Blue day~生理男子~

ゆなな

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1章

4話

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「凌斗、凌斗。そろそろ起きないと間に合わないよ? 」
 翌朝、静かに揺り起こされて凌斗は目を開ける。
「ん……まだ5時じゃん……もちっと寝せて……」
「でもさ、 凌斗今日は朝練の前にシャワー浴びたいんじゃないの?」
「あ……」
 優しい蒼の声で凌斗の意識は徐々に覚醒する。
「おはよう、凌斗。目、覚めた?」
「ん……はよ。あれ? お前もしかしてもうシャワー浴びた」
 蒼から香るのは普段爽やかに甘く漂うマリンテイストの香水の匂いではなく、シンプルなボディソープの匂い。
 朝シャワーを浴びる習慣のある蒼だが、いつもより早い気がして凌斗は尋ねた。
「うん。俺は先に浴びたから、ゆっくり浴びていいよ」
「わり……もしかして俺のために早く浴びてくれた?」
 蒼は軽く首を横に振って
「そんなことないよ、たまたま早く目が覚めただけ。ほら、入っておいで?」
と答えた。


 寮の部屋には一応風呂はあるがトイレがすぐ横に付いてるユニットバスタイプ。蒼に促されるままにバスルームに凌斗が向かって、数分。
「蒼! もしかして、コレってもう抜かないとだめ?」
 呼ばれてバスルームのドアの前まで行くと、曇りガラスの向こうに凌斗の影が見えた。
「コレ?……あぁ、タンポンのこと? あれ入れたの昨日寝るときだから、もう抜かないとだめだよ」
 蒼が答えると
「まじかぁ」
と狼狽える凌斗の声。
「抜き方わかる? 紐出てるでしょ? それ引っ張るんだよ? 」
「わかった、やってみる」

