それはとても、甘い罠

ゆなな

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それは、とてもあまい罠

13話

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 奥の仮眠室に置かれているベッド。自宅のベッドではなく簡易なそれだが、リョウ専用のそのベッドに下ろされると、それだけでクラクラしそうなリョウの香りに包まれる。
 ベッドに悠を横たえると、リョウはVネックのカットソーを脱ぎ捨てた。悠の目の前に、恐ろしいほど美しいリョウの半身が曝される。想像より逞しく筋肉が付いた美しい像のような完璧な裸体。
 リョウの服の下を見るのは初めてであった悠には匂い立つような色気は刺激が強すぎるくらいだ。
(これが、大人の─────)
 リョウの長い指が悠の制服のシャツに伸ばされる。
「そんな、エロい目で見られたらさすがに照れ臭いな。悠のも……」
見せてよ?
「え………や、やだ……っ」
 だって、だって………
 こんな神々しいまでに美しい裸体の彼に見せられるような躯ではないから。貧弱で、青白くて………
 思わずぎゅっと目を瞑る。
 初々しい仕種にたまらなくなり、制服のシャツに指をかける。一つ、二つと外してゆくと普段陽の下に曝されない肌が露になってゆく。なめらかな素肌が現れると、思わずごくりと喉が鳴る。
 目を瞑った悠は覚悟を決めたように、はっきりと言った。
「リョウさんっ………き…聞きたいです……リョウさんの気持ち…………」
 瞳を合わすと色素の薄い瞳はたくさんの想いで揺れながらも真っ直ぐにリョウを見ていた。
───あぁ、やっぱりいい。凄く、イイ───
 リョウは瞳を細めて低く嗤う。
「あ───聞いちゃったね?悠。」
 もう、逃がさないよ────?
 シャツの下から現れた薄桃色の胸の先にくちびるを落とすと薄い皮膚が波打つ。人差し指で軽く触れただけで漏れる声を耐える彼が可愛い。赤く染まるまで弄り倒して、美味しそうなそれを舐めたらどうなるだろうか。
もう、我慢しないよ?
「悠、きみが好きだよ」
 蕩けそうな瞳での告白は、何度も夢に見たそれだった。
「初めて会ったときから、俺のものにしたいと思った。可愛らしくて、真面目で清らかで優しくて」
「あっ……あっ……」
 敏感な胸の先を吸われて、舌で舐められ、軽く歯を立てられる。
「それなのに見たことないくらい、敏感な躯だよね?……俺はね、悠が思ってるより、きっとずっと怖いよ。可愛いきみに合わせた可愛い恋愛なんてしてあげない。綺麗なきみをドロドロでぐちゃぐちゃにして俺なしじゃ生きていけなくするよ……ごめんね」
 胸を愛撫しながらとんでもなく恐ろしいことを告げてきた彼は今までは悠に隠してきた獰猛な獣のような瞳。怖くて、怖くてたまらない。
(な……何?これ…………)
 躯が熱く火照り出した。シャツを脱がされて、制服のズボンもするりと脱がされる。いつもは悠の服を乱して一方的に触れられるが、今日はリョウも一糸纏わぬ姿だ。裸で抱き合うと、触れ合った皮膚が蕩けるようになめらかで心地よい。リョウのマリンの香りと引き締まった筋肉を包む張りの良い肌の感覚だけで、頭が真っ白になるくらい心地よい。
 まるでそこがとても甘い味でもするかのように、リョウの舌が胸の先を舐める。指先はやわらかな肌の感触を楽しむように這い回る。
「すべすべだな…こんな感触初めてだ…」
と恍惚とした声色で呟かれながら音を立てて胸を舐められ内ももから双丘にかけて執拗に撫でられ
「ふ、っあ……ん…ん…っ」
 経験のない悠はくちびるからはひっきりなしにとろりとあまい声が漏れ続けることを止める術など知らない。羞恥のあまり何とか声を抑えようとくちびるを強く噛んだ悠に、だめだよと悪魔のような微笑みを浮かべて制する。胸から一旦顔を上げるとリョウはくちびるをぺろりと舐めた。
 ああ、ほら。すこし、血の味がする。
 低い声で告げた声は、愉悦に満ちた声で。
「きみは、血まであまいんだな……」
 吸血鬼になった気分だ、と首筋もぺろりとなめられた双丘を揉みしだいていたリョウの指先はいつの間にかぬるぬるとローションで滑っていて、ここのところ随分と解されていた悠の入り口にたどり着く。
「あっ……………」
