とろけてまざる

ゆなな

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3章

5話

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「ユキ……お仕置きだ……」

ホテルの最上階。
大きな窓からはロマンティックな観覧車やタワーのきらびやかな夜景が覗いているが、物騒な言葉とともに部屋に入るなりベッドに押し倒された。

ふわりと、風が起こって永瀬のフェロモンが強く香ってユキを煽った。
ぺろりと濡れた舌がユキの柔らかな頬を舐めた。

すん、とユキの首筋の香りを嗅ぐと
「自分で断ろうとしたのは偉かった。だがな、こんないやらしい香りを振り撒いて他のアルファに会いに行くなんて言語道断だ……しかも……見合い相手を断った後、親の元からだけじゃなく俺の前からも姿を消そうとして色々と手を回していたそうだね……罪が重い」

叱られているのに、あまい睦事をささやかれているかのように、ずくりずくりと下腹が疼く。
くちびるから漏れる吐息はハチミツのようにあまくて、そのくせ火傷しそうに熱い。
逞しい永瀬の躯に抱かれたくて抱かれたくて気が狂いそうだ。

「ご……ごめんなさいっ……うちの実家が先生のことを知ったらきっと……ハイエナのように寄ってくると思って……先生を汚いことに利用するなんて耐えられなくて……」

気持ちも躯も昂って涙の雫がなみなみと溢れんばかりにユキの色素の薄い栗色の瞳の上に膜を張る。

「それでも、俺から離れて生きていけるなんて思ったことが、許せないんだよ。離れてなんて生きていけるなんて二度と思えなくしてやる」


「んん………っ」

くちびるを塞がれる。口を閉じられないよう顎を器用に捕まれる。激しいくちづけは永瀬の唾液をたっぷり飲まされた。発情期中のユキの躯には永瀬のフェロモンがふんだんに含まれた唾液はまるで媚薬を飲まされているような作用を与える。

「は、……ふ……」

くちびるから漏れる吐息が熱くてたまらない。快楽を教え込まれた躯は早く躯の奥深くに確かな質量のあるものを締め付けたがってひくひくと痙攣し涎を垂らすように愛液を流す。
みっともない、恥ずかしい……こんな躯嫌なのに。

あの、冷静な永瀬が何かに取り憑かれたように夢中になってユキのくちびるや躯に触れているのを感じると、こんな躯もそう悪くもないかもしれないと思えるのが不思議だ。
永瀬は息を荒くしてユキの躯を弄る。
「あっ……あっ……」
どこを触られてもあまい快感になり、絶え間なくとろけそうな声がユキのくちびるを吐いて出る。
そのとても艶かしい声はただでさえユキに欲情して仕方がない永瀬をさらに煽る。
「ふ、ぅぁ……っんん」
噛みつくようにくちびるや首筋に吸い付いてきて、まるで狼にでも食べられてしまうようだった……
「……っ俺をこんなに興奮させて……悪い子だ……」

どんなに難しいオペでも余裕を感じる動きで華麗にこなす指先が欲情のあまりユキのシャツのボタンを外すのさえも手間取っている。
「……っ」
珍しく下品に舌打ちをしたかと思うと、シャツの前を一気に引き裂かれてボタンが柔らかなリネンの上に飛び散った。
いくつかは床の質の良い絨毯に落ちたかもしれないが、音はしなかった。

真っ白な肌に常より赤く色づく胸の先が目に毒なほど永瀬を誘う。

「ひ……っ……ん……」
むしゃぶりつくように吸い上げると、白い喉元が仰け反って細かく震える。
乱暴にベルトを外すと前を寛げられあっという間に下着ごと引き下ろされた。
脱がされた途端部屋の中にはユキのフェロモンの香りが濃厚に漂った。

「っ……」

永瀬は下着の中から濃厚に香るユキのフェロモンに思わず息を飲むとユキの足を大きく割り開き、とろとろと愛液を溢す秘孔にまるで獲物を咀嚼する獣のようにむしゃぶりついた。
「あっ……そんなとこ……や…永瀬…先生っ……や……」