 そんな遣り取りをした後、数分間。
「んー、んんー??……っぅ、ん」
 何やら奮闘する凌斗の声が聞こえ続ける。
「凌斗?大丈夫?」
 心配になって蒼が声をかけると、
「だ……大丈夫っ……」
 一応そう返答が返ってくるので、心配ながらもドアの前から蒼は様子を伺う。
「う、うーん?んんー?……っ」
 5分ほど経っても凌斗の悪戦苦闘は続いてるようで
「凌斗?」
 もう一度声をかけると、
「大丈夫……っ大丈夫…………ひっ………やっぱ、だめ、かも……助けて、蒼……っ」
 呼ばれて扉を開けると、涙目の凌斗が振り返る。
「蒼……これ、紐なんてねぇんだけどっ……」
 脚の間を指で探っている凌斗の瞳に膜を張った涙が今にも零れそうだ。その上、 試合のときの勝ち気なプレーをしているときには想像できないくらい眉が八の字に下がっている。
「……そんなわけないと思うんだけど……紐出てない? 」
 必死な凌斗は気がついてないが、思わずほんのわずかだが蒼は視線を一旦凌斗の下肢から逸らせて深呼吸をした。
「さっきからやってるんだけど……全然見つかんねぇよっ……」
 どんなにキツイ練習でも、どんなに悔しい試合でも、涙なんて見せたことのない凌斗の目尻に涙の滴が膨れて小さな玉になっている。
 たまらなくなって蒼は濡れないようにTシャツを脱ぎ捨てバスルームの中に入り、凌斗をぎゅっと抱き締めた。
「大丈夫、大丈夫。手伝ってやるから、な? 」
 そう言って、凌斗の黒髪をくしゃくしゃと撫でてやる。
「ほ……ほんと? 」
「ん。俺がやってやるから。ここ、座って?」
 バスタブの縁を指し示して言われ、凌斗は蒼の腕に縋るように捕まりながらバスタブに腰掛けた。
 凌斗が座った後、凌斗の正面に蒼もしゃがむ。
「脚、開いて……」
 蒼の声は魔法みたいに凌斗には感じられ、言われると考える間もなく、躯が動く。
 凌斗が脚を開くと、血液の匂いが凌斗のあまい香りに熱を混ぜて蒼に届く。昨日同様、ペニスと睾丸をそっと指で上に持ち上げる。タンポンは入れていたが、許容量を越えてしまったのか含みきれない経血が漏れていて、蒼の眼前には赤く濡れた割れ目が露になった。
 昨日より少しばかり腫れぼったい割れ目に蒼の長い指先が触れる。凌斗の秘密を全て手にしているような錯覚に陥り、目眩がするような高揚感に蒼は包まれる。
「ん……っ」
 蒼の指先の感覚に、凌斗は思わず声を漏らしながらバスタブに爪を立ててしまうほどきつく掴む。
「凌斗、爪ケガしちゃうから、俺の肩掴んで」
「……でも……っ蒼の肩が……っ」
「俺の肩なら爪立てても大丈夫だから、ね。俺って頑丈なの、凌斗もよく知ってるだろ?」
 どんなラフプレーを受けても、大した怪我をしたことのない自身をそう称して優しい声で蒼が促すと、凌斗の指先が遠慮がちに蒼の肩を掴んだ。
 蒼は血液のぬめりですべる割れ目を人差し指と親指で開いてみる。赤い粘膜は惜しげもなく蒼の眼前に晒されたが、確かに周辺に紐は見当たらない。
「……あー、探してるうちに自分の指で紐ナカに入れちゃったのかな…… 凌斗、ちょっと、ナカ、指入れて探すよ?」
「え…… っ?ひゃっ…… 」
  凌斗の返事を聞くより先に、蒼の長い人差し指がちゅぷり、と赤く濡れた割れ目の奥にある穴に潜り込んだ。
 濡れた内部は温かくて、蒼は呼吸が荒くならないように深呼吸をした。粘膜の中に経血を吸って膨らんだタンポンはすぐに見つかったが、紐は無い。それを更に奥に入れてしまったりすることのないよう、慎重にゆっくりゆっくり蒼が粘膜を弄ると、挿入した蒼の指を血液が伝い、ぽたり、と赤い雫になって落ちた。
「あっ………ぁ」
  紐を探す蒼の指先が、敏感な粘膜を優しく何度も撫でるように、くすぐるように、動く。動かす度に体液がかき混ぜられて濡れた音がバスルームに響く。
「そ……蒼っ……変な感じっ……指動かすとジンジンするから、も、やだぁ」
 いつの間にか凌斗のペニスは完全に勃ち上がって、ペニスの先の小さな穴からは、たらたらと透明な体液を流している。
(凌斗、今日はナカしか触ってないのに。ナカ感じるんだ………柔らかくて、濡れれてて、熱い……すっげえ、指に絡み付いてくる……こんなん、入れたら絶対……凌斗も俺もめちゃくちゃ気持ちいい……)
 沸き上がる妄想に蒼は、ぐっ、と唇をきつく噛んで理性を失わないようにする。はぁはぁと変質者のように興奮した息を漏らさないよう、再び努めて深く長く息を吐き出す。
 落ち着いてから胎内に入ってしまったタンポンを探すべく、ぐちゅぐちゅと濡れた音を立てて中を探る。
 指が粘膜を擦る度にびくびくと凌斗の腰が揺れる。
「蒼っ……まだ……っ?」
「んー、タンポンはあるんだけど、紐が無いな……」
 蠢く蒼の指先にタンポンは触れるが、紐が見当たらない。
「指一本じゃ取れそうにないから、もう一本入れるね」
「え? うそっ……あっ……」
 左の人差し指に加えて中指も潜ってくる。
  二本の指が中の異物を掴もうとして、動く度に敏感な粘膜を擦る。
「 あっ……あっ……待って、蒼……っ出ちゃうっ……出るって、ば……」
 指が異物を捕らえるために、くっとナカで曲げられたとき、熱を持って爛れたように火照る隘路は、ひくひくと痙攣した。
「ああっ……」
 ぴゅる…… ペニスに触れていないにもかかわらず、勢いよく精液が放たれた。
 指を咥えながら達すると、指が躯のナカで溶けてしまうかのように感じる快感に凌斗は呆然とする。
 凌斗は狂おしい呼吸の中、視線を巡らすと綺麗に整った蒼の顔に、凌斗の精液が掛かっているのが見えた。
「蒼、ご……ごめっ……え……え? 」
 顔に掛かった凌斗の白い体液を、蒼は親指で拭うと、そのままぺろり、と舐めた。あまりの光景に思わず凌斗は目を見開いて驚きの声を漏らしてしまう。
「ごめんね、すぐ見つけられなくて、いっぱい凌斗のナカ弄っちゃったから……」
 まるではちみつでも付いているみたいに指を舐めた蒼。蒼は努めてこんなことは何でもないことだと言うように振る舞っていたのだが、凌斗には蒼は落ち着き払っているように見え、動揺している自身がおかしいの気持ちになる。
「ひ……っ」
 凌斗が動揺している間に、達したばかりの粘膜を蒼の指が再び辿りだす。
「凌斗、紐掴めたから、抜くよ?」
 軽くナカで掴んだ紐を引きながら蒼が言う。
「ちょっ……待っ……あ……あのさ、コレ……」
「ん?タンポン? 」
「うん……何かさ、昨日よりも大きくなってる?」
 不安そうな顔で尋ねる凌斗。
「一晩入れてたから、経血沢山吸って少し膨らんでるんだと思う。でもいっぱい血が出て濡れてるから、このまま抜いても痛くなさそう。このまま一気に抜くよ?」
「え……? 一気……? ま……待って……っ」
「大丈夫だって。ほらゆっくり息吐いて」
 蒼の声に従って、凌がゆっくり息を吐いたそのとき。
「ひっぁ………」
 中に入ってしまった紐がぐっ……と強く引かれて、ずるんっ、とたっぷり血液を含んだタンポンが抜かれた。
 抜かれた穴からはとろとろと経血が流れた。
「凌斗の言うとおり膨らんで結構大きくなってたね」
 そして凌斗がはぁはぁと乱れた吐息を漏らしている隙に蒼は新しいタンポンのパッケージを破ると、抜かれたばかりでひくひくと痙攣する凌斗の穴に当てた。
「……え……っ?また挿れ……」
 プラスチックの冷たい感覚にどきりとして凌斗が声を上げる。
「うん。これから部活だし新しいの挿れておいた方がいいから。ほら、入れるよ……息、ゆっくり吐いて……」
「あっ……」
 抜かれたばかりのそこは、少しだけ柔らかくほぐれていて、昨夜より簡単につるり、と白い異物を飲み込んだ。
「あ、 すごい。凌斗、昨日より上手になってるよ」
「んんっ……」
 にゅる、と奥まで冷たいものが挿った感触の後、カチリとタンポンを押し出すプラスチックの音がして、体の奥に埋め込まれた。
 先ほど達したときの残りなのか、僅かな量であったが、同時にもう一度凌斗の精液がとぷり、と溢れた。
 
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