 僅かに抗った仕種を見せた悠に、罰だと言うように舐めていた首筋をきつく吸った。それと同時に、中に指が潜り込む。悠の屹立を擦り立ててイカせてやるとき必ず後ろの孔に指を銜えさたせいか、中に指を挿れられると、それだけで快楽への予感に身を震わせる悠を見て満足気に嗤った。
 いつもと、違う。
 いつもの戯れとは違う。
 いつもは自分の快楽は後回しにするリョウが今日はたまらないというように、露になった屹立を悠の滑らかな肌に押し当ててくる。あまりの熱さに火傷しそうだ。皮膚が薄い悠の頚筋はきつく吸われたせいで痛々しいほどの痕が残った。所有の印を付けると底知れぬ独占欲が僅かに満たされることに気付いたリョウは薄い肌に己の証を落とし込んでゆく。中に潜った指はいつの間にか根本まで含まされている。いつもは前の屹立と同時にナカに触れられるのに今日はナカしか触ってくれない。悠のナカの色んなところを長くて美しい指先は何かを探るように辿る。
(なに────?)
 執拗にナカを探られる動きは少しの不快感を悠にもたらすが、長い時間をかけて指でゆっくりと注意深く狭くぬかるむ隘路の内壁を探る。前の屹立にも触れて欲しいのか、悠の腰がゆらゆらとねだるように揺れる。
(無意識でコレとは末恐ろしいな…)
 内側は何度もリョウの人差し指は受け入れたことがあるので痛みは伴わないが、ぐにぐにと内壁の感触を執拗に確かめるように…何かを探すようにしながら奥へ奥へ進んでいくのは妙な異物感があり、苦しい。
「や……リョ、さ……コレやだっ……」
 思わず泣き言を漏らすと、もうちょっとだけ我慢して、と宥めるようにもう片方の手のひらで背を擦られた。
「我慢できな………っ…え……?あっ……」
 電流のような快楽が背を走り抜けたのはそのときだった。
「見付けた………ココだ、ね?」
 くくくっと低い声でリョウは嗤うと、悠があまい声を上げた場所をぐ……と何度も確かめるように押した。
「やぁ……なに?リョウさんっ……あっなに、これ……んっやだ、やめてっ、そこ、しないで……っ」
 いやいやと頭を振るが、『そこ』をリョウがぐ、と刺激する度に屹立からはとぷり、と気持ちよさそうに愛液が溢れる。
「離してっ……やだ……こわいっ……」
「大丈夫、ココだけでイってごらん?」
 そう言うと、リョウは見付けたばかりの悠のポイントを更に攻め立てる。
「やだっ…だめ………んんっ……出来な……」
 そうは言うものの内もものすべらかな肌も、ぐちゅぐちゅとぬめるナカもひくひくと細かく痙攣して、もう達する直前なのが見てとれる。
そしてリョウの指が一際強く、ぐぐっと押したとき。
「ふ、あああっ…………」
 悠の桃色の屹立が赤く充血したかと思うと、白い体液がどくり、どくりと漏れて悠の白い下腹部を汚した。
「ナカだけで、イケたね……」
 よしよし、とまるでちいさな子供を宥めるように頭を撫でられて。悠の鳶色の瞳からは感じすぎて生理的な涙が溢れだした。ひく、ひく……と枕に顔を埋めて、リョウに背を向けて嗚咽を漏らす様子も溢れる涙も可愛いらしい。ぺろり、と涙を舐めとる。余韻で躯を震わせながら
「あ……リョ……さん……?」
「今日は全部もらうよ。わかったんだ……この方が、いいって」
くちゃり……
 再び、指が胎内に潜る感触にうつ伏せになって露になった悠のきれいな背骨がひくつくのが見える。
 ぞく、ぞくする。
 一点の曇もない美しい背中のラインに沿って舌を這わす。きめ細かいなめらかな感触が舌に心地よくリョウは満足気な笑みを漏らす。悪魔がターゲットを堕としたときのような表情であったが悠からは窺えない。
もっとも、薄い肌は熱い舌からもたらされる刺激を絶えず快楽に変えてしまっているため、見えたとしても危険な笑みを理解することは出来なかったであろう。
「んっ……んん………え……?」
 甘い声を何とか潜めようとシーツを噛んでいた悠だが、熱い舌が背骨の終着点に着いたとき、思わず驚きの声を漏らした。
「や…やだ!や……っリョウさんっそんなとこ………ああっ……いやぁ………やだ……もう、出来ないっ」
 ぬるり、と濡れた舌が次に這ったのは、悠の後孔。
思わぬところを舐められ思わず激しく抵抗すると、
ふ、と嗤うようにため息をついたリョウは静かに悠の細い両手首を制服のシャツで括った。
「え……」
「な…に……?リョウさん?」
「これで、拘束されちゃうんだから、『仕方ない』よね。だから悠は悪くないよ。もう、待てない……諦めて」
 うつ伏せの状態から首を捻ってリョウの方に向けるといつもと変わらない爽やかなリョウの笑顔。
「あぁ……思ったとおり、いい、ね……」