じゅるじゅると耳を覆いたくなるような音を立てて愛液を啜られる。

「やめて……っ……恥ずかし……っ」

「確かに……こんなに濡らして、恥ずかしい子だ……」
舐めても舐めても溢れてくる……

じゅ……吸われて舌を這わされると、ぬるぬると熱い感触がどうしようもなく気持ちよくて熱が下腹の中で暴れる。永瀬の熱い吐息が敏感なところを擽って……
とっくにイかされていて、ユキの白い腹部には白濁が零れていた。
ぬるりと舌が秘孔に差し込まれ、抜き差しされると永瀬の唾液と愛液が混ざり合い、じゅぷじゅぷと聞くに耐えない卑猥な音がする。

「君が俺のところを出る準備をしていたとこも、見合いのことも何もかもわかっていて、『こう』することも俺の計画どおりだが……実際に君が一瞬でも他の男の腕の内にいるのは本当に気分が悪いものだな……」

じゅる、と一際大きな音を立てて愛液を吸われた。

「や……っ……こんなの、やだぁ……おなか、熱いっ、永瀬……先生ぇっ……」
とてつもなく淫靡な香りを振り撒きながらも、まるでこどものように熱い……熱い……と疼く熱をもて余してユキの鳶色の瞳からはポロポロと涙が零れる。それがシーツに染みを作る。

獣が獲物のその血液までも啜り貪り喰うように、ユキの愛液を夢中になって啜っていた永瀬がふと顔を上げる。

「言うのが遅くなって悪いが、もう既に戸籍上は君は『永瀬』だ。だから、呼び名を変えてくれ……」

ユキの白い足の間から涙に濡れた鳶色の瞳を見つめて言うと、その白いシルクのような肌触りの内腿に赤い痕や軽い歯形を残しながら再びその美しい貌を足の間に埋めた。

「え……?永瀬先生っ……ど、いう……あっ……んんっ」

じゅっ……

ぬかるんだところを吸い上げられとんでもなく濡れた音が鳴る。耳から入る音で二人とも脳髄まで溶かされそうだった。

「……ちゃんと名前呼べたら、ナカ奥まで弄ってやる……」

入り口を散々舌で苛められて、奥が欲しくて欲しくてたまらないのを見透かされてる。


「ひ……、ふ……っ……か……和真さ………ん……」

ユキの濡れたくちびるから己の名前が零れ落ちると、永瀬は満足そうな笑った。

そして、ちゅぷり………
永瀬の長い指を一本中に潜らすと、きゅうきゅうと可愛らしく締め付けながらナカに迎えた。

「あっ………か……和真さ……っ…和真さんっ……か…ずまさ……ああ……」

その名前を口にしているだけで、どうにかなりそうだった。
「ユキ……凄いな、もうすっかりとろけてる……」

いつの間にか二本に増えていた指をちゅぷんと抜くと
熱く固いものが代わりにあてがわれた。

「ユキ……ここで抱かれるっていうことはアフターピルもコンドームもない状態で抱かれるっていうことだ……」

ちなみにこの部屋は5日間抑えてあって、ここから出すつもりは、ない……妊娠、するよ………?

ぬる…………

固く熱くて先走りでぬめる丸みを帯びた先端が潜り込んでくるときユキがちいさく息を飲んだのがわかった。
「怖い?」
永瀬の珍しく掠れた声。

ユキはゆっくりと首を横に振った。
「怖く……ないです……っふ、……く……か……和真さんから……」

離れられないように、して……
愛され慣れてない臆病な僕が逃げようとしても、逃げられないほどの愛で縛り付けて……


「あっ……」

ずん、と奥を突かれた。とろりと永瀬の先端で拓かれた子宮の入り口から愛液が零れる。

「あんまり、煽るんじゃない……っ……」
先端の膨れたところのカタチを狭い器官に教え込ませるように、何度も何度も抽挿が繰り返される。

ぐちゅぐちゅと蜜を掻き回す卑猥な音が辺りに響く。
「あ……っ………あっ……」
たまらなく気持ちいいところを永瀬の固いものは擦り上げながら、ひくつく子宮の入り口を突かれるとユキのオメガ特有の可愛らしい蕾のような屹立からも子宮からも透明な愛液が溢れる。
ホテルの質の良いシーツにはユキが溢した愛液がもうたっぷりと染み込んでしまっているが、ユキの意思では流れる体液を止めることなど出来なくて、あまい声を漏らしながら永瀬にしがみついて腰をゆらゆらと、揺らしてしまう。


