい?」
普段より大分低い声のまこちゃんに俺はぐいぐい引っ張られて、人気のない廊下の隅に連れ出された。
「な……なに?」
怖い顔をしたまこちゃんに開口一番怒鳴られた。
「顔にな、書いてあんだよ。このバカ!」
「何が?」
何を怒られたか本当は分かってはいるけど一応聞いてみる。
ひょっとしたら違うことかもしれないじゃん。
「やっらしい目で夏樹のこと見てる。押し倒したいって顔に書いてある」
「ぶっ……まこちゃん、涼しい顔してそんな身も蓋もないこと言わないで……」
誰かに聞かれてないか思わずキョロキョロする。
「お前の表情の方が身も蓋もないんだけど。ジロジロ夏樹の裸、見ないでくれる?」
「…………か……可愛いと思ったけどそんな、いやらしい気持ちじゃ……」
「とか言って自分の顔触ってんじゃん。欲望に満ちた顔で見てた自覚あんだろ」
「そんな露骨な顔してた?」
俺が焦っていると、まこちゃんは深い溜息を吐いた。
「夏樹は自分がやらしい目で見られてるとか全然気付いてないよ。そんなこと思いもよらないだろうから……つーかさ、お前わかってんの?」
「な……何を? なっちゃんが恋愛とかそういうのに疎くて、ものすごく初心なのはわかってるよ?」
俺の発言を聞くと、まこちゃんはもっともっと深い溜息を吐いた。
マリアナ海溝より深いかもしんない。
「そんなことわかってて当然なんだよ。夏樹が好きなら、ちゃんと順序よくってこと。まず夏樹に好きって伝えて、それから夏樹がお前のこと好きかどうか聞いて、ちゃんと付き合おうって言葉にして、少しずつ距離詰めろよ!少しずつだからな?!」
「わ……わかってるよ! わかってる!」
「夏樹が優しいとこにつけ込んで、ゲームやってくっ付いてるときにどさくさに紛れて……なんてこと絶対だめだからな!」
まこちゃんは念を押すように俺に言ってから部室の中に戻って行った。
でもさぁ。まこちゃん。
なっちゃんは俺がいやらしい目で見ても、甘く口説いても全然気付いてくれないっていうことはさ、俺のこと意識してくれてないじゃん。
どうすればいいんだよ。
じっと待っているうちに、なっちゃんの良さに気付いた人に奪われちゃったらと思うと居ても立っても居られないんだよ。
俺が気付いたみたいに、他の誰かだって気付くかもしれないじゃん。
何にも経験のないなっちゃんをうんと、うんと気持ちよくして優しくして、それで俺のこと意識してもらうっていうのはそんなに駄目なのかな……
ズルいかもしんないけど、俺、なっちゃんの固い蕾がゆっくり解けてくるまでなんて待てない。他の誰かにあの可愛い蕾を摘まれたら後悔してもしきれない。
なっちゃんのまだ固い蕾を俺が優しく舐めて柔らかくしてあげたら、俺の掌の中だけで綺麗に綺麗に咲いてくれるんじゃないかって妄執から、俺はどうしても逃れることができなかった。
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お読みいただきありがとうございました!
そんなわけで、付き合っていることを当初真琴に打ち明けられなかったコータでした。
最後の最後で若干ブラックなコータ出現してホラーテイストで終わりました😂
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