「やだ……リョウさんっ……外してっ……」
「だぁめ。」
 楽しそうに再びくすくすと笑うと、今度こそなめらかな双丘の合間に舌を潜らせる。
長い指でナカをくにくにと刺激しながら秘孔の周辺を丹念に舐めると
「いや……や……やめて……あっ……」
 涙混じりのあまったるい声。
 入り口を丹念に舐めたあと、ぬるりと舌先も孔に潜らせと、まるでもっと欲しいというようにはくはくと痙攣しはじめる。
「リョウさん……お願いっ……いや……やだ…あっ…んんっ……」
「本当に、いや?」
 蕩けそうな声で尋ねると、ひくりと一瞬悠が息をのんだのがわかる。嘘をつけないところも、気に入っているところの一つ。本人の羞恥を裏切って物欲しそうにするそこに、もう一本指を差し込むと、とぷりと透明の液が悠の屹立から漏れる。
「指増やされたらイキそうになるなんて、やらしい……」
ぽそりとリョウは呟くと
「でも、次にイクのは俺の……でね」
「あっ…………う…あ…」
 指と共に舌もそっと挿入すると、息をのんだ悠はきつく指先を締め付けてきた。
「くぅ……あっ……んんっ…や…いや…」
 シーツを噛んでいても、あまい声を全て圧し殺すことはできない。躯のナカからとろとろに蕩けそうな熱と快楽を与えられる。口からは羞恥のあまり拒否をする言葉が出るが躯は完全にどうしようもない快楽の前で為す術もない。リョウの方も熱く、きつくうねる内部の感触に煽られる。
(ココに挿入したらどれほど……)
気持ちいいのだろうか……
「あ…あ…っ…あついっ………」
 キツくて動かし辛かった指も、いつの間にかスムーズに動くようになり出し入れされるたびに瘧のような熱を産み出したまらなく疼く。もっと……なにか、もっと強くリョウと自分を繋いで欲しいと思うような欲求が悠のなかに産まれる。
なに……?こんなのはまるではしたなく、なにかをねだっているようだ…
いや…そんなわけ、ない。違う…そんないやらしいこと。
 そう、思うのに。
 視線は嘘を吐けなくて、濡れた瞳でリョウの蒼い瞳を振り返ってしまった。
 くくくっと喉で低く嗤うと、ずるりと指が引き抜かれた。それから正面で抱き合う体勢を取らされ、指の代わりに火傷しそうに熱いものが、濡れた秘孔に宛がわれた。
「入れるよ………」
これで、全部俺のもの。もう、逃がさない。
「う………ぅあああ……っ」
 灼熱を捩じ込まれたかのような衝撃に悲鳴が漏れる。宥めるかのようにリョウは頬をするりと撫でるが、悠のナカはリョウにも衝撃をもたらすほどの快楽であった。
「く……っうぁ…悠っ…」
 たまらなく狭くてキツいのに絡み付き奥へひくひくとさそうような男にとってはたまらないその内部にリョウは愉悦の吐息を漏らしながら奥へと進む
「リョウさんっ……ぅあっ……あ、リョウ……さ……好き……」
背中に回された腕がすがり付くように力を込められる。
 一番奥まで埋め込むと、くちびるを奪われた。くちゅくちゅとリョウは快楽を求めるままに悠の舌を絡めては咥内を掻き回す。
「んっ……は……ぁ……」
 くちびるを離すと艶かしく濡れたくちびるでリョウはささやいた。
「っこれで、俺に深く繋がれちゃったね…逃がさないよ…………」
 絶対に逃げられないように、深く深く……繋いでおこうな?まるでとびきりの愛をささやくように告げると、これ以上ないと思われる奥まで暴かれる───
 ずっ……吸い付いてくるような奥の感触を味わっていると、下腹部がひくひく震えて、ナカが今まで以上に熱くうねりだした…
「ひ……っ……も……だめ………」
 ポタポタと白濁が痙攣する下腹部に散っている。
ああ、なんて、悠のナカは気持ちいいのだろうか……
イッたばかりのソコの奥をぐ……っと突くと
「ま……待って……リョウさんっ……あっ……イッたばっかだから……っああっ」
「……っごめんな、悠。動くの、止められない。気持ち、良すぎる……」
 所謂名器と呼ばれる女を抱いたことも、極上のテクニックを持つ男を抱いたことも、ある。
だが、これほどまでに心地よくて相性の合う躯は初めてだ。ナカをぐちゅぐちゅと掻き回すように動かれて再び悠の屹立が頭をもたげ始める。
「あっあっ……や……怖い……くる……なんか、くるっ……ああっ」
「んっ……俺も、もう……くっ……」
リョウは呟くと、自分の快楽に任せて動き始めた。
「やぁぁっ……激しっ……んんっリョウさんっ……」
 再び悠の白濁が溢れると、悠の躯の奥に火傷しそうに熱い飛沫が飛んだのが感じられた。

