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ナイトプールが出会いの場だと知らずに友達に連れてこられた地味な大学生がド派手な美しい男にナンパされて口説かれる話
4話
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ベッドヘッドのライトだけが灯された部屋。分厚い完全遮光のカーテンのせいで時間は何時か見当もつかない。そんなところで、しかも、一糸纏わぬ躯で海斗は隣ですやすや眠る男の顔を見て、 目を覚ましたばかりにもかかわらず愕然として固まった。
深すぎる快楽の海に沈められて、 身も世もなく泣かされ、意識を失うまで抱かれてしまった。 自分の躯で彼に触れられなかったところも見られなかったところも何処もないほどに貪られた。思い出すだけで顔から火が出そうな行為を沢山重ねてしまった美しすぎる男の顔。
どうして気付かなかったのか。
今すっきりとした頭で彼の美しすぎる顔を見て雷に打たれたような衝撃に襲われた。
酒にひどく酔っていたからか、男に酔っていたからなのか。どうして気付かなかったのか海斗自身でもわからなかった。
「……ケータ……って……まさか……ケイ……?」
テレビもインターネットもあまり見ない海斗でさえも知っている。
通学するときに利用するターミナル駅にこれでもかというほど大きなラグジュアリーブランドのポスターに映っている印象的な男。
パリコレのランウェイでも注目の謎めいたモデル、ケイ。
モデル以外の活動には一切興味がないらしく、ブランドの広告かランウェイでしか見ることがない。プロフィールも非公開の謎めいている話題の男。
ポスターに映る男の髪色はびしっと決めた黒で、今目の前にいる男の銀に近いほどのブロンドとは違うが艶かしいブルーグレーの瞳はポスターの男と全く一緒であった。
「まさか。そんなわけ……」
そう思いたかったが、この都内屈指のラグジュアリーホテルの最上階。
夜景が見えるジャグジーの付いた部屋を慣れた様子で使用していた様子もケータがケイであることを裏付ける要因にしかならなかった。
「うそ……」
甘く狂おしい時間。一夜限りのものだと自分に言い聞かせていたけれど、こんなに沢山愛してくれたのならもしかしたらこれからもう少しだけ愛してもらえるかもしれない、と淡い期待がほんの僅かにだが胸の奥にあったのも事実だ。
だけれど。
この事実はそのとても小さい淡い期待を全て粉々打ち砕いた。
(僕みたいな普通の大学生、世界で活躍するモデルが相手にするわけないじゃん。それに住む世界が違いすぎ……)
毛色の珍しいのがあんなところにいたから戯れに手を伸ばしただけなのだ。
昨日避妊具を探すため何度かかき混ぜていたバッグが視界に入った。
ブランドものなんて一切わからない海斗だけれど、落ち着いた頭でよく見るとそれは一目で高いものだとわかるほどに上質なものであった。
そうやって見ると至るところに転がっている彼が特別な人間である証拠。
あの優しく、狂おしく、そして最後には激しい劣情を孕んで海斗を見つめていた瞳は、きっと朝目覚めたらひどく冷めたものになっているんだろう。こんなこと、初めての経験だけれどそんなことは色んな雑誌に書いてあったし、友人達も口にしていた。
「帰らなきゃ……」
あの綺麗なブルーグレーに冷たく見られることにとても堪えられそうになかった。
真夏の夜に見た狂おしい夢だったと忘れなければならない。
深すぎる快楽の海に沈められて、 身も世もなく泣かされ、意識を失うまで抱かれてしまった。 自分の躯で彼に触れられなかったところも見られなかったところも何処もないほどに貪られた。思い出すだけで顔から火が出そうな行為を沢山重ねてしまった美しすぎる男の顔。
どうして気付かなかったのか。
今すっきりとした頭で彼の美しすぎる顔を見て雷に打たれたような衝撃に襲われた。
酒にひどく酔っていたからか、男に酔っていたからなのか。どうして気付かなかったのか海斗自身でもわからなかった。
「……ケータ……って……まさか……ケイ……?」
テレビもインターネットもあまり見ない海斗でさえも知っている。
通学するときに利用するターミナル駅にこれでもかというほど大きなラグジュアリーブランドのポスターに映っている印象的な男。
パリコレのランウェイでも注目の謎めいたモデル、ケイ。
モデル以外の活動には一切興味がないらしく、ブランドの広告かランウェイでしか見ることがない。プロフィールも非公開の謎めいている話題の男。
ポスターに映る男の髪色はびしっと決めた黒で、今目の前にいる男の銀に近いほどのブロンドとは違うが艶かしいブルーグレーの瞳はポスターの男と全く一緒であった。
「まさか。そんなわけ……」
そう思いたかったが、この都内屈指のラグジュアリーホテルの最上階。
夜景が見えるジャグジーの付いた部屋を慣れた様子で使用していた様子もケータがケイであることを裏付ける要因にしかならなかった。
「うそ……」
甘く狂おしい時間。一夜限りのものだと自分に言い聞かせていたけれど、こんなに沢山愛してくれたのならもしかしたらこれからもう少しだけ愛してもらえるかもしれない、と淡い期待がほんの僅かにだが胸の奥にあったのも事実だ。
だけれど。
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あの優しく、狂おしく、そして最後には激しい劣情を孕んで海斗を見つめていた瞳は、きっと朝目覚めたらひどく冷めたものになっているんだろう。こんなこと、初めての経験だけれどそんなことは色んな雑誌に書いてあったし、友人達も口にしていた。
「帰らなきゃ……」
あの綺麗なブルーグレーに冷たく見られることにとても堪えられそうになかった。
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