「……っ出すぞ……」
そう呟くと永瀬はユキを後ろから貫く体勢に変えて……

そして、ぐり………っと子宮の入り口に先端が当たるほど深く挿入したとき、永瀬のペニスの根本が膨れ上がりアルファ特有のまるで獣のような射精の準備が始まる。

先端で子宮の入り口をぐりぐりと刺激しながら
「射精が始まったら抜けないぞ……確実に孕むがいいんだな?」
永瀬が問う。
「あ……あっ……ん……」
快楽にどろどろに蕩けながらもこくり、とユキが濡れた瞳で永瀬を振り返って頷いた次の瞬間。

まるで溶岩のように熱く感じる精液が放たれた。
「う、ぁあ………っ熱い……っ」
あまりの熱さにとぷり、とユキの先端から白濁が零れる。

「……っ可愛いな………ユキ……っく」
子宮にかけられてイくなんて………

「あ……つい……っ和真さっ……の……赤ちゃん……でき、ちゃう、……あっ」

「っ……そうだな……ユキ……お前のココ……欲しがって絡み付いてくる……っく」

俺もこのまま溶けそうに気持ち、いい……

そして、うす桃色に染まったうなじにそっとくちづけるとユキの躯はひくり、と痙攣した。

「……っ噛むぞ……」
宣言すると、微かにユキが頷いたのが見えた。

奪って欲しい、何もかも。
そしてずっとそばに置いて欲しい。
親にも愛されていない僕だけど、愛して欲しい。僕を番にして────

ユキは声にしなかったのに。

「約束する………っ……お前の親よりも……ずっと大切にする………愛してるんだ─────賢くて、努力家で優しいユキを」

そう言うと、ガリ…………血が滲むほど強く噛まれた──

「ぅあああ!」
痛いはずなのに、永瀬の歯がうなじの皮膚に食い込んだ瞬間、
ユキの下腹は切なく震えて、屹立からは白濁を撒き散らし、子宮からはとっぷりと愛液を溢した。

しかし、ユキがこれ以上ないほどの絶頂を迎えてもアルファ独特の長い長い射精は中々終わらず、身も世もなく散々啼かされて………
白濁をすべてその腹のうちに吐き出すとユキの過ぎる快楽の涙で濡れた頬にキスを落としてから長い長い放出の治まった己を抜いた。

ずるり、と引き抜くと中から二人の体液が混ざりあった液体も共に零れだす。
「ひゃ………」
零れだしたものを、指で掬ってユキの中に戻すと敏感になってる粘膜がこまかく震えた。
「悪い子だ……零しちゃだめだろう……」
大切な子種だぞ、と低く嗤う。

「あ……っごめ……なさっ……」

まだ息も整わず快楽の余韻に震える躯を横向きにして、背中からそっと抱き締める。
労るような優しい仕種に、ユキが安心して細く息を吐き出したとき

「あああっ!」
ぐちゃりと濡れた音を立てて再びユキの中に熱い屹立が潜り込んできた。
まさか少しもインターバルを置かずに挿入されるとは思わなかったようで、ユキは声も躯がびくつくのも抑えられなかった。

「可愛いな……びっくりしたのか。言ったろう?お仕置き、だと」

お腹が膨れるまでいっぱい受け止めさせるよ……
ココに命が宿るまで……

と、ユキの下腹部を大きな手のひらでゆったりと撫で回しながら
躯の中に永瀬が放ったどろりと濃い白濁を更に奥に押し込み、掻き回す。
横になって後ろから貫かれる体位は永瀬の顔がユキには見えないが、これ以上ないほど満ち足りた顔をしていた。
番になったばかりの証であるうなじのところをしきりに舌で舐めては吸うときゅうきゅうと切なくナカの永瀬を締め付ける。

「和真さ……ん………っあ………和真さん………っ」

ユキは番になったばかりの彼の全てが愛しくて、脳髄が焼ききれそうなほどの快楽の中、幾度も彼の名を呼び続けた……

「ユキ……ユキ……家族になろう…………」

抱きながら繰り返されるプロポーズに何度も頷きながら……

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