 は…っ…は…………
 どちらのものとはわからない、乱れた吐息の隙間にくちびるを塞がれ悠の正常な思考など彼方へと消えてしまった。あまりの快楽に視線も定まらずぼぅ…としてしまう悠。頭を撫でられると、大きな手のひらが気持ちよくて身を任せてしまう。そして、もう一度くちびるを塞がれぴちゃりと音をたてながら舌を絡められる。
「ひ……っ?!」
 思わず合わせたくちびるの隙間から悲鳴が漏れた。悠のナカで落ち着いたと思ったリョウの屹立が再び熱をもって固くなり始めたのが感じられたのだ。
ぐちゅ……

 最奥に放った体液をかき混ぜるように再びリョウは腰を揺らめかせ始めた……
「あっ………え……?っ………ん」
「何回注がれるか、ちゃんと覚えていろよ…?」

 ずっとご馳走を目の前にして、らしくもなく「待て」をしていたのだ。一度口にしてしまった今、もう我慢などできない。
「悠、愛してる……ああ……凄く、すごく気持ちいい……吸い付いてくる………」
 耳の孔に舌を差し込みながらささやいて、ぐちゅぐちゅと己の体液を悠に染み込ませようかとでもするように、淫らな動きをされ、あっという間に高められる。いつの間にか手首の拘束は外されていて、縋り付くようにリョウの背中に回されていた。
「ん………んっ………ふ、う……」
 繋がったところからは出されすぎた体液が溢れ出る。奥に流れたものは躯に染み込ませるとでもいうようにナカを掻き回される。くちゅくちゅと濡れた音を立てられる。
「奥………しないで……あ、あ……またクる……や……」
ふるふる、と頭を降ると汗で濡れた髪が乱れてふわり、ふわりとあまい悠の香りが漂う。
それに煽られて躯の奥に埋め込まれたものがさらに質量が増した。すると、びゅくっと悠の屹立からもう殆ど透明の愛液が飛び散った。
「かわいい……悠、もうナカ全部感じちゃうようになっちゃったね。」
 どこ突いてもひくひく締め付けてくる……あんなに出したのに、まだ搾り取られそうだ。
 俺も悠のナカ、すっごく気持ちいいよ……気持ちよさそうな深い吐息を漏らしながらイったばかりのナカを擦ると「ひ………っ」と悲鳴のような声が上がった。
 リョウの背中に回された腕はもう殆ど力は籠ってない。
「や、リョウさんっ……も……出来ないっ」
「だぁめ。まだ悠の理性、残ってる…もっと…俺しかわかんなくなるまで、ね?」
「ひ………っ……あ……」
ぐちゃ………繋がった部分からは耳を覆いたくなるような卑猥な濡れた音が耐えず漏れて、それさえも官能をくすぐる。ああ、こんな気持ちいいの、俺もハジメテだよ……

これで全部、俺のもの。
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